出会いから始まる第一歩
やっとできた。
今回は会話回。
最後の方、無理矢理感が強い気がする。
次回はやっと町へ。
では、本編どうぞ~
空から落ちた僕達は、湖に落下することで事なきを得た。
代わりに風邪を引きそうです。
服はビショビショ、日が落ちて夜風が寒い、今いる場所がどこかわからない。
せめてもの救いは、落ちて来た時に町の位置を見れたこと。
まあ、位置がわかっても歩いて行くとなるとかなり距離がある。
「とりあえず、服を乾かさないと」
「きゅ」
《喰らえ》
朝になるまで震えながら我慢し、日が出てきたら着ていた服を全部脱いで近くの岩に日が当たる様に置く。
なんだか、とっても開放的だね!
ふと水に映る自分を見た。
知らない人がいた。
「これ僕か!?」
今までの限界まで太った身体と顔ではなく、スッキリとした顔、細い手足、プニプニスベスベな肌。
イケメンだとか美少年になったわけじゃないけど、普通より少し良いっていう感じのショタ顔だ。
まあ、元がそんなに良くないのによくぞここまでなったっていう感じ。
でも、家族は美形しかいないのでやっぱり物足りない気がする。
髪は黒のままだが、眼の色が黒から黒っぽい金になっていた。
「……かっこいい、のかな?まあ、何でもいいや」
「きゅ?きゅい……きゅ~」
《喰らえ》
ジッと自分の顔を見続けているのも無駄なので、水浴びである。
10分ほどバシャバシャやっていたら、背後から木の枝を踏む音が聞こえた。
振り返るとハルバートを持った青髪の青年と、閉じた右目に十字傷がある剣を二本持った美人がいた。
「おいおいおい……夜に何かが降ってきてデカい水柱が立ったと思って来てみたら、全裸の少年がいるぜ」
「ふむ……とりあえず服を着たらどうだ?」
「あ、はい」
美人さんにそう言われたので、パパッと着替える。
身体も服もが濡れているけど、なんとかなるさ。
頭にグリンを乗せて、良くわからない二人組の方を向く。
とりあえず、困った時は自己紹介だね。
「僕は遠山深都っていいます」
「トーヤマ・ミト?変な名前だな」
「じゃあ、ミートって呼んでください。ミート・ソースって名乗ります」
「余計変な名前になったぞ!?」
「こっちの鳥はグリンカムピのグリンです」
「きゅきゅい!」
「鳥だったのか……ただの毛玉だと思ってたわ」
「きゅー!!」
「うぉ!?襲い掛かって来たぞ!?」
美人さんは僕のことを観察しているようで何も言わない。
グリンに襲われてる青年の方は、僕に興味を持ったのか普通に話しかけてくる。
グリン、メッ!
「まあいいや。俺の名前はレックス・エッケリアだ。レックスで良いぜ?でだ、コッチは「フェルミナーデだ」ってことだ。俺もフルネームは知らん。フェルって呼べばいいぞ」
ということらしい。
というか、なんだかフェルさんに警戒されてる?
ジッと見られ続けてるんだけど。
レックス君の方に近づいて小声で話す。
「仲悪いんですか?それとも、機嫌が悪いとか?僕嫌われてます?」
「多分そんなことないと思うぜ?いつもあんな感じだしな。むしろお前に興味津々って気がする」
「そうですか?えっと……お二人の関係って」
「あぁ、俺が師匠っつって勝手に付き纏ってる感じだな。メッチャ強いぜ?」
「ほぇ~」
なんて言うか、ファンタジーの住人感が凄いですね。
僕なんて頭に鳥乗っけてるだけですし。
ところで、お二人は何故ここに?
「そうだそうだ!ミート、お前空から降ってきたけど、神域から来たのか?」
「神域?なんですかそれ?」
疑問を口にしたら、フェルさんが淡々と教えてくれた。
「神域というのは空の果てにある神だけが存在できると言われている場所だ」
空の果て……宇宙ですか?
それは、まあ、神ぐらいじゃないと生きてませんよね。
道具があれば人でも行けますけど。
「なるほど。僕は浮かんでるお城から落ちてきただけですね」
「そっか~神域関係無しか……しっかし、浮かんでる城ねぇ」
「その城には何があった?誰か居たか?」
「誰も居ませんでしたよ?あ、でも白骨死体はありましたね」
衝動的に食べちゃいましたけど。
言わな言ほうがいいよね?
