二人の新入生
1600年5月11日
人間界と魔界は戦争を続けていた。しかし、戦争は唐突に終わりを迎える。人間界の王であるソロモンが娘であるエリザベス第一王女を差し出すことで魔族は軍を引いた。
それから魔族が人間界に来ることは無くなった。
2100年2月10日
『さぁ!これより!第二十一回!聖光学園入試試験を開催します!!!』
『わああああ!!!』
開会宣言をした女性教師の後に全校生徒300人が歓声を上げる。
「質問がある!」
1人の少年が発言を申し出る。
『なんだい?』
「なんで入試なのに『開催します』なんだ?それじゃあまるで祭りみたいじゃねーか」
『うんうん、良い質問だね。君名前は?』
「受験番号21番 神谷 圭だ」
黒髪で黒目で身長が175cm程の目つきの悪い少年。
『圭君か、いい名前だね。質問に答えよう……答えはこの周りの光景さ!』
そう言って司会の女性教師は大きく腕を広げた。
周りには300人の生徒が座っている。
「かっ!本当に祭りって事か」
『飲み込みが早くて助かるよ』
ニコニコしながら司会の女性教師は言った。
『それではルール説明を始めよう。
まず30人の受験生にはこのコロシアムでバトルロワイヤルをやってもらうよ!』
「え?」「なんだよそれ」「バトルロワイヤルって…」
受験生に不安が現れる。
『そう!君たちには、これから異能を使って思う存分暴れて欲しい!君達は既に戦うための力を持っている!その強さを証明して欲しい!!』
もう分かったと思うがこの学園は能力者を育てる能力者の為の学校だ。
「質問があります!」
さっきとは違う少年が質問を申し出た。
『どうぞ』
「合格条件はなんですか?」
『いい質問だね、今年の受験生は優秀な子が多くて嬉しいよ。自己紹介をお願いしてもいいかい?』
司会の女性教師はニコニコしている。
「受験番号4番 麻間 帝です。バトルロワイヤルで一位になればいいのですか?」
金髪で身長が圭と同じ程の細身の少年だ。
『一位になる必要はないよ。負けても、審査員に強さを証明出来れば合格出来る確率はある』
「ありがとうございます」
帝は頭を下げてお礼を言う。
「だが、上位の方が有利なのは変わりねーだろ?」
圭が挑発的な口調で問いかけた。
『勝つ気満々だねぇ。でも知ってる?この学園の生徒はほとんどが中等部からのエレベーターなんだ。だからね、高等部から入れるのはせいぜい10人くらいなんだよ。』
「関係ねーな!最後に立ってるのは俺だけで十分だ」
『威勢だけはいいみたいだね。それじゃあ始めようか』
まずは学園入学編からです。圭の力がどんなものか気になりますね。