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12ゲーム目

3人は『コトリ平原』でレベル上げを開始した。のんびりと歩いているマスコットちゃんに奇襲をかける3人。最初にアリスが剣を振るう。ザン!妙にすっきりするような切れるようで切れないような音が響く。どうやら、腹部に攻撃が当たったものの致命傷には至らなかったらしい。すかさず剣を戻す。マスコットちゃんが攻撃に反応してアリスへと寄ってくる。ビンタの準備と言うように両手をあげて。アリスは攻撃をできないか隙を見ながら後退していく。王覇がマスコットちゃんの背後から現れる。ザクッ!そんな音を出して剣がマスコットちゃんへと当たる。すると片方の手が落ちる。どうやら、マスコットちゃんの腕を斬りつけたらしい。まだマスコットちゃんはアリスを追う。表情が変わらないのが怖い。そして、王覇はもう一振り入れる。するともう片方の腕が落ちる。腕のなくなったマスコットちゃんが血を滴らせながら王覇の方へと向く。うまい具合に王覇に向かってくる。王覇は後退しながらもにやりと笑った。

「後は任せた。クノイチ」

するとマスコットちゃんの横から黒い影が現れる。クノイチだ。右手に小刀、左手にクナイを持ち、攻撃体勢になり、空を飛ぶ。キン!響き渡るような音を残し、クノイチが地面に着陸するとマスコットちゃんは倒れた。それは綺麗だった。見習いといえど忍びの攻撃は綺麗だとしか形容できないような美しさを見せた。王覇はそれに見とれながらもマスコットちゃんを見た。マスコットちゃんは倒れたと同時に消えた。後には、アイテムとお金だけが落ちていた。アリスが疲れたように座った。

「これは、なかなか疲れるな」

「まあ、マスコットちゃん相手に4回の攻撃ですからね」

「あ〜、あの瞬殺の頃に戻りて〜」

「アリスさん、まだ1日も経ってませんよ?」

アリスとクノイチのやりとりを見ながらも王覇はアイテムを拾った。それは薬草だった。たかが薬草といえども王覇たちにとってはありがたいものであった。王覇たちには、薬草もなく、防具もない。武器は安っぽいものばかりがある。そんな貧乏な国であった。もちろんお金もない。そして、お金も拾った。お金は3ライト。『ライトオブディレクション』でもマスコットちゃんは3ライトだったので、その通りの物価でいくと、薬草が1つ買えるくらいだった。ひと、クノイチと目が合う。クノイチの真剣な顔つきから敵がこちらに来ていると予測した。予測通り、マスコットちゃんが2匹こちらに来ていた。

「面白いじゃねえか」

そう言って不敵に笑う王覇をクノイチは呆れた顔で見ていた。戦闘狂の文字が浮かぶ。

「さっきのように行くぞ。アリスと俺が引きつけ、クノイチがトドメだ」

「「了解」」

アリスとクノイチが返事をした。


早速クノイチは発動スキルの『隠密』と『忍び足』でその場を離れる。残った王覇とアリスはマスコットちゃん相手に構えた。マスコットちゃんがどんどん近づく。

「アリス、そっちは任せた」

「了解、そっちこそ頑張れよ。聖剣士様」

アリスがおちょくるように言った。

「余裕だなっ!」

そう言って、王覇はマスコットちゃんに斬りかかる。反応の鈍いマスコットちゃんはよけられずに剣に斬られる。すぐさま、マスコットちゃんはビンタをしてきた。王覇はビンタを当たる前に剣で手を攻撃する。マスコットちゃんの手が綺麗に裂けた。同時にもう片方の手がこちらに迫る。王覇は前屈みになり、剣を横に振るう、鈍い音がしてお腹にクリンヒット。そしてそのまま、クノイチと入れ替わる。我ながらよく出来たものだと思いながらも王覇はアリスのところへ行く。クノイチはクナイをマスコットちゃんのお腹に投げ、左から一回転をして勢いでマスコットちゃんに小刀を斬り入れた。どうやら最後の一撃のようでマスコットちゃんは手を構えることなく倒れた。クノイチはアリスと王覇を見る。2人は上手に戦っていた。一方が引きつけ一方が攻撃するそれを繰り返していた。そして、マスコットちゃんはついに倒れた。それを見届けたクノイチはすぐにアイテムとお金を拾い、周囲を見渡した。そして静かにため息をついた。マスコットちゃんが更なる人数で押し寄せてくる。今のところ、3人はまだレベルが上がらない。Lv.1のままだ。まだ、誰も傷をついていないが、精神的に疲れたのは確かだ。クノイチは王覇とアリスを見た。

「おいおい、まだいるのか。この戦いをずっとしていた騎士を尊敬するぜ」

「....疲れた」

王覇とアリスのテンションにかなりの差があるものの同じ意見のようだ。精神的に疲れる。それがこの戦いからわかった。更なるマスコットちゃん軍団を見てため息しか出てこなかった。

「なあ、試しに魔法を使ってもいいか?」

サンダーですか?消費MPはあまりないと思うので、1回だけなら大丈夫です」

その答えに早速王覇は『サンダー』を使った。

「『サンダー』」

スゴーン!そんな音がして王覇が指定したマスコットちゃんに雷が落ちた。それは一撃であった。マスコットちゃんがプスプスと音をたてて倒れた。同時に3人のステータス画面がアップされた。レベルが2に上がった。

「「「....」」」

今までの苦労が、このスキルで綺麗に消えてしまった気がした。アリスとクノイチがジト目で王覇を見た。

「は?お前らがMPは温存しろって言ってきたんだろ!?」

どこかお前のせいだとでも言うような2人の視線に耐えかねて王覇は叫んだ。マスコットちゃんは『サンダー』を見たとたん歩みを止めた。雷が怖いらしい。しばらくして、薬草とお金が飛んできた。どうやら、拾わなくても自然に手元に入るらしい。それを見てまたアリスとクノイチが王覇を見る。

「キング。お前が手間暇をかけさせた」

「責任をとってください」

2人は責めるように言った。

「知らなかったんだよ!!」

そんなふうに叫んだ王覇をマスコットちゃんたちがびくりと動いて反応した。魔物と言えど多少の知能はあるらしい。そして、1度帰ろうかとなった3人を見て明らかにほっとしたような雰囲気を醸し出していた。

今回は初めて戦闘回を書かせて頂きました。楽しいです!!次も書けたらいいなと思います!まだこの章は続きます!


次回は9月3日午前0時に掲載予定です

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