表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/56

第32話、神種撃破Ⅱ

 ―――頬白視点―――



「ははは……ッ!

 やべえやべえ!!

 咄嗟に仮眠スキル使わなかったら死んでた!!」


 やがて、嬉しそうな少年の声が聞こえてきた。


 どこだ?


 見れば、僕の左方10メートルぐらいの所に少年が座り込んでいる。

 全身黒焦げで、とりわけ黒ジャージの上衣が完全に溶けていた。

 だが、生きていた。

 生きていたのだ。


(バカな……!?

 あれを直撃して生き残ったのか!?

 魔鉱石でできた地面が溶けるような一撃なんだぞ!?

 なんという耐久性。

 いや、躱しもしたのか?

 どちらにせよ見えなかった……!)


 そこまで考えた時、


『ちなみに頬白。

 スケイルレギオンを倒した青年のランクだが、恐らくBの中から上位。

 キミの少し下だ』


 不意に僕の脳裏に先日夏目が語った言葉が過ぎった。


(そうか……!

 こいつが市ヶ谷でスケイルレギオンを倒した『黒ジャージの少年』。

 それなら辻褄が合う……!)


 僕がそう思っていると、神種を倒した事で発生した大量の積乱雲が、まるで掃除機にでも吸い込まれるかのように、少年目がけて落ちてきた。

 とてつもない魔素の量だった。

 余波で僕の髪が逆立つぐらい。

 全体の10分の1にも満たない量の魔素がお零れとして、僕の体にもまとわりついてくる。


「レベルが上がりました」


 ポケットに仕舞っていたスマホから、ステータスアプリの声が聞こえた。

 お零れだけでレベルが上がってしまったようだ。


 一方少年は、スマホを掴んだまま、両手を上げて喜んでいる。


「は!?

 レベルアップやば!?

 10も上がってるし!!

 っつか、こんな奴が通常モンスターとかBランクダンジョンやばすぎだろ!

 めちゃめちゃテンション上がるんだけど!!」


「……」


 嬉しそうにしている彼の姿を見て、僕は率直に驚いてしまっていた。


(死にかけたんだぞ……!

 一歩間違えれば、いや10回やって9回以上は死んでいた……!

 なぜなら、あの敵は間違いなく格上だったから。

 今生きてるのは偶然の産物。

 それなのに奴は戦闘を楽しんでいた。

 格上と戦う事に喜びを見出しているんだ。

 そして生き残れた自分を心から賛美している)


「……」


(間違いない。

 こいつは恐らく天才。

 それも僕が一番苦手なタイプ。

 恐怖心が抜けているんだ。

 だから格上ともガンガン戦える。

 それでどんどんレベルアップしていく。


 許せない……!

 僕を超えていいのは、今僕を超えている者たちだけだ。

 そいつらだっていずれ僕が超える。

 なぜならこの頬白聖こそが世界一の探索者であるべきだから。

 僕以上に優秀な人間は存在してはならない……!)


 僕は黒ジャージの少年に、《《奥の手》》を使う事に決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 天才(仮眠スキル)で恐怖心が抜けてる(ドーパミンとかのせい)…… まあまあ正しい分析ですかね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