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ゲームのイベント報酬は異世界体験  作者: 真冬梨亜
無双少女とふてくされボーイ見参?
41/45

39ゲーム目

昨日に引き続き更新させていただきます。

オニタラが昇天した後、深緑の石がその場に残っていた。アリスが拾う。

「おい、フォレストムーンあったぞ」

「ホントですか!」

ラフィネが喜ぶ。

「気を抜くなよ、ボス戦後の雑魚ほど怖いものはないからな」

王覇はタラちゃんと戦闘した部屋をくまなく見る。クノイチも同様だ。ソートがそんな2人に首をかしげながらも壁に持たれる。カチッ。何かの音がした。

「....誰か押したか?」

王覇がその音に反応するが時既に遅し。全員が青い光に包まれ、気づいた時には『守衛ディフェンスウッド』の入口に立っていた。

「やっと、終わった....」

いつの間にかいたアルネアがそう呟いた。その表情は酷く疲れていた。隣にいたフェンも同様だ。宝箱を抱え、木に持たれている。王覇は頭を掻きながら、アルネアとフェンに向かってお辞儀した。

「「キング(さん)....?」」

2人は不思議そうに口を開ける。

「その....ありがとうな。敵もいたし、警戒しながらも場を動けないなんてすごく疲れただろ?」

王覇がそう言えば、アルネアは弱々しく微笑んだ。それは守ってあげたくなるような笑みだった。

「別に。私は疲れてない」

「同じく!」

フェンも元気に立ち上がった。....少しふらついたが。クノイチがそれを見ながらも微笑む。ソートが不思議そうにその光景を眺めている。そして....空気を読めない人が2人。

「見ろよ〜、ラフィネたん!この石!ラフィネたんの瞳の色にソックリで綺麗じゃね!?ラフィネたんの瞳は宝石のようなんだね!」

「はっ!?ちょっとアリスさん!抱きつかないでください!私、苦しいですよ!」

「見て!」

「わかりませんよ!私、自分の瞳の色見えません!」

「え~、鏡でもあればなあ....」

「かがみ?なんですかそれ....」

「何かって?ラフィネたんの可愛さが丸わかりの道具さ!」

「はあ!?」

....なんか色々とぶち壊しである。



気を取り直して、来た道を引き返す王覇達。そのうちの1人は初めての景色に驚いているようだ。

「ソートさんは、『城前フロントキャッスル』に住みますか?それとも、城に住みますか?」

クノイチがソートに質問する。そう言えばとソートは考える。なんかの成り行きでこう同行したが、自分には住処もないし、あのログハウスに閉じこもるのもどうかと思える。これを機に、森の外で暮らすのもいいかもしれないというものだ。

「俺はどっちでも....」

「それでは困ります。ですが、『城前フロントキャッスル』は家をわざわざ建てなくてはならないので城に住むんでいいのでは?」

クノイチはそんなことを言う。

「俺なんかが、城に住んでいいんですか?」

「もちろんですよ」

クノイチは即答した。それがソートには嬉しかった。頬を掻きながらも照れくさそうに言った。

「....ありがとう」

「....?」

首をかしげるクノイチに目を合わせられず、ソートはまくし立てる。

「べ、別にただ、キングが言ってたから言ってみただけですから!」

「?」

クノイチはよくわからずに首をかしげただけだった。




戻って来た王覇達に村人は眉間を寄せた。まだ出て行って1日しか立ってないのだ。どうやら、王覇達は寝ずに探索をしていたらしい。と、王覇はようやく気づいた。全く眠くないのが恐ろしい。

「まさか....」

「できるわけなかったんだろ」

そんな呟きが聞こえる。初めてここへ来たソートも顔を顰めるほどの邪険な空気だった。そんな中、アルネアとフェンはこっそりと王覇達に挨拶をして別れる。村長との言いつけを破ったのがバレないためだ。王覇達は真っ先に村長の家へと向かった。


客間で村長は王覇達と対面して不思議そうな顔をした。

「なんだ?できなかったのか?」

「アリス」

「ほいよ」

王覇の声に無造作にアリスはテーブルの上に『フォレストムーン』を投げ出す。

「なっ....」

村長は驚いた顔をしてそれを眺める。

「約束通り、王家の宝は頂く。ついでに、アルネアとフェンもだ」

「確かに。宝は陛下のものですな。ですが、アルネアとフェンは本人の意思も....」

「村長。私は騎士になりたい」

「俺も」

村長の言葉を遮るようにアルネアが口を挟んだ。いつの間にか部屋に入っていたらしい。フェンもアルネアの後ろで飛び跳ねている。

「お前達....」

村長は呆れたように呟く。

「女将には許可もらった」

「女将に!?」

アルネアの言葉に村長は驚いた。女将と言えば、堅物と思い浮かぶのだから当然だ。

「お宝はこっち」

村長を無視し、アルネアは王覇達を案内し始める。

「....いいのか?」

小声で王覇が尋ねればアルネアは口角を吊り上げた。

「べつに、ここで別れなわけじゃない。そもそも、私は『最強』であるけど、一人暮らし。『最強』は変わりいくらでもいるし、私は今、騎士という仕事をしてみたい。王覇達を見て仕えたいと思った」

そう言われれば王覇は何も言えなかった。


少し歩くと、少し古めかしく、頑丈そうな扉が視界へと入ってくる。

「ここ」

アルネアがそう言って足を止める。

「おお!いかにも、宝って感じだな!」

アリスがそう言って目を輝かせた。アルネアが扉を静かに開けた。

「ほぉ....」

思わず誰かがため息を漏らした。そこには、キラキラと輝く金色のロザリオが宙に浮いていた。それは、誰もが息を呑むほどの光。その中、アルネアは淡々と言った。

「これは、王家の宝。別名、『ヘブンブレス』」

「「「『ヘブンブレス』!?」」」

王覇、アリス、クノイチがその言葉に反応する。アルネアが驚いたように言葉を発した。

「....知ってるの?」

王覇が頷く。

「ああ。『ヘブンブレス』は城の中に置くと、その国に仕える騎士全ての経験値が共有されるというものだろ?」

「あたりですな」

後ろから、村長の声がした。

「それ故に、この国は狙われたこともありました。我々はそのような戦を避けるためにこれを隠しておりました」

「....なるほど。ですが、私達は欲しいです」

クノイチが村長に言った。

「知っております。そのためにここに来たのでしょうから」

村長がそう言った。クノイチが目線を王覇へと送る。王覇は頷き、『ヘブンブレス』を手に取った。

「我が村は王を認めます。これまでの件、申し訳ございませんでした」

村長がそう言い、跪く。

「気にするな!これを守るためだろ?」

アリスがそう言い、村長を立たせようとする。

「また来た時には歓迎してくれ」

王覇もそう言う。村長はその言葉に感激したように顔を上げた。


行きとは違い、盛大な見送りの中、王覇達は城へと戻っていった。そこには、アルネアとフェン、ソートもいた。


あと、1話ぐらいで第2章の本編は終了ですかね。


その後は、閑話が続くと思います。そして、人物紹介を入れて、第3章の予定です。花華の回は日本での花華の様子と....などを予定しております。



「龍、聞いた?私達の出番だよ」

「ええ、聞いてますとも。花華さん」

「私の暴走っぷりを楽しんで欲しいな♪」

「....」

「ちょっと龍!無言はやめてよ!」

「痛い!痛いから!花華さん!」


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