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22 アイーシャは恐怖する

 次にアイーシャが目覚めると、そこは郵便局だった。


「アイーシャちゃん、お手紙出すのでしょう?」

「あ、はい」


 浅い眠りだったアイーシャは幸い寝ぼけてふらら~となることはなく、郵便局に行くことができた。世間知らずなアイーシャのためにエカテリーナとシャロンも同伴だ。

 背の高いシャロンに教わりながら贈り物をだす手続きをする少し小柄なアイーシャは、多くの者の目に母親に必死で教えを乞いながら贈り物を贈ろうとする幼子のように映った。


「ここはこうでいいの?」

「えぇ!アイーシャちゃんは飲み込みが早いわね!!」

「ありがとう。ここからはわたし1人でやってみるわ。叔母さまはお婆さまを連れて馬車で待っていて大丈夫よ」

「………そうね、お義母様をあまり長時間連れ出すのもよろしくなさそうね」


 貴族街にある郵便局ということもあり、エカテリーナの存在に気がついている者が多く存在していることに気がついたシャロンは、アイーシャの提案を飲むことにした。世間知らずなアイーシャを置いていくのは不安だったが、ベラがついているということもあり、任せても構わないと判断したシャロンはエカテリーナを連れて外に出た。


「ベラ、間違っていたら教えてちょうだい」

「えぇ、お任せください」


 アイーシャは拙い手つきで時折ベラに指摘されながらも、無事贈り物を送る手続きを終えることに成功した。一仕事終えたアイーシャはふぅーっと大きく息を吐き出した。


「お手紙を出すのって難しいのね」

「慣れればどうってことはありませんよ」


 ベラの言葉に、アイーシャは自分は一生慣れることはできないだろうと嘆息した。

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