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―LONELY―
「はよー」
僕の背中を誰かが叩く。
「はよー。 今日も相変わらず眠そうだね」
僕は小さく笑った。
それが癪に障ったのか、その声の主は怒り口調になった。
「笑うんじゃねぇよ! ……まぁ、いつものことだけどな」
これが僕達のいつものやりとり。
僕にとってはそれが、安心できた。
ただのやりとりでも、今は安心できる瞬間でもあった。
「笑いすぎだよ」
頭に考えを巡らせながら、笑っていたらしい。
「ごめん…でもさ、いい加減ちゃんと起きないと!」
すると、訂正を入れた返事が返ってきた。
「起きてはいる。 ちゃんと寝てないだけだ」
そして、僕もその返事に訂正を入れた。
「じゃあ、ちゃんと寝ないとね?」
そうだな、っと返事が返ってきた後は学校まで、
沈黙が続いた。