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「あたしを世界で一番幸せな妹にしてね」って言われたんだが、幸せってなんですか?

クリスマスの奇跡から三日後、かわいい妹からの再び「セックスのお誘い」が。

「エロさでは妹には敵わない」


 ホットカーペットの上に胡坐をかき、賢者のような思案顔でつぶやくのは悠木(ユウキ)陽翔(ハルト)、19歳、ひきこもりで無職(ニート)だ。


「生涯童貞」だと諦めていたハルトはクリスマスの夜、妹・陽葵(ひまり)の手ほどきによって奇跡的に「童貞」を卒業した。


 その対価として妹に20万円支払った。それこそ血を吐く思いで。預金残高はひきこもりの生命線、けっして侵してはならない聖域とも呼べる領域。しかし妹のエロさに屈してハルトは聖域に手を付けてしまったのだ。


「エロさでは妹には敵わない。だが、スケベさでは俺の方が圧倒的に勝っている」


 クリスマスの夜から三日が過ぎた現在、ハルトは大きく成長を遂げた。


 気力や体力は無いが、性欲は無尽蔵に有る。その長所を徹底的に伸ばすことに成功したのだ。


「男子三日会わざれば刮目して見よ」


 ネットでエロ動画を見まくったおかげで、セックスの知識は驚くほど豊かになった。


 エロ動画で見た女の子とひまりを脳内で重ね合わせて、対妹戦略のイメージトレーニングに明け暮れた。


 準備は万端だ。


「さあ妹よ、いつでも来るがいい」


 ハルトは妹の陽葵(ひまり)の到来を今か今かと待ちわびていた。



 * * *



 ガチャリと部屋のドアが開いた。


「ごきげんよう! ゴミ兄!」


 来た!


 飛んで火にいる真冬の妹である。


 時は12月28日、午後9時過ぎ、エロ動画で学んだ知識を結実させる瞬間がついに訪れた。


  ハルトは逸る気持ちを抑えながら挨拶を返した。


「なんか用か、ひまり」


「かわいい妹の出張サービスでーす」


 今宵の妹の服装はセーラー服だった。


 ひまりはハルトの前でクルリと回ってポーズを取った。


「中学の制服だよ。ちょっと丈が短くなっちゃったけど。どう?」


「俺はもっと短い丈が好きだな。パンツが見えるか見えないかくらいのギリギリのラインが」


「あはははは。ゴミ兄ったら、あいかわらずスケベだよね」


「男の性からは逃れられん」


「さすがゴミ兄、ガマンは体に毒だもんね。あたしがまた気持ちよくさせてあげるね。もちろんお代はしっかりと頂くからね」


「うむ、頼む!」


「毎度ありがとうございまーす。では、これを」


 ひまりは料金表を差し出した。


「なになに? イケメン10万、フツメン15万、キモメン30万……高っ!」


「こちらが正規料金となっておりまーす。前回はクリスマス特別割引なのでした」


「じゅ……15万? でいいんだよな?」


「はーい。商談成立ですね」


 料金表をしまうと、ひまりはセーラー服を脱ぎ始めた。


「ちょっと待ったぁーーっ!」


「どうしたのゴミ兄?」


「セーラー服は俺が脱がす!」


「あー、はいはい」


 セーラー服を脱ぐのをやめてひまりは両手を脇に降ろした。


 舌なめずりをしながらハルトは妹のセーラー服に手を伸ばした。


 スカーフをはずしセーラー服のファスナーを下ろすと、フリルの付いたブラジャーが現れた。


「このドキドキがたまんねえ……」


「好きだよね、男って、こういうの」


「当然だ」


 脱がせたセーラー服を脇に置いて、スカートに手をかけた。


 パサリ。


 足元にスカートが落ちた。目の前には白いレースのショーツが……。


「ま、まぶしい……」


 少女っぽさを残しつつ、それでいて淫靡な色っぽさに満ちたカラダ。


「大げさだよ、ゴミ兄」


 下着姿になったひまりは、ベッドにちょこんと座り、両手を広げてハルトを誘った。


「あたしを世界で一番幸せな妹にしてね」



 * * *



 妹を幸せにする? ハルトの中で疑問が生じた。


 幸せって何だ?


