表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

運命の歯車が揃うまで

シリアスは苦手なんだけども、ちゃんとシリアスにしてくよ!

そういう作品だもの!

後書きで現在の主人公のステータス、表示しといた方がいいかな?

今のところ、毎回ステータス本編に出てきてるから問題ないんだけどね。

それなりに頑張って更新するので、次回も見てね♪

とりあえず、どうぞ~

《喰らえ》


『声』が聴こえた。

それと同時に、生臭い臭いと体の怠さが襲いかかってくる。


「きゅ!?きゅきゅい!きゅい!」


グリンの気配を感じて目を開けると、赤いサッカーボールサイズのモコモコがあった。


「……また、大きくなったな」

「きゅ?」


重い体を何とか起こして周囲を見渡す。

砂と光降り注ぐ神殿のような場所だった。

自分の身体が生臭いのに顔を顰めつつ、何かないか探す。

そして、うっすらと幾つかの光が集まっている場所に祭壇の様なモノを見つけた。

グリンを抱っこし、祭壇の様な場所に近づいてみる。

祭壇の上には骸骨が横たわっていた。

骸骨を一瞥した後に、祭壇に刻まれている文字と絵を見る。

文字はなんて書いてるかわからないが、絵は四体の何か(・・・・・)が人であろう者を囲んでいた。


「なんだろう?」

「きゅい?」


何がなんだかさっぱりなので、骸骨をしっかり観察することにした。

骸骨は真っ白で綺麗な白骨死体だった。

虫食いや風化などもしていない。

まさに新品と呼べる感じだ。


《喰らえ》


『声』がそう言い続けている。

まあ、僕も何故かこの骨を食べたいと思っている。

何時の間にか腕骨を手に持っていた。

目の前まで持っていき、唾を飲み込む。

骨なんて食べられるはずがない……その筈なのに、とても美味しそうに見える。

可笑しい、僕はどうしてしまったんだ?

綺麗な純白、ほんの僅かに弾力があり、理想的な堅さ……もう、なんて言うか、ヤバい。

骨の手から口に含んで、噛み砕く。

ガリガリボリボリと凄まじい音が響く。

こんな風に骨なんか食べたら口の中が血塗れだと思うのだけど、不思議なことに普通に食べられている。

僕からすると骨を食べている、と言うよりせんべいを食べてる感じだ。

訳が分からないが食べ易いし、別に問題は無いかな?と思っている。

この骨の味は、クッキーのような程よい甘さを感じる。

バリバリと骨を食べていると、グリンも何か食べたそうに頭の上で跳ねる。


「きゅ!きゅ!きゅきゅ!きゅい!」

「と言われても……インベントリの中に何かないかな?」


僕はステータスを開いて、追加された項目のインベントリを開く。

宝箱の本『真理への道』が一冊、【混沌齎す誤りの影(カオスバグシャドウ)】というのの核が一つ、【暴君たる死の狂気(タイラントバーサークデスワーム)】というのの肉が大量にあり、核が一つ入っていた。

なんだかヤバい名前の物が入ってるけど、見なかったことにして肉を取り出して与えて見る。


「きゅ~きゅきゅ!きゅいきゅい!!」


取り出された肉を見て、グリンは全力の拒否を体を使って示す。

どうやら肉じゃないらしい。

それならばと血が滴る肉グチャグチャと食べながら、核とやらを二つ取り出してみる。

真っ黒と金に近い黄色の綺麗に磨かれた宝石のような何かだった。

グリンはそれを見てすぐに口に含んでいく。

ビー玉ぐらいの大きさを丸呑みした。

やっぱり、こいつは僕と『声』の仲間だな。


「きゅぷ……くきゅい♪」

《喰らえ》

「じゃあ、僕も骨を食べようかな」


グリンが満足そうに寝っ転がっているのを横目に、『声』の言う通りに目の前の骨を食べることにした。

今更だけど、なんでこんなに人骨を食べるのに抵抗が無いのかな?

というか、なんで食べられるのかな?

骨を食べること数分後。

最後頭蓋骨を食べ終え、これからどうするかをグリンを頭の上に乗せつつ考える。


「これから、どうしようか?」

「きゅ?きゅきゅ?きゅいきゅ!きゅきゅい!」

《喰らえ》


このメンバーだと会話が意味不明だね!

