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Prologue:全テノ始マリ。

過去、西暦2019年、日本・新宿・・・・


「アレの用意はできたか?まだか?」


新宿の駅前にあるスターバックスの前、男がスマホ片手に誰かと会話していた。

180cmほどのスラリと高い身長に、ソフト帽、そして真夏の夜中だと言うのに全身黒づくめの格好だ。

街ゆく人々はそんな彼を鬱陶しそうな目で一瞥しては、何も言わずに通りすぎていく。


「あぁ・・・そうか、分かった。よし、始めろ・・・」


男は電話を切り、スマホをポケットにしまうと、慣れた手つきで着ていたコートから煙草を取り出す。

ブラックデビルのチョコレートフレーバーだ。

男はその黒い一本をおもむろにライターで着火する。


「ふぅ・・・」


ほのかなチョコレートの香りを湛えた紫煙が立ち昇り、街の空気と混ざり合って消えてゆく。

口の中に広がる煙草の味を噛みしめながら、男は夏の夜空を見上げた。


「ゲームはまだまだ始まったばかりさ・・・楽しくやろうぜ・・・」


そんな事を呟く男の目は、赫く濁っていた・・・・

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