アリスの秘めた力!
レオール「私と一緒に居た連れの方を、わかりますか?」
リーシャ「あ、はい。……わかります!」
レオール「あの方のお名前は、ダレン様です。私が無事だと伝えてくれませんか。」
リーシャ「かしこまりました。」
レオール「頼みましたよ。」
レオールが手を差し出したので、リーシャが丁寧に手を重ね軽く握る。
リーシャ「はい。」
―――――そう言って、リーシャは部屋を出て行った。
コンコンッ―――
美しい少女の声「こちらは、ダレン様のお部屋で間違いないですか?」
美しい男性の声「誰だ?」
警戒してる様子だったが、優しい声が返ってきた。
美しい少女の声「ここ宿屋「白ウサギ」の経営者の娘のリーシャと申します。」
リーシャ「レオール様から、言伝を預かって来ました。」
美しい男性の声「入るが、よい。」
リーシャ「失礼致します。」
リーシャ「ダレン様ですか?」
美しい男性の声の持ち主「俺が、ダレンだ。」
リーシャ「レオール様が、先ほど、全身血だらけで帰っていらしたので、介抱していたのですが、無事に帰って来たことを伝えて欲しいと…………。」
アリス「……そんな。」
ダレン「レオールが心配だ!今すぐ案内してくれ!」
ダレンとアリスは、リーシャに案内してもらい、レオールのいる部屋に来た。
ダレン「………レオール!こんなめに……!………すまない。」
アリス「……………ひどい。なんてことなの……。」
アリスの瞳から、大粒の涙が流れ落ちた。
同時に、眩く白い光が その場を優しく包み込む。
――――パァーーー
レオールの傷が、みるみると治っていく。
あんなに無惨な状態だったのが、ウソだったかのように、綺麗に治っていく。
苦しい思いをしたレオールの心の傷さえも、綺麗に救った。
レオール「何が起こったのでしょう…………?」
レオールが嬉しそうに、そして不思議がりながら言った。
ダレンの懐がまだ光を失わず、眩い白い光を放っていた。
ダレンが懐に手をやる。
ダレン「…………ルディン石だ!ルディン石が光っている!……ってことは、これが……アリスの力…………!」
アリス「……私の……力…………?」
アリスは戸惑いを見せたが、自分の力が誰かを救うことになるなら、それは、凄く嬉しいことだった。