表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海底都市〜深海のアーメイド〜  作者: 紗希
不思議な導き
21/30

20.老獪の奴ら



二人の光景を背後から見守っている二人は、こっそりと会話していた。


「……良い雰囲気じゃない」

「聖藍様も打ち解けたようですね…」

「朔羅はまだ厳しそうだけど…」

「あやつは頑固ですから」

「……これから、神流ちゃんも大変になるから今はゆっくりしてほしいんだけど」

「…いつまでも、このままという訳には…」

「……そうなのよね…」


歴史上の“神託の娘”がどうなってきたのかを、彼女達は記録だけでなく伝承にて知っている。戦争に巻き込まれた事も一部伝えられてはいるが…。


「……あたし、神流ちゃんには幸せになってほしいのよ」

「……自分もです。神流様は、誰よりも幸せになるべきです」


静かな決意。他の誰かに言われたとかではなく、心からそう願って。













「老獪の奴らには気を付けろ」


官邸内の花園から出る間際、聖藍はそんな事を言った。


「ろうかい…。朔羅さん達も何か言ってた」

「少し厄介な連中だ」

「…そんなに」


その言い方から、心底神流と関わらせたくないのがはっきりと伝わってくる。


「紫穂がついていれば近付く者もいないだろうが、それでも図々しく接触してくる奴はいる。“神託の娘”に対して、差別的な思考を持つ集まりなんだ」

「七大守護者のみんなが言っても、駄目なの?」

「無駄に権力を保持してる。どうにかしようとしているが、中々ボロを出さなくてな」


相当困っているようだ。


「あっ聖藍様!」

「聖藍様だ!」


別宅までの道のりで、すれ違う子供が聖藍に挨拶する。

それに笑顔で応え、慕われているのがよく分かる。


「聖藍様ー。この人はー?」

「“神託の娘”の神流様だ。ほら、ご挨拶しなさい」

「カンナ様ー!」

「カンナ様こんにちわー!」

「こんにちわ」


腰を折って挨拶すれば子供達もそれに応えてくれる。可愛い子供達だ。


「おや聖藍様。そちらのお嬢さんは?」


そこへ、老人が子供達に混ざって乱入してきた。その視線に直感的に神流は嫌な予感がして咄嗟に聖藍の後ろへ。


「…“神託の娘”、神流様という」

「……ほう。“神託の娘”」


小声で聖藍が「老獪の者だ」と言った。案の定である。神流のすぐ後ろに紫穂と蒼緋も待機しており、いつでも出れる姿勢を取った。


「“神託の娘”が来られたと、我らは知らされておりませんが?」

「先日来たばかりだ。まずはここの環境に慣れる事を優先させている。突然見知らぬ世界に来て、体調を崩されては敵わない」


聖藍の説明に、老獪は納得していないようだ。


「しかるべき時に集会を開く。それまで待つように」

「…承知いたしました」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