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夢魔

走っていた


後ろも見ずに。



泣いていた


声も出せずに。



振り返れない。

  


あれが すぐ後ろにいる。


きっと 追ってきている。



振り返って

確かめる勇気などない。



千春は走り続けた。




力尽きればあれに捕まる。




夢魔に飲まれる。



その思いだけで走り続ける。



だが、幼い足には力がない。




サンダルなど、とうの昔に脱げてしまった。


裸足の足には感覚が無くなっている。




悪夢が千春を包んでいた。



・・・・闇が匂う。



音が追ってくる。




獣の息づかいがうなじをさわがす。



このままでは悪夢に飲まれる・・・・・



千春は泣きたかった。



おかあさん・・・



泣いて呼びたかった。




声を出せば聞かれる。



絶対近くにいる。



あれを呼びたくはなかった。



走り続けるしかない。



走る


走る


走る


・・・・と。


森が切れた



家が近い。



千春の目に涙が光る。



おかあさん!


もうすぐ

もうすぐだ。



家に帰れば目が覚める。



いつもの夢だ。



ほら、もう家が・・



千春はつまずいた。


・・・転んでしまった・・



可笑しくなった。


うれしさのあまり、下も見てなかった。



笑った。



何につまずいたのだろう。



痛くはなかった。




足元を見る。



??!!!





おかあさん?




おかあさんの顔が

地面にころがっていた・・




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