表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

閑山短篇作品

母乳で目を洗う話

作者: 竹井閑山

2017年4月5日、86歳で逝去された詩人、大岡信おおおかまことさんを偲んで。

1998年2月の朝日新聞紙上「折々のうた」でのエピソード。

執筆者の大岡信は「目へ乳をさす引越の中」という江戸時代の付句を、引っ越しで忙しい母親が誤って赤子の口ではなく目に母乳を注したと解釈したのに対し、読者から「目に入ったゴミを取るため」といった電話や手紙が200件以上寄せられたという。

かつて小澤征爾がカラヤン追悼コンサートでベルリン・フィルを相手に「悲愴」の壮演をくりひろげたあと、コンサートマスターと言葉を交わしながら人差し指を天に向けて立てていたのを、中継で解説していた奥田佳道が「小澤さんがあなたがたの演奏はナンバーワンだと讃えています」とコメントしていたのを思い出すが、こういった識者の堂々たる勘違いを眼前にすると、筆が滑るのを気にするあまり創作がはかどらなくなるのが馬鹿馬鹿しくなる。

加能作次郎の「乳の匂ひ」(1940年)という短編の中にも、おじの妾で子供を産んだばかりの女と一緒に歩いていた若き作次郎が、目に入ったゴミを母乳で取ってもらう場面がある。

そういえば、大岡信は自作の詩においても、艶っぽさからは縁遠かった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