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レオールと「白ウサギ」の美少女リーシャ

宿屋「白ウサギ」の一室でレオールのことを心配しながら、帰りを待つダレンとアリス。



ダレンは、待っている間にもろもろの事情をアリスに説明した。


ダレン「アリス……こんな事に巻き込んですまないが、力を貸してくれないか。」


アリスは戸惑いながら、答えた。

アリス「ごめんなさい…………この世界に来た途端、命を狙われ危険な目に遭って………っ、凄く怖かったです。もう二度と、あんな目には遭いたくないです……。それに、私はなんの力もない、ただの普通の女の子です。何もできません。」



その頃1階では―――

―――――カランッ♪


宿屋「白ウサギ」のエントランスのドアが開き、ベルが鳴った。


カウンターで受け付けの仕事をしていた ブルーダイヤモンドの瞳を持った金髪の美少女が入って来た男に目を向けると、悲しそうに目を丸くし、ハッ!と驚き思わず口に手をあてる。


そこには、全身血だらけになり、痛々しい姿の男が、よろめきながら やっとの思いで立って居た。


金髪の美少女が驚き悲しんだのは、ただ、無惨なあり様を目の当たりしたから……だけではない。



相手が、初恋の相手だったからだ!


それも、一目惚れだった。―――――




金髪の美少女「手当てしなくちゃ……!こちらへ!さぁ、こちらへどうぞ……!」



金髪の美少女は、全身血だらけの男の腕を自分の肩にかけ、支えながら、ゆっくり歩きながら、すぐ側にあった自分の部屋に連れ込んでベッドに寝かせ、手厚く手当てをした。


金髪の美少女が全身血だらけの男に包帯を巻き終わると、


男が口を開いた。




男「感謝……します。……お名前は………………?」


金髪の美少女は、澄んだ瞳で まっすぐ男の瞳を見て答えた。

金髪の美少女「リーシャ!……私の名前は、リーシャと申します!」



リーシャは続けてこう言った。

リーシャ「あなたは…………?」


男「レオール。私の名はレオール……です。」


レオール「……これを、……受け取ってくれませんか?」

レオールは、フードつきマントの裏側の胸ポケットから、取り出してリーシャに手渡した。



バラ。



真っ赤な一輪の薔薇。


少し、くしゃくしゃになってしまっているが、綺麗に赤く咲き誇っている。


リーシャが嬉しそうに頬をほのかに赤く染めながら言った。

リーシャ「これを私にくれるの……ですか?」


レオール「ええ。あなたに渡そうと思って、買っておいたのです。受け取って頂ければ嬉しいです。」

リーシャ「ありがとうございます!」


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