そしてキャラバンは去って行った
本当は昨日投稿する予定だったのだけども遅れました。OTL 許してください。
本当はここまでで10話ぐらい予定していたんだけどどこで間違ったんだろう?
あと、お気に入り登録ありがとうございます。100件ぐらいから急に増えてうれしいです。
結果から書くと大地短草は飲み込んでも全く効果がなかった。
あの後、いくら待てども暮らせど魔力は回復しなかった。丸呑みはダメらしい。
大地短草の汁が魔力回復の鍵となっているのかは今後の研究課題となりそうだ。
お昼時になると、叔父さんと護衛の人たちが戻ってきて一緒に昼食となった。売り子さんたちは牛車で男性の売り子さん達と一緒な食事らしい。
私のご飯は離乳食ではないけれども食べやすい特別メニューだ。刺激の強い物やなま物、硬いものが除かれているけれどもかなりおいしい。
なんというか、料理の素材自体のレベルが高いのであろう。主食のパンひとつとっても、小麦の薫りがすごく良く、何もつけなくても十分おいしいのだ。
無論、パンに付けるものもおいしい。バターやチーズはもとよりミートソースに似たソースもおいしい。口に入れるとトマトに似た風味が広がり、次いでお肉のうまみが広がる。
パンにつけるものはしょっぱいだけではなく甘い物もある。元の世界では見たことのないフルーツのジャムばかりなのだが、市販のジャムより見た目水っぽい。しかし、味は決して不味くなく。むしろフルーツの食感と酸味のバランスが取れていてこっちのほうがおいしい。
おかずも良い。私のおかずは野菜のクリーム煮とナゾなお肉のミートボールの焼いた物。(つくねともいう)
野菜はどれもしっかりとした味がついいていてクリームであっさり煮ている為か野菜本来のおいしさが楽しめる一品になっている。
ミートボールも表面は香ばしくカリッと焼かれているが中には旨みのいっぱい詰まった肉汁でいっぱいで、これだけでもご飯何杯でも行けそうである。
そんなこんなで、おいしい昼食が終わりしばらくすると眠くなってきた。
午前中、久しぶりに外で遊んだからだろうか?
私は昼食の後片づけを終えた母さんの柔らかい膝の上で眠ってしまったのだった。
気が付いた時にはすでに日はとっぷり暮れていた。
いつの間にかに私は居間のソファーで寝かされていた。
寝ぼけた眼をこすりながら周りを見回すと叔父さんたちは帰ってきており皆で酒盛りをしている。
母さんは私が起きたの気付くと私の傍までやってきて抱きかかえられえた。
「やっと起きたわね。ユーリ。もうみんなご飯食べちゃってるわよ。
ずっと眠っていたからまだお腹すいていないかしら?」
ずっと眠っていた割には大分お腹が減ってた私はそのことを母さんに伝えると母さんは私を抱きかかえていたまま皆のとこに連れて行き、私の分のご飯を用意しに台所の行った。
皆は昨日ほどではないけれどもテーブルの上に置かれた料理をつまみにして大いに盛り上がりながらお酒を飲んでいる。
話の内容はというとどうやら仕事の話?のようだ具体的な固有名詞が分からないが何が売れるだの、街の今のトレンドはこれだ、だのと話しながら愉快そうに話し合っているようだ。
私はご飯ができるまでその話を聞こうと売り子さんの傍により聞き耳を立てる。
「しかし、やっぱり開拓村での仕入れってすごいですよね」
「そうよね。牛車一台で分とはいえ保護村の仕入れの何倍も価値があるわね」
「それより、見ました?この村の倉庫。
私、店長のお供で入ったんですけど。
倉庫の中身もし売ったら私達人生遊んで五回位軽く過ごせるありましたよ」
「うそ~!ほんと~?」
売り子さん達はそんな話をしながらお酒を飲んでいる。
(何度も遊んで暮らせるだけのものが倉庫にあるのか、これは元の世界に戻る為の軍資金の参考にしなくては)
私が盗み聞きしながらそんなことを考えていると急に後ろから抱き抱えられた。
「やっと起きてきた。眠り姫は恥ずかしがり屋なのかな?」
振り向くと叔父さんが酒臭い息をしながら私を抱き抱えている。
「ほんとナターシャの小さい時みたいで可愛いなぁ♪このまま連れて帰りたいなぁ♪
・・・・ってウソウソウソ。おい!マト!魔法を拳に込めながらこっちくんな」
叔父さんが酔っぱらって言った冗談に反応して、父さんが昨日と同じように凶戦士に成りかけたので叔父さんが慌てる。
