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悪女のレシピ〜略奪愛を添えて〜  作者: ましろ
第一章 

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34/89

小話その1 リボン

 

 何やら視線を感じます。


「パスカル。何を見ているの?」


 食事中に相手をジロジロ見るのはマナー違反だと思います。


「………リボン」


 ん?確かに今日はナタリーが髪に水色のリボンを結んでくれました。それが?


「欲しいの?」

「違うっ!」


 叱られた。()せぬ。


「…それ、自分で結んだのか?」

「いいえ?ナタリー……私のメイドがやってくれたわ」


 すると、あからさまにホッとした顔をしました。


「だよな!自分でなんか結べないよな!」

「? そうね。鏡を見ながら結んでも、左右同じように結ぶのは難しいわ」

「え?!」

「え?」


 わたし、何かおかしいことを言ったかしら。


「ぷはっ」


 どうしたの?突然マイルズが笑い出しました。


「なあに?」

「パスカルは靴ひもが上手く結べなかったんだ」

「マイルズ!」

「なんでか縦結びになるんだよね!」

「この裏切り者ぉぉおっ!!」


 あらあら。パスカルが真っ赤だわ。


「でも自分でやろうと努力したのでしょう?人の努力を笑うものでは無いわ」


 どうせ今まで侍従が全てやっていたのなら仕方がないじゃない。…………たぶん?


「う、うるさい!明日にはできるようになってやるっ!」

「うん、がんばって。すぐ上手になるよ」

「……純粋な応援の方がツライよな?」

「くそおっ!覚えてろよっ!」


 キッと私を睨みつけ、真っ赤な顔で席を立ってしまいました。

 …………私が悪いの?なんで?


「マイルズ?」

「え、ごめん。怒った?」

「……私は悪くなかったもん」

「ごめん、悪いのは僕だ」

「ちゃんと謝って」

「大変申し訳ありませんでした」

「ちがう。パスカルに!」

「はーい、行ってくるよ」


 パタパタと走っていったけど、パスカルの機嫌は直るかしら。


「ナタリー。なんでパスカルは私に怒ったの?」

「えぇっと、難しいですね」

「格好付けたがる年頃なんだと思いますよ」

「……マルクにもそんな年頃はあったの?」

「どうでしょう。あの年頃にはすでに剣術にハマっていましたから、女の子と関わることがあまりなく」

「いちおう私は妹なのに格好つけるの?」

「でも最近出会ったばかりの可愛い女の子ですから」


 マルクも結構サラリと褒め言葉を口にするわね。それは恥ずかしくないのかしら。


「男の子って謎ね」






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