「そうか……やはり、私にもまだまだ知らない場所があるようだな。フフ、旅の楽しみが増えた」
「変な人だけど、悪い人じゃないんだよな」
「そうですね」
「きゅ」
《喰らえ》
ニヤニヤ笑うフェルさんを皆で眺めていると、そのことに気が付いたのか無表情になってレックス君を睨み付けた。
レックス君がビクッと体を震わせる。
「明日の訓練、覚悟しておけ」
「うぐっ……了解だ」
師弟関係って大変そうだね。
レックス君が落ち込んでいるので肩をポンポン叩いておく。
「ミート少年、君はこれからどうする?どこか行く当てはあるのか?」
「あ、はい。少し行ったところに町があるのでそこに行こうかと」
「なるほど。なら一緒に行くか?レックスは君が気に入ったようだし、私も興味がある」
これは、渡り船ってやつだね。
この世界のことをいろいろ教えて貰えそうだ。
二人とも良い人そうだし。
こちらのメンバーの意見も聞いてみよう。
「きゅ!」
《喰らえ》
満場一致で賛成になった。
うん、意見の一致って素晴らしい。
「じゃあ、お世話になります」
「了解だ」
「んじゃまあ、ミートの為に町に行くか?それとも俺達の目的を優先するか?」
目的?
何か探してるのかな?
ハッ!これが異世界で噂の冒険者ってやつの依頼、クエストってやつだね!
僕、ワクワクが止まらないよ!
「その目的、ご一緒してもいいですか?」
「あ~目的って言っても、噂とか伝説みたいな信憑性のない話の調査ってだけだぞ?興味あるか?ちなみに今までの調査結果は、真実1・嘘9の割合だな」
都市伝説みたいなやつかな?
頑張れば遺跡とか見つかりそうだね!
一応真実もあるみたいだし、是非とも参加したい。
「興味あります!」
「本当か!?」
フェルさんが興奮したように詰め寄ってくる。
え?なにこれ?
「え、えぇ、まあ、調査とか楽しそうですし。遺跡とかあったら入りたくなりますね」
「そうだろそうだろ!最近の奴らはそこがわかっていないんだ!遺跡の調査と聞いて墓荒らしだなんだと難癖つけてくる輩はいれど、過去の偉人達が残したであろう歴史を見たいと思う者はいない!その癖価値のあるお宝が見つかると我先にと群がっては遺跡を荒らしていく……嘆かわしい!!」
元気な人だね。
「遺跡の調査は臆病者のすることだと?ふざけるな!遺跡にだって魔物は住み着くし、極稀に守護機兵がいたり、罠だって大量にあって命がけで調査することだってあるというのに!なにが『遺跡調査するぐらいならドラゴン狩りにでも行く方が稼ぎになる』だ!ドラゴンに喰われてしまえ!!」
ドラゴンって美味しいのかな?
ドラゴンステーキ……きっと美味しいんだろうな~
おっと涎が。
「大体、あの屑共は挑戦という言葉を知らんのか!?前人未到の秘境に行ってみたい、誰も見たことのない世界を自身の目で確かめたい、そういう気概が無さ過ぎる!!一言目には稼げない、二言目には拘束時間が長そう、ふざけるな!!」
最初はグージャンケンポン、あっち向いてほい。
僕の勝ち~きゅいきゅい言っても駄目だよ~
「それに―――」
「あ~フェル?」
「……なんだ?今良い所なんだが」
「話が長過ぎる。とりあえず町に行こうぜ。調査続行するにしてもミートの準備が何もできてない」
「む……確かにな。一通り必要な道具をそろえなければいかんか。最低でもナイフ一本は持たせんとな」
「ミート、町に行くぞ」
「了解です」
「きゅい」
《喰らえ》
こうして僕は、苦労人気質の男性と強そうな変な女性の二人と共に、異世界初の町へと向かうのだった。
二人が一度でも町に行っていれば、ある事件に巻き込まれることはなかったであろう。
しかし、未来のことなど誰にもわからない。
だからこそ、僕は食事を心配する。
「美味しい物があるといいな」
「きゅい」
《喰らえ》
美味しい物は、良いものだ。
TO BE CONTINUED.
終わり方模索中。
To be continued.終わりも良いんだけど、前回とか前々回みたいに普通に終わっても良い気がする。
物語後半辺りの内容はだいたい決まってるんですけど、前半が……
とりあえず、頑張ってみようと思う。