表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイドルグループ『事故物件』をめぐる一連の出来事について  作者: 姿有 透李


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/10

夜嵐 雪萌への聞き取り 1

 夜嵐(よあらし) 雪萌(ゆきめ)への聞き取り 1


「事故物件って名前、なんか地雷系のアイドルグループみたいじゃない?」

 2つ下の妹に言われたときね。心がすうっと冷えるのを感じたの……。

 ゆきの妹はさ、ちっちゃいときから「かわいい、かわいい」ってもてはやされてて、まるでお姫様だったの。明るくて、表情豊かで、愛想も良くって……。姉妹で一緒にいても、褒められるのはいつも妹の方だった。

 

 いつからかなぁ……。

 妹に対する嫉妬が抑えきれないくらい強くなっていったのは……。

 そんな気持ちをごまかすみたいに、ゆきは妹の面倒をよく見るようになっていったんだよね。

 「やっぱりお姉ちゃんだね」とか「偉いね」って周りに言われることで、自分のドロドロした感情に蓋をしようとしていたんだと思う。

 でもさ、本当にゆきが言われたかった言葉はさ、ただ「かわいい」の一言だったんだけどね。


 中学生になっても、高校生になっても、やっぱり妹のほうが目立っていてさ、

 周りに妹が褒められるたび「自慢の妹なんだ!」って笑顔で答えることしかできなかったのが、苦しくて苦しくて仕方がなかったよ。

 そんなときに出会ったのが、このアイドルオーディション。

 なぜだか受かって、晴れて『事故物件』の仲間入り、って感じ。


 それからは必死で活動してきたよ。

 確かに『事故物件』って名前はイロモノ扱いされそうだけど、そう思われないように歌もダンスも本気で練習した。

 いろんなインフルエンサーの美容動画を見て、メイクもたくさん勉強した。

 もっと可愛くなって、

 もっとキラキラになって、

 って……。きっと妹を見返したかったんだと思うな。

 ゆきにとっての最大のライバルは妹だったから。

 でも、妹はきっとなんにとも思ってなかっただろうけどね。

 

 メンバーとも沢山話し合ったよ!

 「自分たちに足りないものは何なのか」

 「自分たちの強みは何なのか」って、

 もっとたくさんの人にファンになってもらうために、何度も何度も4人で話してたな。

 こんなに熱いグループきっと他にはないと思う。

 

 少しずつ、常連のお客さんとか、応援してくれるファンが増えてきて、名前も覚えてもらって、客席から「ユキメルー!」って呼ばれるようになったときは本当に嬉しかったな。

 「かわいいよー」って言ってくれる人もいてさ。

 ゆき、このグループに入れて本当に良かったなって思ったよ。

 ま、人気は全然あがらなかったんだけどね。

 

 だからあの心霊騒動があって……。

 動画がバズったときは、戸惑い半分、でもやっぱり嬉しいって気持ちも半分あったかな。

 コメントは心霊関係のものばかりだったけど、時々、歌やダンスについて書いてくれる人もいて、すごい励みになったよ。ちゃんと曲を見てくれている人もいるんだって。

 こんなバズり方だったとしても、これがゆきたちの曲を聴いてもらえるチャンスだって思って、運営とも話し合って、このタイミイングで動画、たくさん出したしね。

 ……少しだけ、有名になれたかなぁ。


 んー。

 動画についてはメンバーとも話したんだけど、意見は真っ二つでしたね。

 ゆきは本物派だよ?

 あのライブハウス、もともとそういう噂もあったし、

 「本当に映っちゃったんだー」って思ったって感じかな。

 でも菊理(くくり)祝彩(いわい)は全然信じてなかったみたい……。

 祝彩って純粋で天然なところもあるから、そういうの真っ先に信じそうなんだけどね。

 あの子、恋人とかいたことないんじゃないかなー。

 あ! 恋人なんて、アイドルには禁句の話だよね。

 うそうそ! 今のは聞かなかったことにして!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