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遠い夢の世界で  作者: ロックベル
冒険への入り口
1/11

第一話 大穴への誘い

挿絵(By みてみん)

 記憶に残るのは明るい空と鬱蒼とした木々


 目を覚ますと、目の前には地面に大きくあいた大穴と、その周りを覆う森たちが広がる。そして自分がいる場所は石造りでできた遺跡の中…? 気温は蒸し暑く、まるでアマゾンに飛ばされたみたいだ。いやどこかで見た漫画みたいな世界だな…、そんなことを考えていたら声を掛けられた。


「おい、起きたか?遂に見つけたぜぇ、全くここらの連中の言語はわかりづらくて道には苦労したぜ、ホント」


 彼は…あれ誰だっけ?


「おいおい、大真だよ。 おめーのナ・カ・マ! 俺らはるか遠い日本地区からわざわざここまで来たんだぜぇ。全く大体オメーが研究の為とかいうから、仕方なくこんなあちーとこ来たんだぜ!」


 あぁ、そうだった。彼は俺の高校時代からの大切な仲間であり、親友だ。ロン毛に白い半そで、加えてダメージジーンズ。相変わらずセンスがわからない。


「とりあえず他の奴らも準備ができたっぽいから、さっさと会議に行くぞ」


 大真に袖をつかまれて、建物から死体のように引きずり出される。突き刺すような日差しが痛く眩しい。蒸しあつい…何なんだここは。

取り敢えず資料を…ん、資料?あれ俺なんで資料なんか…


「おい、その会議ってもしかして資料?みたいなのある?」

「はぁ?お前が用意したんだろ今回の穴潜り計画のプレゼン。まさかとは思うがプレゼン作ってないのか?」

「あー、まず資料なんて今初耳なんだが…」

「え、ヤバくねそれ。いやシャレになってねーよ馬鹿!まーいい、オメーのコンタクト暑さでやられてんの考えて、俺が勝手にコピったやつあるからとりま行くぞ!」


 若干怒気がこもった彼の声を聴きながら彼の肩に掴まり、足を1歩、2歩、3歩と踏み出す。そうして連れてこられたのは、故郷日本によくある一軒家と同じぐらいの大きさを持つ、石造りの四角い小屋だった。入り口はどこかと探したがそんな必要はなかった。壁が1面だけ完全に崩れており、鬱蒼としたツタや草木が小屋に絡みついていて、中には30人ぐらいだろうか、沢山の人が地面に座っている。


「お、起きたか!!よっし皆今からこの穴潜り計画をアルトと大真に説明してもらうぞー」

「いやーすんません隊長、こいつ全然起きなくて。じゃとりま皆ー今から計画を話すから聞いてなー(オイ、取り敢えず俺に相槌合わせろ、後は何とかする」


 大真は小声でそう俺に耳打ちして、彼のコンタクトレンズから出力される映像を壁に映し出して説明を始めた。


「まず皆も分かってんだろうけど、この大穴について説明を始めるぜ。オイ!退屈そうにすんなよ、実際目的があやふやな奴がいるかもしれねーんだからよ」


 …彼の目線がこっちをむく、仕方ないだろ、暑さで頭がやられたのかな俺って


「この大穴は、大規模な地殻変動の際にできたとされるのは勿論知ってるよな。その地殻変動から200年経って、ESFの惑星探索隊が見つけたのがすべての始まりだ。連中は半年かけてこの大穴を探索した結果、大穴の底にある洞窟をくぐり謎の石畳の祭壇を見つけた」


「さてここからが問題だ。その祭壇の調査に向かった奴らが突然居なくなったんだよ。奴らの記録はコンタクトから通信で残っているはずなのに、ESFのデータベースには何も残っちゃいない。どうやら大穴の底にある洞窟の中では、いかなる通信機器もはじかれるらしい。恐らく地下を構成する物質が通信を拒んでいやがる。更に探索隊の連中は洞窟までの映像記録を残して、全員行方不明になった。」

 

 「今祭壇についての詳細はメモしか残っていない。そこで通信に不自由しない世の中、こんな場所があるのは不思議だってことで、アジアン連合が探索の為結成したチームが俺たちだってわけ。だからこそお」

