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閑話 魔王、作戦が成功する【アンリ視点】

なんとか、シオン殿が挨拶が終わってほっとしたのじゃ。私が用意した作戦もばっちりはまってくれたのじゃ。


「よくやってくれたのじゃカイル…おぬしのおかげで助かったのじゃ。おぬしは魔王軍でも部隊長を務めていて、下の者からの信頼もあつい。おぬしがあそこで出たからこそ、シオン殿がああやってすんなり認められたのじゃろう」


「いえ、魔王様のご命令とあらば…それにシオン殿にこれで少しでも恩を返せたなら、私としてはこんなにうれしいことはない…」


「うむ、そう言ってくれたならうれしい限りじゃ。カイルにも何か恩賞を与えるのじゃ。何がいいのじゃ?」


「…もしも俺があの場で出なくても、いつかシオン殿はその実力と人柄で認められていたでしょう。俺のしたことは少しだけそれをはやめただけのことです。恩賞をもらうほどのことではない。ただ、もしも恩賞をくださるというなら俺をあの人の部下にしていただけないでしょうか」


「…なるほど! それはいい提案なのじゃ。さっそくそうするのじゃ!」


「ありがとうございます!では早速シオン様のもとへいきたいと思います!」


「うむ、言ってくるといいのじゃ。おぬしの口から直接伝えるのじゃ。シオン殿はまだm、魔王軍に入って日が浅いのじゃ。おぬしが支えてくれなのじゃ」


「はい!」


カイルは嬉しそうに去っていったのじゃ。


「とりあえずは、うまくいったのじゃ…」


カイルが去って行ってから、オークがとことこ現れる。


「魔王様!俺の仕事ぶりはどうでしたブヒ?」


「おぉ、ベースケ。よい仕事ぶりだったのじゃ」


「それにしても魔王様、なんでわざわざ俺にシオン様を疑うようにいったブヒ?俺があんなことしなくてもみんな魔王様が幹部として迎え入れたなら、反対しなかったブヒ」


「確かにそうじゃろう。みんな認めてくれておったと思うのじゃ、だがそれはあくまでもしぶしぶ私がいうことだからなのじゃ…心の中に「人間なんて仲間にして大丈夫なのか?」という疑念が残る。それでは本当の意味でシオン殿が認められたということにならないじゃろ? だから、あそこでベースケにはあえて、シオン殿に疑いを持たせて、そこを獣人のカイルがフォローして、みんなの疑念を少しでも解消させるというのが私の作戦だったのじゃ」


「なるほどぉ~さすが魔王様ブヒ~」


「というか、この仕事を与える前にそこら辺のことは一度ちゃんと説明したのじゃが…」


「そうだったブヒ!?復活祭のおいしいご飯を食べてたらすっかり忘れてしまってたブヒ」


「…とにかくよくやってくれたのじゃベースケ。おぬしにも何か恩賞を与えるのじゃ」


「じゃあ、豪勢なディナーが食べたいブヒ~」


「うむ、それぐらいならお安い御用なのじゃ」


「でも実は本当のお願いはそれじゃないブヒ」


「なぬ?」


「魔王様!俺をぜひ、シオン様の毒見役にしてほしいブヒ!」


「ふむぅ、なぜじゃ?」


「魔王様の言った通り、人間に対して憎しみを持つ奴はいくらでもいるブヒ、そんな奴らのなかにはシオン様のことを暗殺しようとするやつもきっとでてくるブヒ。暗殺の定番といったら食事に毒を混ぜることブヒ!だから、俺を毒見役にしてほしいブヒ!」


「なるほどなのじゃ、悪くない提案じゃな」


「そうでしょうブヒ!そうならば、シオン様の命は安泰!そして俺はあの天才美少女シェフのミミちゃんのおいしいご飯にありつけるブヒ!まさにウィンウィンブヒ!」


「しかし…ベースケ。実はその提案には穴があるのじゃ」


「なんですとブヒ!?」


「おぬしのいうように、ミミは天才なのじゃ。その優れた嗅覚によって、はじめてあったお客でもその体臭などから、趣味嗜好、栄養状態などを見抜き、一人一人にぴったりあった食材や味付けをすることができるのじゃ。そしてその優れた嗅覚はたとえほとんど無味無臭の毒であったとしても、何か料理に変化があれば、すぐに察知することができるのじゃ。だから、毒見役はいらんのじゃよ」


「…そうだったブヒか…じゃあ諦めて、シオン様の屋敷の裏で残飯をあさるブヒ」


「…ベースケ、普通に食べにいけばよいのじゃ。今回の褒美としてベースケが来たら、何か食べさせてあげるように後でミミに伝えておくのじゃ」


「あ、ありがとうございますブヒ!!とっても嬉しいですブヒ!」


「うむ…」


「じゃあ今夜は復活祭で満腹だから、明日さっそく食べに行くブヒ!!魔王様、失礼するブヒ。あ、いつも通り、みんなが残した料理は全部食べて片づけておいたブヒよ。といっても、やっぱりミミちゃんが作っただけあって、ほとんど残ってなかったブヒ」


「うむ、ご苦労だったのじゃ」


「ありがたいお言葉ブヒ!では!」


そういってベースケは去っていた。


さて…シオン殿を魔王軍の幹部として認めてもらうため、私としてはできることはしたのじゃ。しかし、これはあくまでもその場しのぎ。これからどうなるのかはシオン殿次第なのじゃ。もっとも、私は全く心配はしていないのじゃ。シオン殿はとっても素直ないい子なだけじゃなく、とんでもない実力をもっているのじゃからな。



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