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b.2

20分ほどで目的地の駅に着いた。電車が来る時間まではあまりない。改札を抜け、ホームで本を開く。

現在読んでいるのは、好きな子を追いかけて入ったサークルでの活動を中心に描かれた大学生の話である。高校生の頃から読んでいるシリーズなのだが、大学に進学してから妙に共感できるポイントが増えた。


読書というものは不思議なもので、年を重ねると同じ本を読んでも受ける印象が変わるのである。昔読んであまり面白いと思えず、何年か後に読んだらドはまりしてしまうもの、もしくはその逆もある。昔はあんなに面白いと思えたのに今ではそうでもない本はたくさんある。

その点、昔も今も楽しる本というのは、自分の体質に合っている本なのだろう。僕はそのような本にはほとんど出会っていない。大抵は、登場人物の年齢が自分の年齢に近い本が読みやすいのだろう。経験則として、僕はそう結論づけている。

先の本の話に戻る。大学生になると、作中で語られる、日中に暇な時間かできる感覚であるとか、テスト期間の感覚だとかが身の丈に合うのである。文章で説明があったとしても、生活スタイルから来る共感というのは存外に大きい。一番共感出来たのが安い夕食の作り方というのが泣けるところなのだが。


電車が来た。降りる駅までは1時間ある。寝てしまうと寝過ごしそうだし、このまま読書にふけるとしよう。

ゆっくりと振動が伝わってくる。窓の景色が流れ出す。行く道のりはまだ長い。

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