魔王の一人息子 ダレン
魔法界の危機が迫ってる。
でも、希望の光があった。
それは、ダレン、アリス、レオール、リーシャ、シーヴァ、レナ。
幸い、善なる魔王には ダレンというひとり息子がいた。
――――――善なる魔王「ダレン…… ! 地下にある【古の魔法の書】と この【ルディン石】を持って逃げろ…… ! ……そして、古の魔法の書に書かれている……救世主アリスを呼び寄せ、魔法界を救うのだ。……ぐはぁっ…………後は頼んだぞ、ダレン……………………!」
ダレン「父上!父上!しっかり…… してください! 死なないでください……!父上!」
ダレンは、父の無惨な死を目の当たりにして、ショックで悲しみを必死にこらえながらも、急いで地下に行き、貴重な書物を入手した。
ダレンは子どもの頃から、父に本に書いてある救世主アリスの話を聞かされてたので、本の在り処はすぐに解った。
悪の手下が近くまで追っかけて来た!
ダレンは目当ての書物を手にすると、秘密の通路から いちもくさんに逃げ出した。
城から外に出ようとした時、
辺りは悪の手下の兵士で囲まれている。ダレンは、一瞬どこに逃げればいいか迷ったが、
ふいに「ダレン様。こちらです!」と後ろから小声が聞こえる。
振り向くと、そこに居たのは…… 幼き頃からの唯一無二の親友でもある、ダレンの執事レオールであった。
―――――――――ダレン「……レオール!」
レオール「ご無事で……本当に、良かったです!さぁ、早くこちらへ!」
レオールは気が気ではない様子で、急いで誘導した。
ダレン「わっ………………うっ、なんだ!?ここは。」
ダレンの鼻がつーんと、ねじれるのを感じた。息するのが苦しい。
ダレン「…………なんて、ひどい臭いなんだ。」
腕で、鼻をおおい隠しながら ダレンが言った。
レオール「仕方ありません。がまんしてください……ダレン様…。 ここは、下水道が通っている地下通路です。このまま歩いて城下町に出ましょう。」
ダレンは、レオールと2人で長い道のりを歩きながら気持ちの整理をしていた。
城下町に着き、小洒落た たたずまいの隠れ家的な宿屋を見つけた。
「白ウサギ」と書かれている。宿屋の部屋に入ると――――――
金髪でダイヤモンド ブルーの瞳を持った愛想の好い美少女が、出迎えてくれた。
レオールの瞳とその金髪の美少女の瞳の目線が合うと、2人は軽く頬を赤く染めた。
ダレンとレオールは、2階の個室に案内してもらい、部屋に入った。
ダレンが、レオールと2人きりになって、しばらくしてから口を開いた。
ダレン「レオール。……父上が叔父上に殺された……!俺も命を狙われている……!」
ダレン「叔父上は、この魔法界を征服する気だ……! 俺たちで、阻止するぞ!」
レオール「事情は……わかりました。でも、……どうすればいいのですか?」
ダレン「これがなにか解るか? 古の魔法の書とルディン石だ。これで、救世主アリスを呼び寄せる!」
ダレンは、そう言って 大切にカバンの中にしまって肌身離さずに持っていたものをテーブルの上に広げて見せた。
レオール「これは、…… ……どこでも手に入るわけではない、ずいぶん古い、古の魔法の書と、魔法界に2つしか存在しないと言われる非常に貴重なルディン石。 救世主アリス?…… 古の魔法の書とルディン石は解りますが、救世主アリスは存じ上げません。」
ダレン「俺は知ってる。小さい頃から父上から聞かされてた。この魔法界とは違う異世界に住む人間だ。」
レオール「人間?」
ダレン「人間とは、魔族とは違い 魔法を全く使えない生き物だ。」
レオール「魔法を全く使えない人間が、どうやって魔法界を救えると言うのですか?」
レオールは、到底そんな事は出来ないと不思議そうな顔をした。
ダレン「このルディン石だ! このルディン石は魔族にとっては、ただの綺麗な石でしかない。しかし、人間が使うと とてつもない力を発揮することもある。 …………それで、父上も殺られてしまったんだ。トドメを刺したのは叔父上だったが、魔法界一の魔力を誇る父上が殺られたのは、ルディン石を持つ人間に殺られたからだ。」
レオール「魔王様は……私にも本当に良くしてくださいました、私も悲しい…………です。……ルディン石にはルディン石の力で、制するということですね。救世主アリスを呼び寄せましょう!」
ダレン「だな。」
ダレンは、アリスを召喚魔法で異世界から この魔法界に呼び寄せるために古の魔法の書を読み始めた。
ダレン「 ………………………………。」
レオール「……どうされました?」
ダレン「…………読めない。 父上から話は聞いていたが、この本を読んだことはない。古い字でわからない……。 レオールは、考古学は得意だろ? 頼む。」
レオール「お任せ下さい。考古学は得意分野です!」
レオールは、本を手に取るとスラスラと読み上げていく。
レオール「召喚魔法を行なうのに魔法陣を書かなくてはなりません。外に出て、街外れの森で行ないましょう。森なら追っ手も来ないでしょう。」
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