失望した
「久々のお客人だからと加減を間違えてしまったようだ。力を使い果たしてしまった。」
「力?」
「小指を見てみろ。今のお前なら見えるはずだ。」
言われた通りにしてみれば、たしかに小指に赤い糸が結ばれているのが見えた。
しかも神様とやらに繋がっている。
もはや冗談やマジックですむ問題ではなくなっているようだ。
「これって、運命の赤い糸ってやつ?」
「私とお前との縁が結ばれているのだ。私は縁結びの神。ゆえに基本は縁を結ぶ力しかない。」
それも願い事をキャンセルできない理由の1つと言われてガックリする。
他の神様も得意不得意があるようで、縁結びの神様が気合い入れすぎちゃった力をとくのは困難だという。
「じゃ、じゃあ効果が切れるのを待つしかない?」
「あぁ。たぶん、50年はかかるが。」
「待ってられるかぁ!」
「それだけ役目がなかったのだよぉ!」
つまりだ。願いをキャンセルできないだけではなく、新しく願い事を叶えてもらえないということだ。
積んだ。
「一生に一度のチャンスだったのに~!」
私のバカ!バカバカバカ!
でも神様ももうちょっと融通きいてくれればいいのに!
「役立たず!」
「ひどい言われようだな!」
絶望で礼儀もなにもなくなった私は、思いっきりの不満を無礼にも、彼にぶつけまくったのだった。
失望した!失望したよ神様ぁ!