表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

別視点・ある人の希望と使命

主人公とは別サイド、ちょっと短いけどやっとできた。

考えてはいたんですよ?書いてなかっただけで……

ぶっちゃけ自分で何書いてるか理解してな―――

うっすらとした光が見える。

閉じていた瞼を開け、光の元を見る。

それは太陽だった。

その光を見て、目を細める。

寝ていた身体を起こし、周囲を見渡す。

全校生徒に教職員、かなりの人数が自身と同じように寝ていた。

ボロボロの遺跡の様な場所で、この人数が居てもなお広さがある。

立ち上がってさらに周りを見渡す。

無意識だろうか、一人の男子生徒を探していた。

だけど、いない。

たった一人、こことは違う場所に行ってしまった、遠山深都。

私は、秋雨時雨は、何故彼を見捨てたのだろうか?

自分だけでも、一緒に……


「……」


太陽に手をかざし、光を見ないように空を見る。

私は今ここにいる者達に必要とされたからだ。

遠山深都には、私が必要なかったからだ。

そして、あの狂った存在が言うことが正しいのなら、ここは異世界。

私が出来ることなどたかが知れている。

だけど、この場にいる全員は、私を頼った。

だから、応えなければいけない。

でも、私は彼と最後に会った時、彼と一緒にいたいと思ってしまった。

それは不可能なことなのに……それは、許されない事なのに……

ずっと昔に差し出された手を、掴めなかったのだから……


「……」


グルグルと回る思考を一度止める。

深呼吸をして、ステータスを開く。

このステータスを上げることが、異世界で生きていくための絶対必要条件。

そして、彼と出会う為の最低ライン。



★★★



名前・秋雨時雨

職業・未定

LV・1

筋力・32

耐久・10

魔力・3000/3000

闘気・520/520

速力・80

幸運・1000


所持スキル一覧

【―――】ERROR

閲覧不可

【天輪】0/1

詳細不明

【カリスマ】MASTER

人を率いる器。

仲間と認識した者の幸運を上昇させる。

上昇値は、自身の幸運の10%


所持称号一覧

【―――】

閲覧不可

【統べる者】

絶対的な統率者。

【異世界人】

異なる世界から来た者。



★★★



ステータスを見ると、自分がわからなくなる。

このステータスが本当に自分のモノなのか。

私は、なんなんだろうか?


「遠山君……遠山深都……………『―――――』」


風が吹き、私の呟きを流していく。

君はこのステータスを見たら、どんな顔をするかな……ふふ、ニコニコしてそうだ。

今の風で寝ていた者達がチラホラと起き出す。

もう、弱い私は……いらないな。


「起きた者は起きていない者を起こしてくれないか。これからのことについて話しておきたい」

『は、はい!』


一度空を見上げ、太陽を見つめる。

生きてまた、君と会う。

それが今の私にできた、ほんの小さな希望。

絶対に、生きることを諦めない。

それが、私の決意だ。



◆◆◆



色々と話し合った結果、とりあえず自分達の力の確認をしつつ人のいるところを目指すことになった。

それと、リーダーが私になった。

私としては、大人である教師にリーダーをしてほしかったのだけど……生徒教師共に私をリーダーに推してきた。

ただの生徒会長だったのに、今では異世界人のリーダーだ。

こんなことになるとは思わなかった。

まあ、やるからには完璧にやって見せる。


「会長!でっかい城が見えます!」

「そうか……他に行く宛もないのだし、そこに行ってみよう」

『はい!』


この世界の住人が私たちに友好的か、それとも敵対的か……

とにかく行ってみるしか道はない、か。

二十分ほど歩き、王都らしき場所にたどり着いた。

流石に学校一つ分の人数がいるので、かなり目立つ。

街道に出たあたりから注目されている。

入り口の門に近づくと、数名の鎧を着た騎士様のような者達がやってきた。


「少しいいだろうか?」

「えぇ、何かご用でしょうか?」

「そんな大人数で王都コルクスに何の様だろうか?全員が見たことない格好をしているが……」


予想通りの質問だな。

異世界召喚とやらに詳しい生徒達が言っていたからわかっていた。

なので心苦しくあるが、異世界のそれらしい答えを言う。


「それでしたら、私達の国で転移魔法の実験をしていたところ、何かに失敗したらしくその場にいた者達が全員この近くの森に転移してしまったみたいで、近くにあったこの国に保護を願おうと思って来ました」

