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最強ネクロマンサー、エルフの村を救う(2)

「おやぶん~なんとかなりましたね~」


「おぅ、想像以上に楽勝だったな。この村のエルフは相当雑魚ぞろいだったみてぇだったな。エルフ共は全員縄でつないでこの広いエルフの長の家に集めたし、あとは子分が町の奴隷商人の連れてくるのをここで待つだけってわけだ。こうやって酒でも飲みながらな。ぐははは!!」


「さすがおやぶんっす! エルフ共ほとんどおやぶんが捕まてましたよね!」


「だから言っただろう。魔法の使えないエルフなんぞ敵じゃねぇって」


「んぅん~!!」


俺の言葉にさるぐつわされたエルフが睨んでくる。


「事実なんだから仕方ねぇだろう?弱い自分を恨めよ」


「んぅん~!!」


「おやぶんこのエルフなんていってるんでしょうね?おいら、ちょっと気になるっす」


「あぁん?じゃあさるぐつわ外してやりな」


「いいんすか?魔法を使われないようにしてるんじゃ」


「万が一のためにな。この魔道具の効果は今のところきいてるが、得体のしれない奴に渡されたもんだから、完全に信用することもできねぇ。そいつ一人ぐらいが仮に魔法を使えたところでこの状況はどうにもならねぇし、何を言ってるのか聞いてみるのも面白そうだ」


「うぃ~じゃあ外すっす」


「ぷはぁ…き、貴様ら!!卑怯だぞ!!魔法さえ使えれば貴様ら程度のハンターなぞ返り討ちにしていたんだ!!」


「おうおう、なんだたんなる負け犬の遠吠えだったか、わざわざ聞く必要もなかったな」


「負け犬の遠吠えだと…!」


「お前らは俺たちに負けたんだよ。これから奴隷として売られていくんだ。その現実がある以上、どんな言葉を吐こうが、負け犬の遠吠えにしか聞こえねぇよ。ぐはは!!いやー負け犬の遠吠えを聞いて飲む酒はうまいぜぇ!」


「くそっ…!」



顔をゆがめて悔しがるエルフの美女。いやぁ、面白いなぁ。そうだ、奴隷商人を待ってる間暇だし、ちょっとこいつで遊んでみるか。


「それにしても、おまえ生意気なエルフだな。俺はそういう気の強い女は好きなんだ。どうだ?俺の愛人になるっていうなら、奴隷として売るのはやめてやるぞ?どうする?どこの誰ともわからねぇ貴族に売られるよりは、俺の愛人になったほうが得策だぜぇ?」


「ふざけるな!誰がお前なんかの奴隷になるものか!」


「まぁ、そういうだろうな。だったらそうだなぁ、お前ひとりが俺の愛人になって従順に尽くすっていうなら、この村のほかのエルフを三人解放してやるっていうのはどうだ?」


「三人だと…?みんなではないのか?」


「それはいくらなんでも欲張りってもんだぜ。お前ひとりで全員を助けられるわけねぇだろ?いくらなんでも俺はそんなお人よしじゃないんでな」


「…本当に私が犠牲になれば、三人のエルフは解放してくれるんだな?」


「もちろんだ!俺は約束を守る男だぜぇ!」


「ならば好きにするがいい…」


「好きにするじゃねぇんだよな。もっと俺にこびてもらわねぇと。ほら、なんかやってみろ」


「くっ…一体、何をしろというのだ…」


「いや、だからあれだよ、あれ、男と女がいたらやることはひとつしかねぇだろうが…」


「…そんなこと私の方からできるわけがないだろう!お前のような邪悪な醜男相手に…」


「てめぇ…誰が醜男だと…!?」


「おやぶん!!やばいっす!!」


「なんだ、これからいいところだったんだぞ?」


「襲撃っす!!」


「あぁん?一体だれが…まさか他のハンターが横取りにきやがったのか?」


「いや、あれはたぶん魔王軍の亜人共っす!竜人と…あと黒い騎士と銀髪に褐色肌のエルフが馬鹿強くて、あと獣人の奴もいて…そいつも普通に強いっす。とにかく、このままじゃやばいっすよ! みんながあっという間にやられてるっす!!」