「いったい何をすれば妹は幸せになれるんだ?」


 セックスを求められているのだから、絶頂を迎えさせてあげることが妹の幸せにつながると考えて間違いないよね。


「よしっ!」


 気合を入れてハルトは妹の肩を抱いた。


「セックスのプレリュードといえば、まずはキスだな」


「え? キスするの?」


「ん? 嫌か?」


「まあゴミ兄なら……兄妹のキスは経験値に入らないもんね」


 そう言うと、ひまりは兄の方を向いて目をつぶった。


「こっ、これは! キス待ち顔!」


 ハルトは感動に打ち震えた。恐る恐る手を伸ばし、ひまりの唇に触れた。


「やわらけえ……夢にまで見た女の子の唇……いただきます!」


 自分の唇をそっと妹の唇に重ねた。


 ぶちゅううっ。


 ハルトは音をたててひまりの唇を味わった。


「ぷはっ! これがキスの味か!」


 妹の唇はこの上なく甘かった。


「なるほど、世の中の人々がキスをしたがる理由はこれか!」


 ハルトはひまりの唇をもう一度じっくりと味わった。


 むちゅううっ。


 舌と舌が絡まり合い、二人の唾液が混ざり合った。


 唇を離すと、糸を引いた唾液がシーツの上に零れ落ちた。


「うふっ、キラキラ銀色の橋がかかってる」


 クスクス笑うひまりを見てハルトは思った。


「妹の幸せに一歩近づいたんじゃね?」



 * * *



 ハルトはひまりの首筋に舌を這わせ、そのまま耳たぶを舐めた。


「ひゃん!」


 かわいい反応が返ってきた。


 ハルトはニヤリと笑った。


「なんだか嫌な予感がするんだけど」


「気のせいだ」


 ハルトは妹の耳を集中的に舐め回した。


「ひゃあっ……ひゃああん!」


 身をよじらせて悶える妹を見て、ぐふふふと気色の悪い笑みを零すハルトだった。



「よし、次はオッパイだ!」


 ハルトはひまりのオッパイにむしゃぶりついた。


 もみもみ、ちゅうちゅう。


 舌で乳首を転がして、片手でもう一方のオッパイを揉む。


「ゴミ兄、クリスマスの夜と全然違うんだけど、どうしたの?」


「童貞」だったクリスマスの夜と違い、手練れの様にグイグイ来る。


 ひまりの問いかけに、ハルトはサムズアップして答えた。


「あれからエロ動画をたっぷり見てねっとり研究したのだよ」


「うわぁ……キモッ」


 若干妹に引かれてしまったものの、ハルトは確かな手応えを感じていた。



 * * *



「女の子のふとももの味、たまんねぇーーっ」


 妹のふとももをでろ~んと舐めながら、ショーツの中心部を指でなぞる。


 そこはもうしっとりと濡れていた。


 ショーツの中に手を入れると、指が膣の中へと吸い込まれていった。


「ひゃうん!」


 ひまりは小さな喘ぎ声を漏らした。


 膣の中で指を動かす。手のひらにひまりの体液が零れ落ちてくる。


 ハルトはひまりのショーツを下ろした。


「あっ、ダメ!」


「何がダメなんだ?」


 顕になった女性器は既にぐっしょりと濡れていた。


 それを見てニタリと笑うハルト。


「妹の幸せにさらに一歩近づけたんじゃね?」



 * * *



 ひまりをベッドに押し倒し、両足を開かせた。


 ハルトはひまりの下の口から溢れ出る液体を掬ってペロリと舐めた。


「これが妹の味か」


「もうっ! ゴミ兄のヘンタイ!」


 妹は紺色の袋を兄に手渡した。


「これ、忘れないでよ」


「わかってるって」


 袋を開封し、丸いゴムを一気にムスコに被せた。


