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曖昧な風景
「空」と言ってしまえば、それだけなのかもしれません。
薄く霞のかかった空模様でした。
ぼんやりとした雲に、太陽が隠れていました。
微かな光のヴェール。
崩れそうな雲の峰。
風景の輪郭はどうしようもなく朧げで……。
言葉が出ませんでした。
光に陰。
青さと白さに少しの灰色。
描く単語がない訳ではないのですが……。
でも、どうしても表現する言葉が見つからないんです。
ほんの目の前にある、この景色を。
詩人や小説家の言葉に、映像すら感じることがあります。
その繊細な表現は、まるで魔法の様で……。
そんな風に世界を描けたらと、強く憧れています。
未だ私には掴めないままで、見つめることしか出来ないのですが。
ゆっくりと、雲が流れていました。
撮影日２０１５年１０月３１日
