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b.1

スマホのアラームが鳴る。午前7時。気だるい体を起こし、眼鏡をまさぐった。いつもならば二度寝をするところだが、今日は予定がある。カーテンを開け、お湯を沸かしながら、パンをオーブンに突っ込んだ。


もしゃもしゃと朝ごはんを食べながら、電車の時間を再度確認する。大丈夫。問題なく間に合う。食事を終えて、食器を洗い、クローゼットの前に立つ。駿巡の末、いつもの黒い上下を選んでしまった。また真っ黒と笑われそうだな。仕方ないだろう。

残りの着替えをリュックに詰め込む。他の荷物の忘れ物はない。昨晩に確認したし、忘れるほどの大荷物でもない。必要なものは着替えに、財布、本を2冊、手帳だけだ。


リュックを背負い、レターボックスを眺めた。小さくない箱の中身は、もう溢れそうなほどに詰まっている。最新の一通は荷物に入れた。場所と時間は忘れるはずもないが、お守りのようなものだ。スペースをとることもないと思い、これも昨晩、手帳に差しておいた。


出発だ。戸締まりをして家を出る。天気は良好、気温も程よく暖かい。まだ咲ききっていない桜にとまった鳥が、軽快な鳴き声を響かせている。

最寄りのバス停まで歩きながら、イヤホンをはめた。アップテンポの曲を選ぶ。自然と歩調は速くなる。


バス停で待つこと数分、バスが来る。乗客は少なく、座ることができた。窓の外を眺めていたら、駆けていく3つのランドセルを見つけた。きっと仲の良い3人なのだろう。しかし、この時間だと遅刻だろうな。眠気に抗えないのは彼らも同じだ。


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