手紙
中学2年の時
初恋ではなかった
どこにいても好きな人がいないと気が落ち着かなかった
そんなときふとあなたのことが気になった
はじめはただそれだけだった
好きな人なんて出来ても叶わないのがおちだったから
気にしないで過ごしてきた
遠くから見てたら
近づきたくなった
触れたくなった
いつもと違った
今あなたを好きになって
振り向いてもらいたくて
振り向いてもらえなくて
やっぱりだめかって
いつもなら諦めるはずなのに
今回はなんだか諦めきれなくて
どうしても振り向いてもらいたくなって
自分らしくなくなっていく
人を本気で好きになった
振り向いてもらいたい
好きになってほしい
同じ気持ちになりたい
同じ場所にいたい
ずっと一緒にいたい
いつからか好き以外のものを求めたくなって
勝手な独りぼっちの妄想
気がつけばあなたばかり
私の頭のなか
辛くなって
「いっそ嫌いになれたら、突き放されたら楽なのに」
そんなわけない
ただのいいのがれその場から逃げたかっただけ
目立ちたいのに遠慮したり
恥ずかしいからできなくて
思うようにならないのが辛いだけ
思うように動けてないのは私の身体なのに
またダメだったって何回後悔したの
やらないで後悔よりやって後悔なんてバカバカしい
私は後悔したくない
だから
嫌がられても手を繋いだ
返事がなくても気持ちを伝えた
あなたにはとっておきの笑顔をみせた
手紙を書いた
あなたをいつまでも待った
まわりからどう思われたってただあなたを好きだった
見ているだけでよかったのかもしれない
どうかこの気持ちが消えないように、今、このまま、どこかに閉じ込めたい
そしていつかあなたに見つけてもらいたかった
もしもあなたが私のことを忘れずに覚えていてくれていたなら
私がいなくなったときに知ってほしかった
私のあなたへの気持ちを
そんな日来るはずがなかった
一方通行の愛情なんて誰にも気づかれないまま
消えていった方があとになにも残らなくていいのかもしれない
ならいっそ私はあなたへの気持ちと一緒に消えてしまいたい
そしてあなたの記憶からも消えてしまいたい
誰も私のことなんて覚えていてほしくない
誰の記憶にも残らなかった人になりたい
そうすれば私の気持ちにも誰にも気づかれない
最後には私自身の記憶も消して
あなたを好きだったことも
出会ったことも忘れる
好きに以外を求めたことも
辛さも
手紙も
笑顔も
妄想も
恥ずかしさも
遠慮も
手を繋いだことも
告白も
あの日の涙も
私が消えると同時に全部消えて、真っ白になって
迷惑も失敗もぜんぶ…
嘘
あなたへの気持ちだけは消したくなかった
楽しかった毎日は手紙に書いてあなたにあげたい
やっぱり最後の最後に、あなたにだけは覚えてほしかった
私が生きていく意味を教えてくれたあなたに
いつか一緒になれたとき、見つけてもらうのではなく、私が伝えたい
私の気持ちを
あなたにだけに
消えない毎日が今
幸せです