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男子中学生×男子中学生

「もしかしてお前さぁ……人外モノが好きなのか?」

俺は西園寺に尋ねる。


「お前が俺に見せつけてくるエロ本やらBL本やらって、なんか人外率高い気がするんだが?」

「どっちもイけます!」

キメ顔で言うな!


「あぁ、やっぱ人間同士のBLの方が見たかったか?」

「いや、まずBL見たくねぇよ。」

「まぁそう固いこと言うなよ〜。 硬くするのはアソコだけに し・と・け❤︎‬」

やかましいわ!


帰宅中の電車のバスの中でこんなクソみたいな会話を繰り広げるのは俺たちくらいのもんだろう。



「あ!ちょっと見てみろよあそこの2人!」


西園寺が指さす方向を見ると、中学生くらいの男子2人組が座っていて右に座っている茶髪の方は居眠りをしていて、左に座っている地味めな長髪の方はスマホをいじっている。


「あれがどうした?」

「まったく……これだから素人は…… いいか!あそこの光景は超BL的展開の未来の可能性を多く秘めた、まさにBLの宝庫なんだよ!」

「は?」

俺がいつもの死んだ目をしていると西園寺は生き生きと語りだした。


「例えばそうだな……このバスが急ブレーキをかけて寝ている右の方の男子が左の男子に倒れかかったとすると……」








ドサッ

「うわっと…… わりぃ」

「あ……いや、大丈夫だよ」

「……」

「な、何かな?」

「いや、近くで見るとお前スゲー可愛い顔してんのな。」

「えっ!?」

「あ〜……我慢出来ねぇ。」


『キスしてもいい?』


「えっ……でも僕男だし……」

「関係ねぇよ。俺がお前を好きになっちまったんだから仕方ねぇだろ?」

「……っ///」

「だから……な?」

「や……優しくして……ね?」

「あぁ……分かってる。」


このあとめちゃくちゃセッ――






「みたいな展開を想像出来るだろうが!」

「出来ねぇよ! したくもねぇよ!!」

「他にもあるぞ?」

「まだあんのかよ!」

「例えば左の男子がスマホでBL本を読んでいるとすると……」

「それはねぇだろ……」





「おいお前、さっきから何読んでんだ?」

「あ、いや……えっと……」

「ちょっと貸せ。」

「あっ、ちょっ……」

「へぇ……お前こういうのが趣味なのか。」

「いや……その……」

「もしかして……」


『俺ともこういう事、したいのか?』


「えっ……そ、そんな……!」

「違うのか?」

「し……したい……です///」

「まったく……可愛いやつだな。」


このあとめちゃくちゃセッ――







「結局どう転んでもこのあとめちゃくちゃセッ―― の流れは変わんねぇのかよ。」

「当たり前だろ!? それがBLの醍醐味だ!クライマックスだ!」

「分かった分かった。」

俺が適当に返事をしていた時に



キキッーーー!!!



バスが急停車したのだった。


「うおぉ!キター!BLイベント発生か!?」

「騒ぐなうっとうしい!」

まさかと思ってさっきの二人を見るが、左の男子がスマホを落としただけだった。


チッ


俺は西園寺のあからさまな舌打ちを無視してそのスマホを拾ってやった。 ふとその画面に目をやると、





『ガチで抜けるホモサイト』





日本はそろそろ終わりなのかもしれない。

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