書籍化作家が書いてみた魅力的なキャラクターの作り方
キャラクターが魅力的とよく言われるので、魅力的なキャラクターの書き方を自分が意識している範囲で書こうと思います。
・自分とキャラクターを切り離す。
・キャラクターの売りは極端に描写する。
・どんな人間ならば人に愛されるか、どんな人間ならば万人から見る悪か、俯瞰して考える。
自分が大きく意識しているのはこの3点です。
①自分とキャラクターを切り離す
これは大事です。メアリー・スー(ググって下さい)は読者が嫌う箇所です。
ド〇ゴンボールの鳥山明先生は喧嘩が強いですか?そんなことはないです。
作者が透けるキャラクターはなんとなく忌避されます。メアリー・スーは、書き手が金メダリストや内閣総理大臣などのすごい経験を経ている人以外は避けた方がいいです。
②キャラクターの売りは極端に描写する
軸にするキャラの方向性を決めます。仲間思いのイケメン、ゴージャスな美女、神経質だけどそこが可愛い少女……決めたらそのキャラに夾雑物が混ざらないようにします。自分が理想とする人間をもう一人作り出す感じです。
思考ベースも自分とは切り離します。実際には些細な痛みに弱い臆病な人間(筆者です)でも、それはキャラには一切入れないように気を付けます。
仲間思いのイケメンなら、仲間のためなら腕が1本ちぎれても平気、むしろ笑って仲間の無事を喜ぶようなキャラにします。
③どんな人間ならば人に愛されるか、どんな人間ならば万人から見る悪か、俯瞰して考える
万人に愛されるキャラクターを作るのは無理ですが、大多数の人に好かれるキャラクターならば作れます。
ゴージャスな美女。でもけして気取らず、いつも戦闘では先陣を切り、暇なときは雑だけれどおいしい料理をふるまってくれる。
作品の対象層にもよりますが、こんなキャラクターならあまり嫌う人はいないはずです。
逆に「欲しけりゃ奪え。憎けりゃ殺せ」が口癖の、赤ん坊でも踏み殺すようなキャラクターは弁護のしようがありません。悪です。
その上で、善は善、悪は悪の属性だけをキャラクターに持たせるようにします。
リアルな人間なら、気取らない美女は仲間の勇者がおとなしいことにイラついているかもしれません。
でもその思想は善悪二元論ならば悪です。
それを少し変えて、おとなしすぎて放っておけないからいやがられても勇者の世話を焼く、にすればそれも一つの善なる個性になります。あまりにも品行方正なキャラはそれはそれでウケないので、こんな感じでキャラを重層的にしていきます。
ただ、悪は、物語の中でどういう立ち位置を取るかで多少の善属性を付与しても大丈夫です。
たとえば、最後に悪であることを後悔するような展開にするのならば、裏切りや貧困などの悲しい経験から悪にならざるをえなかったなどの背景を入れる。悪の美学を貫くタイプなら、敵は基本的に皆殺しでも、女子供は絶対に殺さず、逆に自分を恨む子供たちには「強くなって復讐しに来い」と告げるなど……。
説明が下手でうまく伝わらなかったらすみません。