帰還
遅くなりました。三連休中にもう一本の予定です
長政は浅井の領地を少し広くして帰って来た。六角氏の「角智城」を落としたらしいが聞いたこともない……史実では絶対になかった……
また歴史のずれだ、多すぎる。
俺の歴史介入は世の中にとってプラスかマイナスなのか?だが今は側近としての役目が先だ。
「殿、お疲れ様でした!」
帰ってきた長政に挨拶をすると長政はその整った顔の口を緩ませ笑顔を作る。
「ああ、留守中何か変わったことは?」
「特にありませんでした」
長政が甲冑を脱がされている状況でどんどん報告を済ませる。
「毛利からの返答は?」
「まだですが報告された通りならば、順調のようです」
「織田は?」
「まだ京に行く予定はないでしょう、ですが朝倉との関係は悪化しているようですしこちらも特に問題ありません」
それもそのはず織田信長は尾張統一を成し遂げる頃、まだ「桶狭間の戦い」すら起こっていないのだ、浅井にはまだ興味を持たないと思う。あくまで推測だが。ただでさえ六角との戦いが一年早まったんだ……しかも戦場も違う。
警戒しなければな
「殿、お疲れでしょうから今日はお休みになってください」
「そうする、後は頼んだぞ」
「は、お休みなさいませ」
戦後処理は既に指示されているようで、俺は屋敷の警護を少しばかりかたくした。戦後はゆっくり休んでいただきたい。
「さて、今のうちに六角氏対策をしなければ」
六角の居城はそこまで多くないので最短6ヶ月で落ちるかもしれない。兵を集める時間を省けばだが。
まぁ捕らぬ狸の皮算用とはよく言ったものだななんて考えて俺は久政さんに会いに行った。様子見と、ここらで一つ手を打っておきたい。
「失礼します、浅間新十郎です」
もう既に話は通してある。というか側近の俺が頼めば長政は基本何でも手配してくれる。まぁ調子に乗って乱用はしてないけどさ。
「おお、新十郎か!入れ!」
俺は部屋へと踏み入れ、頭を下げる。
「堅苦しいことは無しだ。もうワシは隠居した身だ」
「いえ、主人の父上となれば話は別でございます」
「まぁ良い、何用だ?」
俺は頭を開けて、目に力を入れる。
「この度の戦、勝利しました」
「そうか、して大将は誰だったのだ?遠藤あたりか?」
「新九郎様でございます」
「なに!?」
確かにそうなるだろうな、なんてたって15歳の青年?が指揮をとって勝ったのだ。
「それだけでございます、下がらしていただきます」
「あ、ああ」
少し困惑する久政さんに背を向け歩き出す。
「……くれぐれも殿に危害を加えぬよう……わかっていますよね?」
念には念をだ……
俺は部屋からでて自室へと戻ることにした。
浅間新十郎藤原朝臣久長という名前がまた歴史の一ページに刻まれた。