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詩など(連載詩集/その他)

信長キドリ

作者: レモネード・イエロー

後書き欄に用語解説ありです。

 

 暑い季節が終わって

 風が頰を過ぎてって

 たくさんの喜劇が

 悲劇が過ぎていく

 その時々に

 僕は顔色変えて

 リアクション……

 しながらやってきた


 誰かの横顔も

 涙流している姿も

 自分でさえも……

 いろいろ見てきたけれど

 「経験」って割り切って

 寂しそうな顔を向けて横を通過していた

 燃え盛る炎も

 波打つ感情も

 時が経てば消えゆく

 人間はほんの一瞬



 ずっと俳優のふりをして過ごしてきた

 平台ひらだいを踏んで歩いていく影法師かげぼうし

 痛がったり飛び跳ねたりしながら

 自分は別にあると思うことにしていた


 ずっと俳優のふりをして過ごしてきた

 そでに帰れば何もかもなくなる

 嫌なことも所詮しょせんはそんなものなんだって

 思い切って生きてきた



 でもなんでこんなに

 あの夕陽の書割かきわり

 かがやいて……

 この胸を打つんだろう

 なんでこんなに

 増幅器アンプ通した波の音は

 涙を誘うかのように

 振動するんだろう



 夢まぼろしよりも簡単に消えると思っていた

 実際それははかないものかもしれない

 でも今このときは

 消えないでほしいと思っている

 そんな自分に気がついて僕は

 今ほんの少し驚いてぼうっとしている






演劇用語? の解説です。

使い方などはあくまで一例ですがね……


 平台ひらだい …… 平らな台。舞台に高さを出す場合などに使われる。

 そで …… 舞台左右の端。袖幕そでまくを使って隠し、ここから俳優の登退場がおこなわれたりする。

 書割かきわり …… 建物や風景など、舞台の背景を描いた舞台装置。木材の枠組みに背景を描いた布や板などを貼って作る。

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― 新着の感想 ―
[一言] 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり……と何だか平家物語の一説を思い出しました。(学生の頃に暗記させられましたw) この世は盛者必衰で、どんなに強大な存在でもいつかは塵に還る。現実は一瞬で儚…
[良い点] 舞台人の一抹の寂しさを感じました。 舞台は一期一会。一つとして同じ空気にはならないですよね。 それでも千秋楽を終えるとすぐ、全てが無情に片付けられていく。 まだ演りたい、という思いが見…
[良い点] 信長という人物を思い浮かべて、もっと苛烈で燃え盛るようなものを想像しましたが、なんとも柔らかく心を掴む詩ですね。 自分を含めて色んな人たちを見ながら横をすり抜ける。 そういうものだと割り…
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