「そうなのか?それは災難だったな。ちょっと待ってろ」


一人の騎士様がそう言って門へ戻っていく。

少しすると、騎士様と一緒に階級の高そうな騎士様がこちらへ来た。


「城門の警備兵隊長をしているアリグレット・ヴァンドールという者だ。貴殿が責任者、ということでよろしいか?」

「ご丁寧にありがとうございます。私はシグレ・アキサメといいます。たしかにリーダーの様なモノはしていますが、私のような若輩者が責任者とは言い辛いですね」

「ふむ……確かにな。見たところ、13、4歳と言ったところか?」


日本人は海外では若く見られると言うが、異世界もそうなのか。

いろいろと知らないといけないことが多くなったか。


「いえ、これでも17歳ですよ」

「なんと!?随分と、若いんだな」


どう返したらいいのかわからないので、とりあえず苦笑いしておこう。


「とにかく、一旦城の方へ行こうか。不法入国だとかで牢屋に入れたりはしないから安心してくれていいが、事故とはいえ、他国の者をそのままにしておくわけにはいけないのでな」

「わかりました。流石に全員だとご迷惑をおかけすると思いますので、行く者を選んでも?」

「そうだな……君も含めて7人といったところだろうな」

「わかりました。行かない者はここで待機でしょうか?」

「あぁ、申し訳ないがそうなるな」

「了解しました。では少々話し合ってきます」


アレグレットさんが頷くのを見て、皆の方へ向かう。

先生とクラス代表を集め、今話したことを手早く伝え、城へ一緒に行く者について話し合う。

数分間の話し合いの結果、私と他六人が決まった。

保健医の志筑累(しづき かさね)先生、生徒会顧問の神宮寺帝(しんぐうじ みかど)先生、副校長の風扇夢藺(かざみ むい)先生、柔道部部長の黒巖戰璽(くろいわせんじさん、ボクシング部部長の布燕 冬籠(ふえん とうろう)さん、異世界に詳しいらしい一般生徒の田中優希(たなか ゆうき)君の六人だ。


「それじゃあ、行くからついてきてくれ」

「わかりました」


私が一番前で、部長二人が左右に陣取り、教師陣が中心で、田中君が後ろの位置で騎士様について行く。

騎士様について行っているときに一応自己紹介しあったら、驚いたことに全員が遠山君に悪感情を持っていなかった。

部長二人なんかは無理矢理だったらしいが、一緒に遊んだりしたことがあるらしい。

……別に羨ましくはないが、無理矢理はいけないと思うな。

田中君はアニメというのでよく話し合っていたらしい。

……私は全然話せないのに。


「先生方は?」

「あ~金借りた」

「生徒はみんな大事ですから!」

「色々と手伝って貰ってましたから」


上から私、志筑保健医、神宮寺先生、風扇副校長である。

全員女性だが、志筑保健医は何と言った?

聞き返そうとしたら、城に着いてしまったので睨みつけておく。

明後日の方を向いて口笛を吹いていた。

後でしっかり話し合わないといけないようだ。

さて、私に着いてきてくれている生徒達や先生方の為にも、異世界での人権を獲得しなければな。

皆が私に頼らなくても良くなったら、遠山君を捜しに行こう。

今まで何もしなかった私にできるのは、それだけだ。


この世界では、絶対に間違えない……絶対に。




TO BE CONTINUED.

全作品一ヶ月か二ヶ月更新したいな……

無理か!

出来る範囲で頑張る所存です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