異能バトル開催
コロシアムの中には30人の受験生が散らばっている。
「おいおい、まだ始めねーのかよ」
少年は苛立ちを隠せないでいる。
彼の名前は神谷 圭受験生の1人だ。
『そうだね、そろそろ始めようか。それでは位置について……』
ドクン…ドクン…
『よーい…』
ドクン…ドクン…ドクン…
『スタート!!!』
「わああああ!」
受験生が一斉に各々の異能を使い始めた。
火を使うもの、水を使うもの、雷を使うもの。それぞれが合格の為に戦い始めた。
「さぁ、少年よどんな異能を使うんだい?…」
司会の女性教師は誰にも聞こえない声で言った。
※
「 (全員焦り過ぎなんだよ)」
圭は心の中でつぶやく。
「いくぞ!」
圭はそう言って右手に火の異能を、左手に風の異能を作り、重ねて前に突き出す。
「炎の竜巻」
刹那コロシアムに炎の竜巻が三つ現れた。
「そ、そんなバカな…異能を二つ…」
司会の女性教師は驚いてマイクを落としてしまった。
「あり得ない!15才の少年が二重異能を使えるはずがない!」
炎の竜巻はコロシアムを縦横無尽に動き回った。まるで消えることの無い竜巻が追跡して来るかのように。
しかし、竜巻は唐突に消えた。
一つ目の竜巻は光のレーザーに吹き飛ばされ、二つ目の竜巻は氷漬けにせれ、三つ目の竜巻は破壊された。訂正は無い、竜巻は割れたように破壊されたのだ。
(前の二つの竜巻はなぜ消えたのかは分かる。だが三つ目は何が起こった…)
圭は驚い…
(おもしれぇ…やっぱこうじゃなきゃな!)
ては無かった。
逆に燃え上がっていた。読んで字のごとく圭の体は火の異能で燃え上がっている。
「全員まとめて相手してやるよ」