いっそ転生なら魔物がよかった
鳥が鳴いている朝。太陽が照らす朝。
今からきっとJK達はねむーい目を擦り、嫌々ベッドから起きるころだろう。
私は既に起きている。そう、私は今を駆けるJK。
そんな早い時間に私はいったい何をしているのか。
A、お散歩。
うん、お散歩してる。季節は冬。風が肌を撫でて、足が凍りそうになる。
だが、私はお散歩をやめない。やめられない。
やめたら、いけない。そんな気がしてならない。
なんでかなんて知らない。ただのそんな気がする。『気がする』というだけ。
それだけで私はただでさえ寒いのに少しずつ早足になり、風が強く当たり足がさっきより冷える。
普通、たくさん動けば暖かくなるとか、知らない。とにかく寒い。
後ろから近づく、黒いモノ。気配で分かる。
アカン。こいつァアカンぞ、と私の勘が言っている。
しかし、残念ながら私に早足を持続する体力はない。ないったらない。
仕方ないだろ!?運動できないんだから!
いや、今そんなこと言ってる場合じゃなかった。
ヤバい。これは本当にヤバいわ。気配が強くなってすぐそこに迫ってる。
これはもう足をはたいて走るしかねぇ!!
し か し
どうやらこれは決められたことらしい。
私の努力を無駄にするかのように石ころが…いつも仕事のしない石っころさんがこんな時だけ仕事する。
悪い意味で。
どういうことかというと、走る、石、イコール、転ぶ。
もう分かるね。
私は、捕まってしまった。得体のしれない、黒いモノに。
そして、私の意識が飛んだ。
・・・・?え?あれなにしてたっけ私。あれ?あれ?
OKとりあえず落ち着けペッタン餅をつくな。
私はさっきまで黒いモノ・・・ストーカーと仮定しよう。ストーカーに追いかけられていた。
しかも、ずっと。家を出てから。いや家を出てからずっとだとストーカーは私の家にいたのか?ん?家を出てからってことはそういうことだよな?
よし保留。
とりあえずここはどこだ?それが第一問題。えっと今、視界が黒で塗りつぶされてるよね。真っ黒だよ。
Oh・・・・?だめだわかることが少なすぎる。五感を研ぎ澄ませ。ムムム・・・・。
あっ音が聞こえる。なんだこの・・・・いや音というより声?
宗教でもあるのか?近いなこの声。なんか叫んでる。でも聞き取れん。
「・・・・ス・・・・バ・・・・・」
スバ・・・・?素晴らしい私を崇め讃えよ?いやぁいくら私が天才だからってぇ。ん?誰も言ってないって?またまたぁ、冗談がお上手ですね。
「スバ・・・・バ・・・・」
素晴らしいババア!?んだと、これでもピッチピチJKなんですけどォォォ。
「素早く起きろっつってんだよ!バリシア!」
ば・・・・ばりしあ?
「ばりしあ?」
あっ声に出た。
「目が覚めたぞアルス。こいつを運んでやってくれ」
目の前にいたのは、強面でありながらも優しさチラリズムをしてきそうなおっさん。
もしやこいつがストーカーか・・・いい年して・・・
「・・・・・バリシアどうした?早く起きろアルスが待ってるぞっ!」
痛ッ!?こやつ女子になんてことを!訴えてやる!
どうやら私は妙にふっかふかしていて、お姫様が寝そうなキラキラしたベッドに寝ていたらしい。あぁ…ベッドの魔力が…。
ん?あれ?眠気がない。いつもならこんなベッド見た時点でお眠りコース直球ストレートなんだけど。
なにかおかしい。そう思えたのがまだいい方だった。