「เฮ้! ถ้าเป็นเช่นนั้น จะดีกว่าไหมถ้าเราไม่ออกมาเจาะพื้นหรือพาคนไปด้วย?」

「あぁ、そうだな。だけど訳が分からない場所だからこそ俺らみたいな旧アナログ機器に精通した、一筋縄じゃ行かない研究者や冒険者がチームを組まされたんだろ?所謂いわゆる精鋭部隊だ!あと翻訳機能ちょっと調子わりーみたいだから少し待ってくれ」


 大真はポーチの中に並ぶ新しいコンタクトレンズを、二つ取り出して付け替えた。そういえば彼はアジアン連合の地区をしょっちゅう回ってるから、多言語が話せるんだったな。まぁ今の時代なかなか使うことはないだろうが…あれこの記憶は


「とにかく目的は洞窟内の撮影と祭壇の調査だ。あと通信が効かなくなるから、コンタクトの遠隔通信機能は、洞窟の手前でさよならだぜ。探検に必要な食糧、水、その他荷物はすでに洞窟前まで運んでるからな。質問あったら今言っときな」


「翻訳機能使えなくなるのだいぶきついんだがどうするんだ?」

「安心しな、既に洞窟内で半径20m以内ならローカル通信が可能なことは確認済みだ。」


「穴の底の大きさは?」

「バカか?事前に情報インプットしただろ、最大半径5kmに及ぶ楕円型だ。全くこれだから試料弄るしか能のない連中は」

「バカとはなんだ!お前こそ最近彼女と…」

「言ったなぁ!この野郎!!」


 あー喧嘩が始まってしまった。そういえばあいつはキレやすいんだよなぁ


「はい!そこまで!全くあなた達ときたら仕方ないわね。次やったら故郷の地区に帰ってもらいます。」

「すみませんでした

 サーせんでした姉御」

「はいはい、アルトを見習ってほしいものね。とにかくあなた達には、1つしかない貴重なブースターヘリで穴に降りてもらいます。地上にある巨大な石造りの遺跡は全て調べたので安心して頂戴。さてこの新大陸まだまだ未知な部分が多いから気をつけて、場合によっては即撤退しなさい。特に祭壇はね」


 彼女の名前は蘭雪花ラン・シュファ、連合内でも大きい中華地区から来た研究者だ。元軍人だったこともあり体力は探検隊内では抜き出ていて、探検隊副隊長に任命されている。身長も190cmはあるだろうか、ものすごく大きい。前にトルメキアとのハーフと聞いたことがあるが、艶やかな長い髪をポニーテールにして中華人らしくない濃い顔つきをしている。軍人時代から着ているであろう上着とズボンはパリッとした迷彩柄の軍服で、それに加え足が長くてきれいな爪をしている。本当に


「おい、聞いているのかアルト!お前もなんかしゃべれ!」


 大真が頭をひっぱたく。全く今いいとこだったのに


「大真と一緒に日本地区から来たアルトです。今回の探検にはあまり体力は関係ありませんが、特に研究者の皆さんはあまり外に出ない人も多いでしょう。こまめな水分補給と食事を忘れずにしてください。以上です。」


 皆ぽかんとした顔をした後ドッと笑い声が飛んでくる。


「おいおい、俺らは厳しい体力審査を通ってきてるんだぜ。引きこもりの奴らと同じにしないでくれよ」

「まさか今から何があるかわからない場所に行くのに、遠足気分だよこりゃ」

「ま、期待してるぜ坊ちゃん」

「私は好きよ、その姿勢。今後も崩さないで頂戴ね」


 記憶が飛んでるんだ仕方ないだろと思いつつ大真と副隊長を見る。大真は呆れているが副隊長の目は真剣だ。


「そうね、アルトの言うことは正しいわ。あなた達も気をつけなさい」

「""はーい!""」


 全く副隊長の言うことはすぐに聞くよなぁ。俺もその一員なんですけどね


「さて各員移動するぞ!今のうちに弱音は捨てておくんだな」


 大柄な男がが叫ぶ。その言葉に従い俺もついていく



 しかし自分はなぜここにいるんだ。なぜ自分の記憶が飛んでるんだ、なぜ俺は 






読んでくれてありがとう!

AIくんに与える英文の配列を入れ替えてやると、絵の表現がだいぶ違ってくるので、一日中パソコンを動かして画像を生成しています。絵心がない自分にとって大変ありがたい機能です。

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