「なんだとぉ!? 竜人っていったら、ほぼ全員がAランク冒険者以上の実力を持ってる戦闘種族じゃねぇか。それに黒い騎士って、まさか魔王軍のあの黒騎士じゃねぇだろうなぁ…いやさすがにエルフの村を救いにそんな戦力がくるわけねぇだろうが…お前何かを見間違ったんじゃねぇか?銀髪に褐色のエルフなんているわけがねぇだろうが」


「いや、でもおやぶん!!もうそこまできてるっす……がっ」


子分が倒れた。それと同時に竜人と黒い騎士と銀髪褐色にエルフが現れた。その後ろからチビなガキと一緒に獣人も現れた。


「げぇ…!?ま、まじもんの魔王軍の黒騎士じゃねぇか…それにそこの竜人もどっかで見たことあるぞ…ま、まさかあの最強の竜人のレイン!?なんで生きてるんだ!?とっくに死んだはずだろうが…」


「ふふん、あるじ様に復活させてもらったのさ」


「はぁ!?復活だと…?まさかネクロマンサーが…!?いやありえねぇ…英雄クラスの復活に成功したネクロマンサーの話なんて聞いたことがねぇ…!ん?よくよく見れば、そこのエルフはさっきの見張りじゃねぇか、生きてやがったか。…わかったぞ! お前ら仮装してるな? 魔王軍の幹部やら、竜人のふりをすればこの俺がひるむとでも思ったか?そんなこけおどしに頼るってことは大した実力がねぇって証拠だ!!ならこのハーカス様にかなうわけがねぇ!!がははは!!策を練ってきたようだが無駄だったな。真の強者の俺にはそんな小細工は通じねぇのよ!」


「う~ん、すごく自分の都合の良いように考えてるね。この人…」


「なんだとガキ!!」


「この人を倒すのはエイファに任せるよ」


「私が倒すんですか?」


「うん、そうした方がいいと思う」


「わかりました!」


「あぁん?そのエルフなら俺がさっき倒したんだぞ?まぁ、いいか!まずはその女からだ!うおぉおお!!」


さっきと同じようにかるくひねってやるぜ!


さぁ喰らえ! Aランク冒険者すら倒した俺の大斧による渾身の一撃を!


「…遅い!」


「あぁん…?な、なんでよけられる?」


何か魔法を使ったのか?いや、魔法はあの魔道具がある限り使えねぇはずだ。じゃあなぜだ? ちっ、考えてる暇はねぇ。避けるなら当たるまで攻撃するだけだ!!


「おらおらおらぁ!!」


くっ、まったく当たらねぇ。なんでだ?俺の動きを完全に見切ってるみてぇだ。


「すごい…さっきはまったく手も足も出なかったのに…今なら、簡単に倒せる気がする。これがアンデッド化の影響なの?」


「なにを言っていやがる!!ここでお前は俺に負けるんだよぉ!!」


「ふっ!」


褐色エルフの右こぶしが俺に迫る。ちょうどいい。ちょこまかよけられていらいらしてんだ。この一撃はあえて、食らってそのすきにこっちの攻撃をあてる…!よけるのは得意になったみてぇだが、力ならこっちに分があるんだ!


「がふっ…!」


何だこの威力は…。嘘だろ。立ち上がることもできない。なんであの細腕でこんな威力の攻撃ができる?こんなの俺様が山賊を引退せざる負えなくなった…あのSランク冒険者以上の威力じゃねぇか。くそがっ。


エルフの森を見つけて…これからだって時に…。なぜだ…なぜ失敗した?


死んだはずのエルフが仲間を連れて戻ってくるなんて…ありえねぇだろうが。


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