プロローグ
自分昔から歴史が好きなので書きました。
浅井長政は家臣から将来を期待されわずか15歳で家督を継いだと言われています。
15歳にして家督を継ぎ、僅か29年でその生涯を終えています。
彼の瞳には何が見えていたのでしょうか?
……赤ん坊に転生した。この事実は揺るぎない。そしてここは1549年の近江浅井領。実質六角領。
気付いたらここにいたが一番この状況にあう。おふざけではなく本当だ。もう3日も経っているのに誰も拾ってくるないとは……死ぬかもしれない。ていうか俺の前で立ち話するのやめてよ……おかげで時代と場所わかったんだけどさ……流石に、きつい
農民や町人なら良かったのにな。えた、ひにんどころか捨て子に転生するとは。えたひにんて江戸時代からだっけ?まぁいいや
前世での俺の名前は浅間駿介。歴史はそこそこ好きで大学もそっち系に進学しようと猛勉強していた矢先にここ。俺は友達は多くもなく少なくもなく、勉強もできるわけでもなく、運動ができるわけでもない。普通の人間だったが若干18歳にして俺は転生して人生を0からスタートさせている。もう瀕死状態。明日か明後日か、はたまた今か。命が尽きるのを待つばかり。もうなく体力もない……
「このあかごはなんじゃ?」
シボシボしている目を無理やり開けて見上げるとそこには3,4歳くらいの美少年と少し若めの侍さんがいた。
「多分捨て子でしょう。可哀想ですが帰りますよ」
こうやって可哀想と幾度となく言われてきた。もう慣れたが少年がじっと動かないなのに気がついた。
「若様?どうなさいました?」
若様……六角氏か浅井氏の子供か。どうした?俺がそんなに哀れか?
前世で人を殺したわけでもないのにこの仕打ち。転生失敗というやつだな。いいよ、哀れでと横を向く。
「つれてかえることはできぬのか?こいつのめはいきたいといっているようにみえる。どうだろうか?しょうらいわしのかしんとしてはたらかせるというじょうけんつきで」
お侍さんは涙した後に少し考えて俺を抱え上げる。
「その心意気……お見事です。私が命に代えてもこの赤子の面倒を見れるよう説得しているます」
侍さんが走って行くと周りに護衛がたくさんいるのに気づいた。
「よかったな!きっとそちはゆうしゅうになるとおもう。とりあえずたべものじゃな、すこしばかりほそすぎるきがする」
すごいな、とても少年とは思えない。
「あーあー!」
俺がすこし声を出してみると少年は思い出したように名乗った。
「われはさるやしゃまる、あさいけじきとうしゅじゃ!おぼえておくとよいぞ」
心優しい少年に抱かれながら俺は侍さんが帰ってくるのを待つ。
「若様、殿からご返事が来まして、構わないとのことですがしっかりと面倒を見るようにとのことでございます」
俺は犬か?なんて思いながら猿夜叉丸こと「浅井家3代目当主」浅井長政を見上げる。長政に拾われるなんて幸運。死にかけていたところを……可愛いな……なのに芯がしっかりしている、普通捨て子を拾おうとは思わないだろう。にしても本当にイケメンだな……
「あーあーあっ!」
「よしよし、もうすこしじゃぞ!」
整った顔とまっすぐな瞳で俺を捉えている……
城に着くとまず服を新品のものに変えてもらい、食事の前に風呂に入りさっぱりした。食事はどこかの綺麗なお姉さんが食べさしてくれた。
「若様、なまえをつけてあげたらどうでしょうか?」
「なまえじゃと?うーんわれとおなじようみょうをつければいいのだろう?」
「はい、彼はまだ生まれて数ヶ月といったところですからね」
3日も経つと猿夜叉丸は俺をそちと呼ぶのに違和感を覚えたらしい。
「うーん……そうじゃのう……われのなまえとにているのがよいのう。猿夜叉丸……猿を取るか?夜叉丸……一夜叉丸でどうじゃ!!」
現代では笑ってしまいそうだが一夜叉丸……嫌いではない。にしてもなぜここまでしてくれるのだろうか?
