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20 竜と聖女のレア装備

20 竜と聖女のレア装備


「こ、こんなにすごいものを、わたしが……!?」


 モナカは自分が作ったことが信じられない様子で、目をパチクリさせている。


「すごいじゃないか、モナカ! お前も10年にひとりの天才だ!」


「いえ、これは間違いなく、レオくん先生のおかげです!

 わたしはお裁縫が趣味なのですが、こんなに上手にできたのは初めてです!」


 モナカはもじもじしながら、ワッペンを両手で持ち、あらたまった様子で俺に差し出してきた。


「ですので、こちら……もらっていただけませんか?」


「えっ、いいのか?」


「は……はい! もともと、レオくん先生……いえ、レオくんに差し上げるつもりで作りましたので!」


「そういうことなら、ありがたく貰っておくよ。

 このワッペンのデザインは、たしかモナカの一族の……」


「はい、わたしの一族のエンブレムを模したワッペンです。

 ハートは心臓を意味しておりまして、それを捧げるということは、その方に心をも捧げるという意味でして……キャッ!」


 両手でサッと顔を覆うモナカ。

 表情はわからないが、長い髪から覗く耳は真っ赤っかになっている。


 ……俺と話す女子って、なんでみんな最後は赤くなるんだろうな……。


 まあいいやと思い、俺はさっそくもらったワッペンを、『飛竜のコート』に縫い付けてみた。

 すると、さらにとんでもないことが起る。


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 竜と聖女のコート(ハイクオリティ・マジックアイテム)

  個数1

  品質レベル109(素材レベル80+器用ボーナス12+職業ボーナス7+クオリティボーナス10)


  飛竜の皮とダイジャヅルの糸から作ったコート。

  通常のコートよりも高い防御力を誇り、耐熱、耐冷効果がある。

  聖女の純粋なる愛の加護が込められている。


  特殊効果

   容量拡張

    ポケットの中身が、飛竜の魔力により10倍に拡張される


   重量無視

    ポケットの中身に入れたものは、飛竜の魔力により重量が無くなる


   自己修復

    破損しても、時間経過により修復される


   オートヒーリング

    着用者のHPを、ゆっくり回復させる


--------------------------------------------------


 モナカのワッペンを付けたコートを『鑑定』した俺は、瞬きするのを忘れてしまっていた。

 クラフトしたもの同士を組み合わせた場合、品質レベルは維持されるか、下がることがほとんどである。


 俺も最初、ワッペンを付けたらコートのレベルは下がるだろうと予想していた。

 モナカが心を込めて作ってくれたものだから、それでもいいやと思っていたのだが……。


「まさかの、レベル100越えっ……!?」


 思わず声が出てしまった。


 装備やアイテムというのはレベルが高いほど高品質ということになる。

 レベル100のアイテムというのは、もはや高校生どころかプロをも飛び越え、宮廷職人クラスだ。


 それだけレベル100越えというのは大きな関門で、これを越えるために職人たちは、血の滲むような努力をするんだ。


「しかし俺は、いとも簡単に跨ぎ越えてしまった……!」


 立ち尽くす俺。

 そのまわりを、モナカが新妻のようにいそいそと行ったり来たりして、俺にコートを着せていた。


「わぁ、レオくん、よくお似合いですよ! とってもカッコいいです!」


「あ……ああ、ありがとう。これも、モナカのおかげだ」


「うふふ、お礼を言うのはわたしのほうです! これからもいろいろ教えてくださいね、レオくん先生!」


 無邪気に微笑み返してくるモナカ。

 その隣には、フィラフィー先生がすがるような瞳で立っていた。


「あ、あの、レオピンくぅん……。

 私からレオピンくんに教えられることなんて、なにもないと思うんですけどぉ……。

 また、私の授業を選んでもらえませんかぁ……?」



 ◆  ◇  ◆  ◇  ◆



 次の授業は『全体科目』である『体育』だった。

 みんなは入学式の最後に配られた体操服に着替えているが、俺には無いのでコートのままで参加する。


 女生徒はみなブルマ姿。

 普段はローブを着ているモナカたち聖女が、珍しく軽装になっていた。


 ポニーテールにブルマ姿のモナカを眺めていると、彼女は俺に気づき、はにかみ笑顔で手を振り返してくれる。

 その瞬間、俺の身体が光りだした。


「眼福でレベルアップさせてくれるとは、さすがは未来の大聖女様だな」


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レオピン


 職業 革職人(レザークラフター)

 LV 7 ⇒ 8

 HP 2010

 MP 2010


 ステータス

  生命 201

  持久 201

  強靱 1

  精神 1

  抵抗 1

  俊敏 201

  集中 201

  筋力 201

  魔力 1

  法力 1

  知力 1

  教養 201

  五感 201

  六感 1

  魅力 1

  幸運 2

  器用 1200 ⇒ 1300


 器用貧乏

  器用な成長

  器用な肉体

  器用な転職

  NEW! ????????


 転職可能な職業

  生産系

   木こり(ウッドマン)

   鑑定士(アプレイザー)

   大工(カーペンター)

   石工師(ストーンクラフター)

   革職人(レザークラフター)


  探索系

   レンジャー

   トレジャーハンター


  戦闘系

   戦斧使い(アックスバトラー)

   ニンジャ

   NEW! 武道家(マーシャルアーツ)


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 さっそくステータスウインドウを眺めていた俺は、あるものに気付く。


「器用貧乏のスキルが増えてる……しかも、名前がわからないスキルが……」


 スキルの詳細を見てみたらなにかわかるかと思い、連なったハテナをタッチしてみると、


--------------------------------------------------


 ????????

  『器用貧乏』の秘められた能力のひとつ

  スキルの効果を複数回発動させることにより、全貌が明らかになる


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「これはもしかして、『隠しスキル』……!?」


 聞いたことがある。

 各職業のスキルは基本的に共通だが、レベルアップ時に希に効果のわからないスキルが得られることがあると。


 それはどれも強力で、操れるようになると頼もしい武器になってくれるという。


「無職の俺には、縁のないものだと思ってたのに……」


 どうやれば効果が発動できるんだろうと思ったが、こればっかりは考えてもわからなかった。

 活動しているうちにヒントが得られるだろうと思い、俺は追加された職業のほうに興味を移す。


 新しい職業は戦闘系だ。

 これから体育で身体を動かすのでちょうどいい、さっそく転職してみることにしよう。


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レオピン


 職業 革職人(レザークラフター) ⇒ 武道家(マーシャルアーツ)


 職業スキル

  カラテアーツ

   カラテの技を使うことができる


  ボクシングアーツ

   ボクシングの技を使うことができる


  ワンインチ・ボム

   2.5センチ程度の距離で、破壊力のあるパンチを放つ


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― 新着の感想 ―
[一言] 10㎝の爆弾知ってる読者が結構いて(゜Д゜)
[良い点] テンポ良く進む。 [気になる点] レベルアップや新しい職業の解放がご都合主義。 [一言] 登場人物が幼稚過ぎる。
[一言] 「ワンインチ・ボム」・・・。 石渡 治さんの「B・B」を連想した・・・。
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