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転生寸前まで逝ったボクたち  作者: 古川モトイ
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法律の素

「3年1組ニノミヤです。」

「イミスタン国王のヒロポン3世だ。」

「ヒロポンは私たちの世界では、ずっと昔にあった薬の名前ですね。」

「ニノミヤはイミスタンでは魚の名前だな。」


ニノミヤと王様は少し笑った。


「シマダくんは何の話をしていったんですか?」


王様は書記の助けを借りながら、ここまでの話を説明した。


「ケイブンくんもシマダくんも何でそこから話すかな?まず、この国に必要なのはケンポウです。」

「ケンポウ?どんな役職かな?」


ニノミヤは首を振る。


「違います、ケンポウは国の法律を作るためのルールです。ちょっとこの国の法律を教えてもらえますか?」


王様は書記に命ずる。


「幾つか法を聞かせてやってくれ。」


書記は、大慌てで書物を開く。


「きちんと文章になっているのは『ビールは次の方法で選ばれたモノのみをビールと呼ぶ。すなわち、長イスにビールを撒き、その上に皮のズボンをはいて座る。2時間の後、立ち上がったときにベンチが持ち上がらなければ、そのビールは国内ではビールと呼んではならない。』ぱっと文章になっているのはこんなもんですね。」

「他にも何かあるだろう?」


書記は無言で首を振る。


「その法律はどうして作ったのですか?」


ニノミヤの質問に王様が答えた。


「余が作ったわけではないのだが……国民に美味しいビールを飲んでほしかったんだろうな。ビールが薄ければ、長いすは持ち上がらない。」


ニノミヤは少し考えた。


「と言うことは『国民に幸せになってもらいたい』ってことですか?」

「当たり前だ。『幸福と平和』それが余の望みだ。」

「そういうのが憲法になるんです。」


ニノミヤの言葉に3人が「ほう」と同時に声を挙げた。


「もし憲法に『国に幸福と平和を』って書いてあったら、作られる法律はそれに違反してはいけないというのが憲法の役目です。他の国はその憲法を見て『あー、あの国は平和と幸福の国なんだな』と思います。これも大事です。」


王様と呪い師は非常に合点がいったようだ。


「なるほど、法律を作るときの目標がないと……確かに!ちなみにニノミヤ殿の国のケンポウは?」


ニノミヤは少しもじもじしている。


「実は覚えてないんです。『健康に生きる権利がある』とか『戦争の放棄』とかはあるのは知ってるんですが。」

「健康になる権利!?あー、確かに!!人間が健康になったらいけない理屈は無い!!凄いな!!」

「あと、今の憲法じゃないんですが『和を持って尊しとなせ』っていうのが昔ありました。」


王様は天井を見ながら頭をフル回転している。


「『和』って平和?」

「はい、単に人と人が仲良くするって意味もあるはずです。」

「なるほど、ケンカするために法律があるわけではないってことだな。ってあれ?」


ニノミヤはすでにいない。


「初めて女性だったのに。」


王様は少しニノミヤが気になっていた。

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