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1ゲーム目

はじめまして。

投稿は不定期になってしまいますが、長くお付き合いいただければ幸いです。

 100年前にかの偉人は言った。


「この世は幸せで満ちている」



くだらない。俺にはこの世のすべてが気に入らねえ。




 どう見てもつまらない。どう見ても呆れるようなそんな世界。南城なんじょう 王覇おうはは疲れていた。彼は世間から離れた完璧な引きこもりだ。今日も目の前のキーボードを操り、彼と同じく世間から離れた人と世間とは関係ない話をしている。



『こちらはアリス!戦況は?』


「こちらはキング。落ち着け、そんな酷くないぞっと」



 王覇は口で呟きながらキーボードを打つ。



『もう5人死んだぞ!?』



ふと、キーボードから手がペットボトルへと移る。



「っ....。くそ、とうとう無くなったか」



 ペットボトルの中身が空だったのだ。王覇は嫌そうにスマホを取り出し、メールを送る。



  『花華へ。学校終わったらコーラ買っといてくれ』



 花華とは、王覇の妹、南城 花華はなかだ。メールを打ち終えスマホを机に置く。すぐ様キーボードをいじる。




『まだ行けるぞ、アリス!粘れ!俺も粘る』


『そうは言っても、相手はあのラスボスだぞ!?俺たち2隊で勝てるかよ!』


『たかがラスボスだ!勝てるさ。俺はまだ2人しか死んでねえ』


『....すげえな。もうお前についてくぜ、キング』



 スマホが鳴る。王覇はため息をつきながらスマホを見た。



「....あいつ、授業中じゃねえのかよ」


『お兄ちゃんへ。了解!速攻買ってくるよん』



 花華からのメールだった。今日は平日で、花華は学校のはずだ。



「....俺の二の舞か?」



 不安そうに王覇が呟いた瞬間、チャラララーンとパソコンから音が鳴り響く。王覇はそれと同時に両腕でガッツポーズをする。



「よっしゃあ!『ライトオブディレクション』のラスボスクリアだ!!」



すぐ様キーボードを手に取る。



『おい、キング!!やっぱりお前すごいな!!俺たちがラスボス初クリアだぜ!?』


『いや、アリス!お前の力もすごいぞ!勝った時は嬉しさに体が震えたぜ!』



キングこと王覇は深呼吸をした。


ライトオブディレクションはそのタイトルの通り、指示を出して敵を倒すゲームだ。ゲームプレイヤーは王という設定であり、自分の配下の騎士たちに指示を出す。騎士は王の命令に忠実に動き、魔物モンスターや悪党などを倒していく。そして、騎士たちは敵を倒すにつれ、段々と強くなっていく仕組みだ。しかし、強いといっても成長の限界はあり、課金をすることにより、強い配下が手に入る仕組みだ。さらに、このゲームはオンラインであり、自分の国では限界を感じたら、他の国の傘下に入っても良い。他の国に入ると、自分は王という設定はなくなるが、自分の強くした騎士たちはそのままで、他の国の王と一緒に戦うことが出来る。つまり、味方が増えるということだ。別に、自分が他の国に行くのではなく、来てもらうという手もある。それがキングとアリスの例だ。キングの王国にアリスが入り、一緒にクエストを行いラスボスを倒した。一人では限界だが、二人なら出来る可能性は広がる。


さらに、このライトオブディレクションは国同士の争いもある。国と国との戦いでは、キングとアリスの王国は負けたことがない。つまり、二人の国はこのゲームでは最強だ。



『とにかく、また俺らの国の評判は上がるな』


『どうする?もしまた誰か傘下募集にいたら断るか?』


『それはキングの自由でいいぜ』


『いやいや、アリスも一緒に決めようぜ』


『そもそも、今まで百人ほど断ったのに来るのか?』


『....それも最もだ』



キーボードを叩きながら王覇は思う。アリス。お前は俺の親友だ!エンディングが終わり、スタッフロールが流れる。



「このエンディングの曲、俺好きだなあ」



王覇は椅子に寄りかかって目を閉じる。




  気づいたら寝ていたらしい。目を開けるとエンディングはとっくに終わっていた。アリスからのメールが一通来ていた。



『キング、俺しばらく騎士探しやるからイベント出れん。申し訳ない』


『了解した。イベントは任せろ』



そうキーボードを打ち込み、ホーム画面を見る。



「あっれ?」



ふと、手紙が来ている。どうやら傘下募集に一人入れたらしい。



『おい、アリス。一軒傘下募集入ってるぞ。どうする?』



すぐに返答が帰ってくる。



『とりあえず強さを確認してくれ』



王覇は傘下募集に入れた一人を確認する。



『名前 クノイチ。騎士団ランクss、人数8人』


『おお、強くね?まあ、俺とキングよりは弱いけどなかなかssのやついねえからな』


『つまり、どっちだ?』


『入れてもいいぜ』


『了解した』



王覇はクノイチを承認するボタンを押した。

するとすぐにメールが来る。



『承認、ありがとうございます。クノイチです。宜しくお願いします』



王覇も素早く返す。



『こちらこそ宜しくお願いします。キングっす。1つ聞きたいんだが、あんたは何の騎士が多いんっすか?』




騎士には系統がある。一般的には下級系の盗賊上がり、農民上がり、海賊上がり、大工上がり、狩人上がりなどの別の職業から来た騎士と中級系の剣士、僧侶、魔法使い、弓使い、踊り子、武闘家などの一般的な戦闘職業、上級の大剣士、魔導師、賢者、銃手ガンナー、神官、暗殺者などの闘いのスペシャリストなどがいる。中には、上級系を超えた超上級系の聖剣士、大魔導師などのエリート中のエリートという騎士もいる。キングもアリスももちろん騎士の全員が超上級と上級でできていて、レベルもほぼMAX状態だ。その中でも、キングはバランスよく職業を揃えていて、アリスは若干聖剣士や大剣士が多い。



『主に、銃手や暗殺者で出来ている騎士団です』



そこでキングの手が止まる。



「さすが....。クノイチという名前なだけあるぜ」



銃手や暗殺者は影に潜むことが得意だ。銃手は遠距離に暗殺者は近距離で力を発揮することが出来る。



『銃手や暗殺者いいっすね。俺らの騎士団はあんまりいなかったんで、助かります』



メールを送り、しばらくするとアラームが鳴る。



「そろそろ風呂か....」



あくびをしながら王覇はパソコンを閉じ、今日初めて部屋を出る。




読んでいただきありがとうございました!

できる限り気をつけておりますが、誤字脱字、よくわからないところがありましたら指摘をお願いします。感想、コメントを貰えれば幸いです。

まだ異世界の話が出てないですが、期待している方、もう少しお待ちください。


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