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1-4『忘却の呪い』

今回は少し文字数が少ないです。すいません…。

でも毎話3000文字ぐらいを目安に書くつもりです。

これからも宜しくお願いします!

「は、話し合い?」


「はい。そうです。」


 チラっとミレルヴァの方を見ると、まだこちらを睨んでなにか喚いていた。


「あ、あの…」


「はい?何ですか?」


「あ、あの…俺…」


「あぁ!魔人のことですか!?」


「え…あ、えぇ、そのミレルヴァっていう人言っている魔人ってなんなんですか?」


『俺は人間です!』って言いたかったんだがな…


「へぇ…君…魔人のこと本当になにも知らないのですか?」


「はい。そうです」


「ふぅん…君…名前は?」


「え?…名前…ですか?」


「はい。名前です」


「さ、佐藤進です。」


「サトウススムね!

 私の名前はガンマ・ルーラよ!

 以後ガンマ師匠、と呼んでね!」


「は、はい。ガンマししょ…

 …え?」


 は!?俺あんな怖い女の人がいるとこの弟子なんてなりたくねぇ!!


「ど、どういうことで…」


「だって!魔人ですよ!あの!

 魔人はですね…」


「あ、あの…その話の前に俺は人間です!…よ…ね?」


「いいえ。違いますよ」


 即拒否かよ!!


「な、何かの間違いじゃ…」


「間違い無いです。」


 キッパリ!生まれてずっと自分のこと人間だと思っていたんだが違うのか!?


「どうしてそんなことがわかるんですか!!」


「だってミレルヴァの目は絶対ですから!」


「?」


 ミレルヴァの目?


「あ!これ言っちゃダメってミレルヴァに言われてたの忘れてた!

 ということで、私はなにも話していない。だから、ススムもなにも聞いていない!

 だよね!ス・ス・ム?」


 ガンマはニコッとなりそうな笑顔でそう言った。


(目は笑っていなかった…。)


「は、はい…俺はなにも、き、聞いてません…。」


 知ってたらどうなるの!?ミレルヴァさんにコロされちゃうの!?


「それじゃあ、改めて、

 これからよろしく!ススム君!」


「へ?本当なんですか!?弟子になるとかならないとか!」


「え?なに言ってるの?

 私が嘘なんてつくわけないでしょう?」


「え!?

 てっきり俺は冗談かと…」


「そんなわけないじゃない!

 貴方は私が今まで出会った中で一番の逸材なのよ!」


 ていうことは俺、もしかして魔法使えるようになるのか!?


「ところで貴方、どこから来たの?」


 あ、そういえば俺は聞きたいことがあったんだった!


「じ、実は俺……」


 そう言いかけた途端、頭にぽわぁとした感覚が襲った。


「…どこから来たんでしたっけ?」


「え?」


 あれ?俺はどこから来たんだっけ?何か聞こうとしてた気がしたんだが……。


「お、覚えてないの?」


「い、いえ…覚えていないというより…今忘れたというか…」


「ん?」


「…もしかして『忘却の呪い』がかかっているのかしら……?」


「でもその呪いは噂でしかないものだし…」


「わかりました。やっぱり言わなくてもいいです。」


「い、いえ…忘れてしまったんです!」


「わかっています。それは恐らく、『忘却の呪い』のせいでしょう。」


「『忘却の呪い』?」


「はい。私も噂でしか聞いたことありませんが…」


「今から話すのはおとぎ話です。本当か嘘かわかりません。

 昔、大天使ラファエルが悪魔たちを退治しようと、

 過去最大規模の戦争になったのですが、結果は大天使ラファエルの惨敗でした。

 それに怒ったのが神様でして、この戦いで神の権力が揺らぐのを恐れ、

 当時の地球上全ての生き物に『忘却の呪い』をかけ、その戦争のことを忘れさせ、

 神の権力を守ったという話です。」


 おぉ、臆病な神様だな…


 ていうかその話からすると、


「神様が俺に呪いをかけたっていうことですか?」


「わかりませんが、『忘却の呪い』にかけられると何かのタイミングで

 急に一瞬で忘れてしまい、もう一生そのことを思い出すことはできないらしいです。」


「ということは燈にもその呪いがかかっている可能性も…」


「一緒にいた女の人ですか?もの人と同じ所から来たのであればその可能性も大いにあり得ます。

 というより、ススムと一緒のタイミングで忘れてしまった可能性も高いでしょう。」


 マジか…燈も忘れて……ん?燈と俺はどういう関係なんだ?全然思い出せない…

 燈は一体何者なんだ?俺とここに来る前に何があったんだ?

 というより俺は…何者なんだ?


 俺は頭がごちゃごちゃになってしまい、頭を抱えしゃがみこんでしまった。


「……どうやらここに来る前のこと全て忘れてしまったようね…」


 なんと、ススムは地球にいた時のことを全て忘れてしまっていた…。


 燈の方を見ると、進むと同じくかがみこみ頭を抱えていた。


 そう、燈も地球でのことを全て忘れてしまっていたのだ。


「ススム、大丈夫ですか?」


『大丈夫?お兄ちゃん?』その時、

 何か懐かしい声が俺にそう問いかけてきた。


 そうだ、決めたんだ。俺は。


 呪いとやらのせいで顔も印象も覚えていないが決めたんだ!


「燈!」


 進が力一杯そう叫んだ瞬間、空間が破れた。


「す、進!」


「う、嘘…この空間を叫んだだけで破くなんて…」


「燈!大丈夫だ!お前はこの世界で一番の親友だ!

 お前との思い出を忘れてしまったって!

 そのことに変わりはない!!」


「す、進!……うん。

 私もだよ!」


 とびっきりの笑顔で燈はそういった。


 俺は一瞬その笑顔に見とれてしまった…


「あ、ああ。

 それより俺は妹を探す!

 そのために俺は強くならなくてはならない!

 この世界には悪魔や天使や神様もいるらしいからな」


「付き合ってくれるか?…

 ……燈?」


「もちろんだよ。進!」


「あぁ、ありがとう!」


「うん!」


「ありがとう………だよ……ススム……」


「ん?何か言った?」


「あ、ありがとうって!

 これからもずっと仲良くいてね!」


「もちろんだよ!燈!」


「ということで頼む!ガンマ師匠!」


「………あ、ああ!も、もちろんです!ススムさん!」


「進さん?」


「あ、えと…もちろんだよ!ススム!」


 ガンマはおどおどしながらそう言った。


「じゃ、頑張らなくちゃな!燈!」


「うん!頑張ろう!進!」


 こうして俺と燈の修行が始まった。

次回はついに修行パート!かもしれません。

次回も楽しみに待っていてくれると嬉しいです。

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