おちていく、にゃー。
ただ、ただ、ひたすらに。
おちていく。
さらりさらり、さらさらり。
細やかなその音はにゃーの耳元でずっと奏でていた。
にゃんだろう?この音。
(………む。身体の自由がきかにゃいにゃ。というか声になってすらにゃいにゃ、どういうことにゃ?)
ゆっくりと意識は覚醒して……して?
いかない。いくようなきもするけれど、にゃーの身体の認識ができにゃい。
(……にゃー……まさか、にゃーは死んでしまったとかいうのにゃろか?これ)
さらりさらり、さらさらり。ただ、ただひたすらに何かが、砂みたいな何かがおちていく、流れおちていく音が聞こえる。
(でも聞こえるということは、にゃーとしての個体が存在しているという証明ににゃるのにゃろか?)
ふと、昨夜見たとある映画のワンシーンを思い出す。流砂に飲まれて地下までおちていく少女の、シーン。
(……にゃーは、落ちている?砂……流砂に?いや、むしろこれは)
さらさら、さらさら。すさー、すさー、すさー。
にゃーは、同化している?このえたいのしれない何かに。どこまでも落ちて。いや、流れて。早くもなく、遅くもなく。乱れもなくただただひたすら、一定に。
おちていく。
ひかりもなく、かといってやみというわけでもなく。
ただ、おちていく。
きが、くるいそうに、なりそうで…………くるえない。くるったほうが、ましとすらおもえてくる。
きがつくと、にゃーはふたたびいしきをうしなっていた。




