第2話
「なあ、率直な疑問なんだけど。エンジェルってモンスターなのか?」
「ええとですね。…過去に出現例がありますね」
「そのときはどうだったんだ?」
「ダンジョンの最下層にいたらしいですが、ダンジョン自体が先に攻略されたらしく、あまり記録らしいものは残っていません」
「そうなんだ…。どうしたらいいものかねぇ」
「ランク的には強いので、最下層に配置するのがいいかと思いますよ」
「いや、エンジェルっていったら善性だろ?人間の冒険者と戦えるのか?」
「どうでしょうねぇ・・・。一応はモンスターなのですから、戦うんじゃないですか」
いろいろ言っていても解決にならないので、目の前に配置してみた。
実体化すると、中性的な、どちらかというと女性になるんだろうか、銀髪が似合う小柄の女性という感じだった。
「ええと、はじめましてだね。名前はあるのかい」
「…ない」
「…ええと、名前はあったほうがいいかな」
「…うん」
「…ところで、ここダンジョンなんだけど、外来の生命体と戦うことになるけど、やれるのかな」
「…できる」
「……ああ、そうだ。そのなかには人間もいるけど、大丈夫?」
「…人間。一番の敵。殲滅するもの」
「そ、そうか。わかった、頑張ってくれ」
「…がんばる」
「……ああ、それで名前だけど、レリエルはどうだい」
「……レリエル。いい名前」
「よかった」
なんかとっつきにくいけど、当分戦闘になることもないだろうから、とりあえずゆっくりしてもらおう。
使い方はゆっくり考えるからね。
ゴブリン牧場を増やすのと、レリエルの居場所を作ったりすることとか、いろいろ盛り合わせて、ダンジョン階層を15階層まで増やし、第11階層をふたつに分岐させた。
意外に思ったのが、この分岐だ。
階層のつながりさえ断つことをしなければ、いくつにも分岐させることができそうではあった。
一度下がってから、また上がらないと下に行けないとか、いろいろと工夫ができそうだった。
もちろん、大量のDPを消費することになるけどね!
結果は次のとおりになった。
第1階層から第4階層は迷路にして、おなじみモンスターハウスと罠で埋め尽くした。
第5階層 海エリア
■リヴァイアサン(ゲーリック) A
■メロウ E ■メロウ E ■メロウ E ■メロウ E ■メロウ E ■メロウ E ■メロウ E
■セイレーン D
■サハギン F ■サハギン F ■サハギン F ■サハギン F ■サハギン F
第6階層 迷宮
■ハイオーガ(キリュウ) B
■ゴブリンコマンド D
■ゴブリンメイジ E ■ゴブリンソード E ■ゴブリンアーチャー E ■ゴブリンアーチャー E ■ゴブリン+1 F ■ゴブリン+1 F
■ゴブリンコマンド D
■ゴブリンソード E ■ゴブリンソード E ■ゴブリンメイジ E ■ゴブリン+1 F ■ゴブリン+1 F
■ゴブリンコマンド D
■ゴブリンソード E ■ゴブリンソード E ■ゴブリンメイジ E ■ゴブリン+1 F ■ゴブリン+1 F
■ゴブリンコマンド D
■ゴブリンソード E ■ゴブリンメイジ E ■ゴブリンメイジ E ■ゴブリン+1 F ■ゴブリン+1 F ■ゴブリン+1 F
■オーガロード C
■オーガファイター D ■オーガファイター D ■オーガファイター D ■オーガファイター D ■オーガファイター D ■オーガファイター D
第7階層 草原
■アイスオルトロス(エルス アルス) B
■ウェアウルフ D
■コボルドソルジャー E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E
■コボルドコマンド D
■コボルドソルジャー E ■コボルドソルジャー E ■コボルドソルジャー E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E
■コボルドコマンド D
■コボルドソルジャー E ■コボルドソルジャー E ■コボルドソルジャー E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E ■コボルドファイター E
■ポルターガイスト F ■ポルターガイスト F ■ポルターガイスト F ■ポルターガイスト F ■ポルターガイスト F ■ポルターガイスト F
■サイクロプス D ■サイクロプス D ■サイクロプス D ■サイクロプス D ■サイクロプス D ■サイクロプス D
第8階層 迷宮
■アプラサス C ■リリス C ■サキュバスクイーン D ■サキュバス E ■サキュバス E ■サキュバス E
■ホブゴブリン E ■ホブゴブリンスカウト D
第1ゴブリン牧場
第9階層 密林
■クロコダイル E ■クロコダイル E ■クロコダイル E ■クロコダイル E ■クロコダイル E ■クロコダイル E ■クロコダイル E
■アナコンダ D ■アナコンダ D
■ジャガー E ■ジャガー E
■リザードマン E ■リザードマン E ■リザードマン E
第10階層は迷路だけど、罠だけ設置して気を抜きやすくさせている。
まあ、コマ不足ともいうが、いまガチャるといろいろと危険な気がするのでやめておく。
次が分岐させたところ。
第10階層に、降りる階段を2か所設置しているけど、ゴブリン牧場があるほうに行くにのは難しくしている。
第11階層A 森林
■ドライアド F ■ドライアド F ■ドライアド F
■エンジェル(レリエル) A
第11階層B 草原
■インキュバス F ■インキュバス F ■インキュバス F
第2ゴブリン牧場
第12階層 迷宮
■オーク E ■オーク E ■オーク E ■オークメイジ E ■オークメイジ E ■オークメイジ E
第13階層 都市
■ライカンスロープ E ■ライカンスロープ E ■ライカンスロープ E
今回新しく都市を配置した。
今の広さだと小さな町という感じだけど、設置に使った費用は意外にでかかった。
住人がわりにいろいろと置きたいところだけど、とりあえず人間ぽくなるユニットを配置した。
第14階層 迷宮
■ダストデーモン E ■ダストデーモン E
■ガーゴイル E ■ガーゴイル E ■ガーゴイル E ■ガーゴイル E ■ガーゴイル E ■ガーゴイル E
第15階層 迷宮
■デーモン(ユリウス) A
■バンパイアバット F ■バンパイアバット F ■バンパイアバット F ■バンパイアバット F ■バンパイアバット F ■バンパイアバット F ■バンパイアバット F ■バンパイアバット F
居室&制御室
■リリス(サキ) C
「父ちゃん、ご飯!」
ダンジョンの構成を変えてユニットの配置を終えたころに、タイミングよくポポルがやってきた。
「ちょうどひと仕事終わったから、一緒にご飯を食べようか」
「父ちゃん、このお姉ちゃん、だれ?」
「レリエルというんだ、たまに会うこともあるだろう」
「…………かわいい」
「え?」
「…マスター。この子、かわいい」
「そ、そうだな。たまに遊びに行くと思うから、仲良くしてやってほしい」
ここのユニットたちには、命令としてポポルを襲わないように命令している。
が、新しくガチャしたユニットには命令をしていない。
その段階で、かわいいだと?
やはり、エンジェルには人間を襲うことはできなかったんだろうか。
「……それは命令?」
「命令というか、お願いというか。一応、ユニット全部には、この子を襲わないように命令はしているんだ」
「………それは残念」
「え?」
「……でも、かわいいから許す」
「え?」
さくっと配置したほうがいいようだ。
ドロップしてから再配置する。
それにしても、レリエルには何があったんだろう。
「ポポル、レリエルに会いに行くときは気をつけるんだよ」
「わかった」
「いい子だな、ポポル」
「えへへ」
今日も平和だ。
文字数稼ぎじゃありませんよ。
文字数稼ぎじゃありませんよ。
大事なことだから2度言いましたよ!