とりあえず探索しようと、祭壇から離れる様に一歩前に踏み出そうとしたら、踏み抜いた。

何故か、そこだけ穴が開いていたのだ。


「へ?」

「きゅ?」

《喰らえ》


僕達は実にあっさりと、空飛ぶ島から落ちて行く。


「ホワァァァァァ!?」

「きゅいぃぃぃぃぃ!?」

《喰らえ》


凄まじい風を全身で感じつつ、白い雲の中に入り雲を出た先で見た異世界。

空の上から見る世界は、とても美しかった。

海の青、自然の緑、大地の黄と茶、雪の白、異世界らしい黒い大地、色鮮やかな世界が広がっていた。

海が複数の大陸を引き離している世界。

大陸間を繋ぐ様に糸の様な輝く橋が見える。

自然の多さで大地を見ることのできない大陸。

荒れている訳ではなく、ただひたすら砂漠と土が存在する大陸。

氷と雪で全てが閉ざされた大陸。

禍々しさを感じさせない黒い大陸。

他にもいくつかの大陸が存在しているが、そんな無数の大陸に囲まれるようにして存在している、他の大陸の十倍程の大きさがある様々な色を持つ大陸が僕の真下にあった。


これが異世界……


これがファンタジー……


これが僕が生きるべき場所……


「フフ、ハハハ、アハハハハハ!!」


嬉しかった。

楽しかった。

面白かった

幸せだった。

僕は今、生きているんだ!

この世界で!生きているんだ!!


「生きて、生きて、生きて、生きて、生き抜こう!この世界を!」

「きゅい!」


『声』は何も言わない。

でも今は気にならなかった。

この美しい世界を、全力で堪能するという想いを、全身で感じさせたかった。

今までの世界では感じられなかった興奮を抑えられない。

生きる気力も無く、存在していただけだった今までの僕。

もう違う!僕は変わる!

生きるんだ、この世界を、僕は、生きるんだ!


「とりあえず、どうやって着地しよっかぁぁぁぁぁ!?」

「きゅいぃぃぃぃぃ!?」

《喰らえ》


広く美しい異世界で、僕達の旅が始まりを迎える。

進んだ先にあるのは光か闇か、希望か絶望か、始まりか終わりか、僕達にはわからない。

それでも、前に進むんだ。

だって、僕達の後ろには何もないから……前しか、ないから。

ずっと、進んで行くんだ。



★★★



名前・遠山 深都

職業・未定

LV・133

筋力・141:1410

耐久・80:800

魔力・26095/30000

闘気・42000/42000

速力・229:2290

幸運・777:7770

それなり:68/100


所持スキル一覧

【魔力操作】52/100

【闘気操作】27/100

【魔力具現化】16/1000

【闘気武器化】9/1000

【運命の種子】MASTER

【悪食】MASTER

【死食】MASTER

命無き死者を喰らう事が出来るようになる。

身体無き魂を喰らうことでステータスをランダムで一つ奪うことができる。

【暴食】MASTER

詳細不明

【■■■■】1/10

詳細不明


所持称号一覧

【???の主】

【喰らうモノ】

【異世界到達者】

異なる世界から異なる世界へとやって来た者。



★★★



「どうしよぉぉぉぉぉ!?」

「きゅきゅいきゅぅぅぅぅぅ!?」

《喰らえ》


彼等が落ちてくると同時刻、数多くの大陸で空を見上げる者達がいた。

最初の運命の歯車が、音を立てて動き出した。



◆◆◆



『フンフフンフ~ン♪』


何も無い空間。

物が無く、色も無く、壁の無く、床の無く、天井も無く、光も闇も無い、そんな場所に一人の子供が浮いていた。

何が面白いのか、ニコニコ笑いながら特に歌詞も無い鼻歌を奏でる。


『んん?あぁ、彼がやっと下りたのか。いや、この場合は落ちたと言うべきかな?フフ♪これから楽しめそうだね♪』


何も無い虚空を見て、楽しそうに笑う。

そして、謳う様に謡う。


『美しく素晴らしい世界で生きていく』


誰が聴いてるわけでもないのに、楽しそうに続ける。


『醜く歪んだ世界で何を思う』


子供はここにはいない誰かに告げるかのように話しかける。


『その世界で生きること、後悔する時は来るのかな』


子供は笑う、嗤う、哂う、わらう、ワラウ……

一回拍手をすると子供が消え、この場所は真の意味で無へと至った。

子供が如何なる存在であるのか、未だ知る者は現れず。


時は進む……


その先にあるのは……


希望か、絶望か……

スキル【暴食】の現在公開してる効果


【暴食】

ステータスに食欲ゲージ追加・現在の状態と食欲度表示。

喰らった相手の魔力と闘気を手に入れる。

飢餓時、全ステータス10倍、敵味方無差別攻撃。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