裏生徒会!?
権力、学園の秩序を守るのは、個性強めの裏生徒会!?
「やばいやばい遅刻だ」
わたしは今、全力疾走で登校している。ランニングしているお兄ちゃんを追い越し、散歩しているおじいちゃんの横を駆け抜ける。皆んな目がまんまるだ。
それもそのはずだ。わたしが着ている制服は「私立高咲学園」のものだ。特進科は財政界の社長や取締役の子息女が通う。芸能科はすでにデビューし、ファンクラブまであるような有名人が通う。
では、わたしの通う普通科は? 一般家庭の出だが芸能人やゆくゆくは財政を担うであろう人材とのコネクションをつくるために通う者がほとんどだ。
つまり、一定の条件を満たさないと入学すら許されないお金持ち学校…私立高咲学園。
そんなお金持ち学校に通っていることの証明である制服。そしてそれを着用している女子高校生が全力ダッシュしている。
驚くのは正常である。
今日こそ遅刻したら本当に担任のさわらにどやされる。
だからこそ、判断が鈍っていたんだ。
「ショートカット!」
校門まで行く時間が惜しい。わたしは学校の高い塀を忍者さながらの跳躍と機敏さで登った。後は着地するのみで、飛び降りた。ここまではよかった。
「やばっ!!」
時すでに遅し、着地しようと思ってた所に人が立っていた。
ゴチーンと鈍い音がし、慌てて下を見るとわたしが上にのっている状態になっていた。目をつむっているのは男子生徒で、特進科のバッチをつけている。
「ごめんなさいぃぃぃ!!」
死んでる!? 死んでないよね!??
「生き返ってー!!」
男子生徒の肩をつかんで思いっきり揺さぶる。
「いってぇなあ」
「生き返った…」
「死んでねえよ」
目を開けたのは、おそろしく整った顔をした漆黒の髪の男子生徒だ。
キーンコーンカーンコーンと授業開始のチャイムが鳴った。もはや遅刻は確定だ。
「あの塀を飛び越えたのか?」
わたしがショートカットしてきた塀を見て問うてきた。
「あっ、はい…」
もはや誤魔化すこともできないので、素直に頷く。
「名前は?」
「佐藤瑞希です。」
まさか土で汚れたという理由で、制服を弁償しろとでも言われるのだろうか。
「佐藤瑞希、生徒会に入れ」
「はい!?」
とてもまっすぐな目で言ってきたが、なんなんだこの人はだいたい、生徒会役員バッチを付けていないじゃないか。
「あなた生徒会役員じゃないですよね?」
ああ、となにか思い当たったかのようにポケットをあさり始めた男子学生。
「手を出せ」
言われた通りに手を出す。そこにはいちご飴が置かれていた。
天然なのか?
「俺達にバッチはない。バッチをつけているのは表の生徒会役員だ。俺達は裏生徒会役員だ」
「それは極秘事項なのでは?」
本当に天然らしい。これは一般生徒が知ってはいけないことなのではないかと、頭の中で警鐘が鳴り響く。
そんなわたしの頭の中なんて知らないこの男子生徒は不敵に笑った。
「俺は神崎煌。よろしくな佐藤瑞希。」
わたしはとんでもない人を踏んでしまったのではないか?
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