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プロローグ4

あれ?おかしいな。

まだプロローグです。



前回の間引きのとき、ゴブリン側もさすがに対応できてきたのか、少なからず損耗がでた。

それほど気のする損害ではなかったものの、無印コボルドが半数ほど倒されたという事実は、それまでの順調さに水を差すものだったかもしれない。


「そろそろ、ゴブリンシリーズを投入しようと思うんだけど」

「そうですね、コボルドシリーズが突出して経験しているので、バランスが悪いですかね」

「それじゃあ、もう一つの階段を解放しようか」


閉鎖区画としてたエリアにつながる壁をすこしいじった。

これによって、第2階層につながる階段はふたつとなった。

念のため、第2階層にオーガたちを配置した。

オーガにリーダーになれそうなユニットがなかったので、1枚だけ進化させた。

経験何ぞさせていないため、ハイオーガ一択だったけども。

名付けも一緒にしたためか、わりといい感じで化け物になった気がしている。


「やあ、はじめましてだね」

「…」

「……」

「…わが主、お初にお目にかかる。キリュウです」

「お、おう」


そこには、武士然とした見上げるほど大きな鬼がいた。


「名前を賜り、まことにありがたい。心して務めを果たしたい」

「ああ、オーガ隊をうまくまとめてもらいたい。できれば、ゴブリンたちの面倒も見てやってほしい」

「ゴブリンは、我らの眷属でもあるので、問題なくできるだろう」

「ああ、そうなんだ。それじゃ、間引きに参加したほうがいいのかな」

「そのほうが、動かしやすいですな」

「わかった。コボルトシリーズとは別に、間引きを指揮してほしい。1回当たりの目標は300で頼む」

「承った」


これで、第2階層のリーダーができて、指示がしやすくなったと、思う。

ある程度目標を設定してあげれば、あとは自律的に行動してくれるはずだし、たとえ意図しなくてもやり直しができるから、問題ない。

あとは、深く深く階層を重ねていくことだけだ。


「さて、間引きの時間だ」

<<わかった>>

<応>


操作盤を拡げて、モニターを横にらみしながら、展開を観察する。


「エルス、アルス、そこで足を止めて、にらみ合ってくれないか」

<<わかった>>

「キリュウたちは、階段のそばに再配置するから、そこから間引きをはじめてくれ」


キリュウ以外は既にドロップしてあったので、キリュウをドロップしてすぐに、第1階層の別の階段に再配置していった。

カードの動きを見ると、キリュウがよくまとめているのが見えた。

階段付近にアーチャーがいる隊を残し、キリュウの隊が速攻を仕掛けていた。

ちょうど、オルトロスたちが対峙しているゴブリンの防衛線の後ろに出たため、背後から崩された。

防衛線が崩されたのを見て、オルトロスたちが進攻をはじめた。

モニターを見ると、相手方のゴブリンたちが瓦解していく様子が見て取れた。

ほとんど時間はかかっていなかったのだろう。

なにか向こうの動きが非常に悪いようにみえる。


「どうしてだろうな」

「なにがですか」

「相手のゴブリンの動きが悪いように見えるんだけど」

「オーガがいるからではないでしょうか。上位の種族がいると威圧されるためかと」

「そういうことかなぁ」


そんなことを考えていると、赤い点が3分の1ほど消えていくところだった。


「キリュウ、エルス、アルス、引き上げだ」

<<わかった>>

<応>

「キリュウたちは、いったん戻してから第2階層にもどすから、階段付近まで退いてくれ」

<…主。階段付近を確保しておきたいのだが、いかがだろうか」

「…ゴブリンシリーズを全部かい?」

「もう少し拡張して、待機場所を確保してはどうですか」

「わかった。すこし階層を拡張するから今の位置で待機していてくれ」


操作盤をいじり、キリュウたち側の階段付近を拡張して、待機場所を確保する。

これで、ゴブリン相手には完璧な布陣を敷くことができた、と思いたい。

当のゴブリンたちは、ダンジョン入り口辺りまで退いたらしく、赤い点が重なっていた。

すこしやりすぎただろうか?

個体数としては3分の2ほど残っているから、数としては優勢なのだと思うけど。

一時的なパニックになっているのは、モニターを通して感じられるところだ。


「ところで、第2階層が空っぽになってしまったんだけど」

「サイクロプスを配置してはどうでしょうか」

「そうだな。あとクロコダイルも配置しようか」


操作盤の待機カードのリストを見てつぶやく。


「新しい階層に水場を作ってはいかがです?」

「水場か」


ワニといった生き物は、水場に引きずり込んでから獲物をしとめると、聞いたことがあったな。


「そうしようか。新しい階層を作ろう。熱帯林タイプのがいいのかな」


第4階層を準備しようとしていたところ、モニターの一部が白くなったのが目に入った。


「何があった?」

「個体が変化したようです。待ってください。……これは進化ですね」


野生のゴブリンでも進化するんだ。


「ゴブリンは、こうやって進化するものなのか?」

「記録上、外来の生命体が進化したという記録はありません」

「そうなのか。ここがダンジョンだから、というわけでもないよな」

「個体名、でました。ハイゴブリンです」

「え?2段階…」


本来であれば、ホブゴブリンに進化するだろうところ、さらに上のハイゴブリンだった。

モニターを見ると、ゴブリンの容姿からより人間に近い印象を持つ。

周囲のゴブリンたちになにか指示を飛ばしているように見える。


「現状では、まだ1体ですので取り囲めば対応できるものと思います」

「そうか、わかった。進化するとわかったら、間引きが難しくなる。3割程度まで絞っていこう」

「わかりました」


第3階層のユリウスに声をかける。


「ユリウス。聞こえるか」

<はい、わが主>

「第1階層で少し動いてもらいたい」

「ご随意に」

「相手はゴブリンだが、ハイゴブリンの排除が目標だ。味方を間違えるなよ」

「御意」


ユリウスとガーゴイルをドロップして、第1階層に配置しなおす。


「キリュウ、エルス、アルス、状況が変わった。ゴブリンたちを3割まで絞り込む」

<<わかった>>

<主よ>

「どうした、キリュウ」

<ゴブリンたちを下げていただけませんか。おそらく、使いものにならないかと>

「ハイゴブリンだからか?」

<すでに、怖がっていますゆえ>

「オーガ隊はどうだ?」

<問題ありませぬ>

「では頼む」


モニターを見ると、それぞれがハイゴブリンを倒すために前進していた。


2018.7.22痛恨の間違い発見、修正しました

2018.7.29ちょっとした違いだけど、大間違いを修正しました

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