「猿夜叉丸、何をしておる?」
「ちちうえ!一夜叉丸のめんどうをみておりました」
浅井久政……初めて会うがなかなか整った顔立ちだな。
「そうか、確か捨て子じゃったな……お前の家臣にするなら元服は儂が手配しよう。まだまだ先だがな!一夜叉丸、猿夜叉丸を頼んだぞ」
そういうと秀政さんは出て行く。
「一夜叉丸!われはいまからけいこにいってくるがいいこにしておるんじゃぞ!」
「あー!」
愛おしいというかなんというか。自分を守ってくれた恩人だ。しかもこんなに優しい。家臣でもなんでもいいかもしれない。
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「一夜叉丸はすごいな!こんな難しい問題を解けるのか!」
今は久政さんと猿夜叉丸と稽古中だ。猿夜叉丸が既に15歳、俺が11歳だ。あれから11年も経ったわけだが猿夜叉丸は文武両道の天才だった。
剣を持てば現役武士をやり込め、筆を持てば学者を唸らせる。
だがそれを超えたのが転生者の俺。
剣を持てばチート能力発動で片手でやり込め、筆を持てば解くのは不可能とまで言われる問題をスラスラ解く。これはチートではなく現世の数式を使ったら簡単だった。
俺は浅井家に仕えることが決まっている。というか今も肩書きは浅井家嫡男猿夜叉丸様の側近。
一つ屋根の下で暮らしている。
ていうか六角家に服従していても一国の大名。浅井久政は武士としては二流だが、策士としてなら……
「元服は二人同時に執り行うことにするか?」
久政さんが猿夜叉丸に聞いている。俺は少し戸惑いながらも笑う。
「私と猿夜叉丸様は別がよいでしょう。猿夜叉丸だけで盛大に取り行った方が……」
俺がそういうと猿夜叉丸は首を横に振る。
「私は一夜叉丸と一緒がいいです。これからずっと側にいるであろうこいつを一人の武将として見たいのです」
久政は首を縦に振ると俺の方を向いてから立ち上がる。
「2月に執り行うとしよう。あと2週間じゃな」
「はい、父上」
俺は頭を下げる。正直言って礼儀作法を知らなかった俺は一から覚え直しだったがいい勉強になった。
猿夜叉丸は六角氏の人質として暮らすはずだったが……どうも史実と違う。もともとこうだったのに文献がないだけなのか?それとも俺がかえたのか?それはわからない。
けど一つ言えるのは猿夜叉丸は人質として暮らしていないというだけ。
「そういえば一夜叉丸!」
「は、なんでしょうか?」
俺が返事をすると猿夜叉丸は顔をしかめる。
「またそう堅苦しく……楽にせよ」
「わかりました……猿夜叉丸様の仰せのままに」
「それが堅苦しいて言ってるんだ!たく……それより聞いたか?」
猿夜叉丸は真剣な表情になる。きっとあのことだろう。
「何をでしょうか?」
「お前も元服するんだ、そろそろ苗字も決めたらどうだ?」
「はい、私は「浅間」と名乗るつもりだったのですが……行けませぬか?」
「いやお前のしたいようにしろ。我の名前は六角氏のなまえを入れるそうじゃ……」
久政さんは頭はいいが少し弱腰すぎる。領地も六角氏に奪われ、息子も六角氏。
「少しの辛抱ですよ。きっとなんとかなります」
そうこの先元服後に浅井家の立場をひっくり返す出来事が起きるからな。
まぁ俺も元服するんだ……名前はどうなるんだろう……浅間駿介からどうなるのか?
猿夜叉丸が賢政だし「賢久」とか?俺は別に嫡流どころか子供でもないからそんなことはないかな。俺の真の正体は誰も知らない。けど誰も知らないからミステリアスで
「強くなれる」
「何か言ったか?一夜丸?」
「いえ、次は朝御飯ですよ、急ぎましょう」
「ああ、今日はなんだろうな!」
この人を守るために強くなる……俺はこの恩人を守り続ける。
何度も時間がジャンプしますがここまでは「プロローグ」です
次回更新は今週中に出せればいいなと思っています