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プロローグ2

ええと、まだプロローグです。

それからしばらくの間は、動物や昆虫類でDPを稼ぐ生活となった。

少しずつ増えてきたDPは1万4千ほどまで回復していた。


「ちょっとさあ、この1万を超えたDPでガチャを引いてみたいんだけど」

「引いてしまいますか?もう少し我慢したら拡張か、回数を増やせますが」

「10回分だけ、ちょっと戦力も増やしてみたいし」

「そうですか。そういった暮らしをしてきたのでしょうね」

「え?何を分析して…」

「いえいえ、それでは引いてみてください」


目の前に現れたガチャ箱をみると、この前よりなにか神々しかった。


「なんか、いいものが出そうな予感がする」


右腕をぐるぐる回すと、10回ボタンを押した。


■コボルド F

■コボルド F

■ゴブリン F

■ゴブリン F

■バンパイアバット F

■バンパイアバット F

■ホワイトウルフ C

■合成 

■合成

■合成

■進化 +1


「なんかいろんなカードが出てきたな」

「あら、そこそこすごいじゃないですか」

「どう、そこそこすごいんだ?」

「合成は、個体が強化できます。進化は、個体がより強力な個体に変化します」

「例えば、どうなる?」

「例えば、コボルドFとコボルドFを合成するとほぼほぼコボルドF+1になります。ゴブリンに進化を使うとホブゴブリンやオークなどになります」

「進化は、どう変化するかわからないということ?」

「そうですね、経験を積んでいる個体がより上の個体に変化することが観察されていますが、きまった法則はないようですね」

「より強くなる方向は変わらないということか」

「まあ、だいたいそうですね」

「あと、あれだ。ゴブリンにメイジとかソードとかいるけど、こいつはどうやって変化するんだ?」

「それは転職です。カードでも転職できたり、特定の職業につけられるものがありますし、DPを使って転職させることができますよ。ただ、それなりの経験を積まないと転職できませんけど」

