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吾輩は猫である

遅くなりました……

ちなみに週末は特に忙しく時間が取れないかもです……

家臣たちの意見に押された久政さんは俺を呼び出した。もちろん1人でだ……

確かに俺を説得できれば賢政も説得できるだろう、だが側近の俺を選ぶとは久政さんらしくない。


「賢政に家督をと言うものが多くいるが、」


「存じ上げております」


俺の返事に久政さんは顔を少ししかめる。


「新十郎も同じ考えか?」


言葉に詰まった後、少し間を開ける。

正直に言えば俺もそうだ。史実通りというのもあるが、浅井家を天下に導くならまず独立が絶対条件。首跳ね覚悟で返事をするしかあるまい。


「失礼ながら答えはその通りです。気分を害されましたら切るなり切腹のなりお申し付けを。ですが殿が嫌いというわけではなく……」


「よいよい、わしの弱腰と武勇のなさが招いたことだ。仕方ないだろう??わかっておる、家督を継ぐ時も嫌という程それで反対された。父上のような虎にはなれなかった」


久政のお父さんは亮政という名前で浅井家を大きくした一任者。それを今は奪われているわけだが。


「虎が生んだのは臆病だがずる賢い猫じゃった……猫は木に登るとおりられなくなるが、鳴いて助けを求める。わしはその猫と一緒」


ここまでくると言葉に力がなくなり姿勢も小さくなった。


「お主に話して気分が良くなった……いや整理ができた。家督の件は任せておけ。お主は賢政を今まで以上に支えろ。これが儂の……お前への最後の命だ」


出て行く久政の顔は少しばかり明るい気がした。それは息子の成長を喜ぶような顔な気がした。潔いといえば清く聞こえ、逃げと言われれば情けなく聞こえる。けど彼の決断には勇気がいる。久政さんは弱腰なんかじゃない……出て行く背中が大きく見えた。


「猫どころか……虎ですよ……」


久政さんが覚悟を決めた。賢政に家督を譲る、だから今まで以上に仕事が増える。


「それも知性を持った、虎です」


「そうか……頼んだぞ」


俺は賢政の待つ部屋に向かうことにした。

ありがたいことに俺専用のいい部屋をもらっているわけだ。


「……若のことだ、また俺に相談するんだろうな」


容姿は11歳、心はその倍。世にも奇妙な転生をした俺は賢政からどう見えているんだろう?


まあいい、今は急がねば。事は早い方がいい。鉄は熱いうちに打てだ。使い方違うかな?


俺が賢政の部屋の前に立つと、賢政は神妙は顔をして俺を見つめた。


「父上は何と?」


「儂に任せろとのことです。若は策を考えましょう」


「策?六角と一戦やるのか?」


賢政は不思議そうな顔をする。普通そう思うよな。


「いえいえ」


「では何だ?」


俺は息を吸い込んでから声を張り上げる。


「天下統一のための「策」でございます」

史実とずれていますね……実際はこんな話し合いで済んだものでは無いと思います。

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