流石に身内なのでなのか父さんは直ぐに元に戻るのだが。
「イヤダナァ。義兄サン冗談ガ過スギマスヨ」
と何故か棒読みの様な声をして父さんが叔父さんに近づいていく。
良く見ると父さんの顔はヤバい笑顔だ。
「オオオオイ。マト。止めろって。冗談だって。ユーリは取らないって。
俺はコケシみたいに頑丈じゃないから死ぬって」
そう言って叔父さんは必死になって父さんを宥めている。
そんな様子を見て売り子さん達は大爆笑しながら囃し立てていた。
そんなこんなで騒がしくも楽しく夜は更けていったのだった。
次の朝私は早くに起こされた。
起こされた私は母さんに服を着せられ、抱き抱えられて村の広場に連れて行かれた。
広場に着いた私は眠い目を擦りながら辺りを見渡すと、叔父さんや売り子さん達は忙しそうに片付けをしている。
一方、コケシさん達護衛の人達はまた鎧着てダチョウモドキに跨がっている。
「兄さん」
叔父さんを見つけた母さんは私を抱え牛車の側にいる叔父さんの所へ駆け寄った。
「ん。ナターシャとユーリじゃないか。見送りはいらないって言っただろ」
「そんなこと言わないでよ。兄さん。また、しばらく会えないだから」
「まあそうか。ところでマトはどうしたんだ?」
「マトさんは村長さんとこ。今日からの狩の予定を立てるんですって」
(そうか。もう叔父さん達行っちゃうのか。もっと色々知りたかったけどな)
そんなことを考えていると売り子さんが叔父さんの所へきた。
「てんちょーー。出発の準備できましたーー」
「そうか。ご苦労。
じゃ。俺達はもう行くぞ。ナターシャも元気でな」
「うん。兄さんも気を付けてね。ほら、ユーリも叔父さんにバイバイしましょうね♪」
母さんは私の小さな手を取って叔父さんにバイバイをする。
私は出来るだけの笑顔をしてバイバイをする。
「では行くぞ!
ナターシャもユーリもありがとうな」
叔父さんはそう言って手を振りながら牛に鞭を入れる。
鞭を入れられた牛は一鳴きするとゆっくり進みだした。
広場を離れる牛車を私達はしばらく見つめていたのたった。
ここからは余談
キャラバンが去ってからまた家は託児所に戻ったのだが、庭に大地短草を植えたので今まで室内でしか預かってなかった子供たちは大喜びしたのだが・・・
それは預けられたブルータスの一言から始まったのだった。
「わぁ。ユーリちゃんのお洋服可愛いね」
イケメンはさらりと女の子を褒めることができる。ハーレムを作るくらいならば特に・・・
私は叔父さんから木箱いっぱいの服をもらってからは、母さんに着せられる形で可愛い服を着ている。今日の服はフリフリの青のエプロンドレスという有名な古典童話に出てくるような服を着ている。
そんな服を着ていて、周りの女の子は丈の長いチュニック(よく西洋の物語の田舎の村娘が来ているようなワンピース)しか着ていないのだ。
当然目立つし、かわいく見えても当然である。
他の女の子たちチュニックの色を綺麗な色に染めたり、ワンポイントで色々着飾っているがやはり負けて当然だろう。
ここで褒めたのがニコライならば何も問題なかったのだが、褒めたのはちびっこハーレムの主ブルータスである。ハーレム員であるアンたちアイウエオーズの反応ぶりはすごかった。
子供ながらに取り囲まれ詰め寄られたときは冗談抜きに命の危機を感じた。こちらはまだ幼児なのだがマジ容赦ない。
それを見ていた母さんとブルータス君に助けられた。
ブルータス君マジイケメン。
助けられながら私はこう思った。
できる男は生まれたときからこうなのだろうか?
心の中でホロりと涙したのはまだまだ男であるためだろうか?
そんなことを一晩考えたのは秘密である。
ちなみに、2年後村の女の子たちの着飾りようはすごかったとだけ書いておこう。
はっ。まさか叔父さんこれを見越して私に・・・・・
叔父さんマジ敏腕商人。
最後にもう一つ、可愛い服を着だしてから何故かニコライに色々ちょっかい出され始めた。結構、うざったしいのでやめてほしい。最近いじめに近くなってきたぞ。
昨日も水かけられたし、まぁブルータス君とかが助けてくれるからいいけど。
ブルータス君マジイケメン。
そして、ニコライ貴様にはいつか仕返ししてやるぞー。