「しゃきーん! ドーム君装着完了」


 ハルトはムスコを膣口に待機させた。


「発進!」


 ムスコは膣の中を奥深くまで突き進んでいく。


 ズンズズ、ズン、ズズズ、ズンズズーン……。


「最深部に到着したぞっ!」


「うん」


 ハルトのムスコが稼働し始める。最初はゆっくりと、徐々に稼働速度を上げていった。


 パシンッ、パシンッ!


 ムスコが果敢に最深部を攻める。


「全砲門を開け! 攻撃の手を緩めるな!」


 結合部からは液体が滴り、シーツの上に地図を描いていた。


「あ、ゴミ兄」


 頬を赤く染めたひまりが恥ずかしそうに言った。


「なんだか、逝きそうよ 」


「よしっ、艦首巨大砲発射用意!」


 ズッ! ズンッ! ズシンッ!


「エネルギー充填完了、てぇーーっ!」


 ぴっ! どしゅうーーっ!


 ムスコの艦首巨大砲が火を噴いた。


「あっ!!」


 ひまりが一際大きな叫び声を上げた。



 * * *



 セックスの後、ひまりは潤んだ瞳で兄を見つめていた。


「ゴミ兄……」


 何か言いたそうに口を開いたが、言葉は出て来なかった。


 妹の唇を指でなぞりながらハルトは尋ねた。


「エロ動画仕込みの俺のテクはどうだ?」


「うん、キ……よかったよ」


「ヨシッ!」


 かわいい妹にそう言われて、ガッツボーズを決めるハルト、19歳、無職(ニート)


「妹を幸せにするミッションはひとまず終了だな」


 それにしても、とハルトは思う。


「ひまりの逝き顔は数多のエロ動画にも勝る色っぽさだったな」



 * * *



 自身の股間に目を移すと、ムスコはまだまだ元気いっぱいだった。


 衰え知らずの兄のソレを見てひまりは苦笑した。


「性欲の権化ね」


 19歳、無職(ニート)の性欲は底なしである。


「もう一回どうでしょうか、ひまりさん?」


 ハルトがおずおずと尋ねるとひまりは半眼になった。


「しょうがないわね、正規料金だからね」


「商談成立ですね」


 ハルトは身を乗り出しひまりの耳たぶをあまがみした。


「ひゃあん……」



 * * *



「うふふん♡うふふん」


 鼻歌まじりにセーラー服を畳むひまりの横で、ハルトはスマホを手に取り、アプリを開いてピピッと送金した。


「おーい、ひまり。送金したぞ」


「むふっ!」


 振り込まれたお金をスマホで確認したひまりは満面の笑顔をハルトに向けた。


「あたしは今間違いなく世界で一番幸せな妹だよ、ゴミ兄!」


「お、おう!」


「またのご利用をお待ちしてまーす!」


 廊下に出たひまりの喜びの声がハルトの耳まで届いてきた。


「きゃあぁーーっ! 30万円ゲットォーーッ!」



 * * *



「預金残高が……250万円になってしまった……だと?」


 こつこつ貯めたお金も無くなる時は一瞬だ。


 失われた30万円は二度と戻って来ない。


「対妹戦略がいつのまにか妹を幸せにするミッションにすり替わっていた。俺はいったい何をやっていたんだ?」


 沈痛な面持ちでつぶやくハルトの側で、スマホの陰から心配そうに見つめる少女の姿があった。


結局かわいい妹とのセックスに沼ってしまった凡庸な兄ハルトでした。


一方妹は、

(ゴミ兄、セックスの最中の言動がめっちゃキモイんですけど)

なんて思っていたかどうかは定かではない。


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