「ふむ、そうか。まあ、とりあえず…」


今回入手したコボルドは2階層に配置した。

ゴブリンも迷わず1階層に配置する。

バンパイアバットは、迷路の中がいいだろうから、3階層に追加。

ホワイトウルフは、2階層の主になってもらおう。


「ホワイトウルフは会話できるかな?」

「会ってみればわかりますよ」

「それもそだね、あとで行ってみよう」


さて、問題の合成と進化だけど。


「合成すると数が減るから、いまは得策じゃないか」

「グループ全体の耐久度は上がりますね、でもいまはまだ2階層が手薄です」

「ならば進化かな…」

「もう少し経験を積ませたほうが、より選択肢が増えると思います」

「ゴブリンソードを進化させると、ゴブリンサムライとかになるのかな?」

「いいえ、ホブゴブリンかオークかですね」

「あー、ソードは職業ってことか」

「はい。進化するときに職業が選択できることもあるようです」

「ちなみにコボルドに職業が付くことがあるのかい?」

「いちおうつくのだと思いますが、コボルドは戦闘職が出る傾向があるようですね」

「へぇ…。そうだ、ホワイトウルフに会ってみよう」


配置された2階層のホワイトウルフのところに跳んだ。

そこには、行儀よく砦もどき、いや砦あとのてっぺんで座り込んでいるホワイトウルフがいた。


「やあ、こっちに来てくれないか」


ホワイトウルフはちらりとこちらを見て、落ちるようにして降りてきた。

目の前に、同じように行儀よく座り込む。


「話しすることはできるのかな?」


ホワイトウルフは首を振る。


「ふむ、2階層を仕切ってもらおうと思ったんだけどな」

「そこは、進化で上げてみるのもいいかと」

「そうだな、一度カードに戻すんだったか?」

「はい」

「じゃあ、すまないけど一度カードに戻すよ」


操作盤を出して、ホワイトウルフをドロップさせる。

目の前から、ホワイトウルフが消える。

ほんとうに、スッと消えてしまう。

ドロップしたホワイトウルフのカードと進化+1のカードを重ねて、配置しなおす。

すると、目の前に白く光りながら先ほどよりもひとまわり大きな体が現れた。


■アイスオルトロス B


「「わが主よ、ありがとう」」


アイスオルトロスは双頭だったから、左右同時に声を出されるとより立体的に聞こえてくる不思議だ。


「おお、これから頼むな。こうやって会話できるようになってよかった」

「よかったですね。そうなると、1階層も早めに会話できるようになると、いいですね」

「そだねー。アイスオルトロス、2階層を頼むな。もう少しDPが使えるようになったら、名前をつけさせてもらうね」

「「わかった、主よ」」


アイスオルトロスは、おそらく持場と決めている砦あとの天辺へと戻っていった。

少しくらいは、あの白い毛並みをもふもふしたかったんだが、残念。



「あ、どうやら魔物が入ってきたようです」

「魔物?」


跳んで居室に戻ると、コアがモニターが展開する。


「どうやら、ゴブリンのようですね」

「野生のゴブリン?」

「そういうことですかね、野生の、というか、本物の、でしょうか?」

「ユニットのゴブリンはなにかで構成されているから?」

「そういうこともありますが、繁殖しませんから」

「ああ、なるほどな」

「いまのところ、会敵しようとして進めていますが、どうします?」

「それはどういうことだ?」

「過去にあった例をいえば、1階層に本物のゴブリンが居つくのは、ある意味DPを稼ぎやすいことになります」

「だまっても増えるし、討伐されようとDPになるのは構わないということか。なるほどな」


勝手に増えてくれることは確かに得ではあるな。

いくつかの問題はあるけど。


「とりあえず、持場に退かせよう。本物のゴブリンたちが居つくまでは、様子を見る」

「わかりました」


1階層を、ゴブリンたちにわからないよう、迷路の壁の位置を変更していく。

こちらの持場の手前に、少し大きめのホールを作って、コロニーを作りやすくする。

こちらのゴブリンシリーズには狭い空間になってしまうことから、第2階層に移動させる。

アイスオルトロスには、あとで一言言っておかないとね。


「ある程度、好きにさせてみようか」

「それだとあまりDPが入ってこなくなるので、少しずつ間引いてはどうですか?」

「適役はいる?」

「そうですね、ゴブリンにはゴブリンでしょうかね?」

「ある程度増えたら、実行だな」


実行するまでにそれほどの時間は必要なかった。

偵察に来ただろう5匹のゴブリンは、使える穴だと思ったのか仲間を引き連れてきた。

その数は、30。

それが、10日も過ぎないうちに倍になり、20日も経とうとすると300近い数になった。


「それにしても、尋常じゃない数の増え方だな」

「すごいですね」

「ちなみに、いま1日あたりどのくらい入ってきているんだ?」

「5千から8千ほどでしょうか」

「それはなんでだ?」

「ゴブリンたちが捕まえてきた動物たちやゴブリンたちが出す塵芥、排せつ物などが吸収されているようです」

「排せつ物、かぁ………。それを考えると、いろいろ悲しいな」

「DPはDPです」

「で、そろそろ間引きか?」

「そうですね、いいかもしれません」


モニターを見ていると、大きな群れから少し離れたところに小さな群れがいくつかあった。

そのうちのひとつは、奥にもぐりこみすぎたのか、少し騒いでもわからないくらい離れた群れがあった。


「よし、この群れにしよう」


第2階層にあるゴブリンのグループから、ゴブリンソード、ゴブリンメイジ×2、ゴブリン×4をドロップして、群れの近くに配置した。

実体化したゴブリンたちは、群れに突撃していった。

ゴブリンソードとゴブリンが斬りこんでいくと、突然現れたためか反撃らしい反撃もないまま、なすすべもなく倒されていく。

ようやく逃げ出したゴブリンにはゴブリンメイジがとどめを刺していく。

あっというまに制圧された群れに止めの魔弾を撃ち込んでいく。


「あっというまだったな」

「最初だけですよ、きっと。何者かに襲われたことがわかったら、警戒されると思いますが」

「かもしれないけど、やれるうちは安定収入だろ。で、どれだけの収入になった?」

「ゴブリン13体で、7240DPでした」

「単純に割れないのかな?」

「個体差が少しありますからね」

「なるほどね」


それから、狩場を決めて何回か間引くことを成功させてきた。

多くのゴブリンを賄うため、第1階層を横に2段階拡張した。

それによって、1千近いゴブリンが住み着くこととなった。


「ちょっと増えすぎたかな?」

「経験を積ませるため、少しコボルドたちにも襲わせてはどうでしょう?」

「第2階層とつなげてみようか?」

「それもいいですね」


新しく作ったエリアの一部を草原にして、その奥に新たに階段を設置、そしてアイスオルトロスとコボルドを設置した。

外敵の設置。

新たな展開を組み立ててみたけど、どうなるかな。


そうそう、レッサーデーモンにユリウス、アイスオルトロスにはエルスとアルスと名付けた。

すっごくパワーアップしたらしい。

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