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episode4「惑いの言の葉」

コイルがやってきてから、彼らはどう変化していくでしょうかね…

初日の夜。レーヴィと会合するコイル。


レーヴィ:「もうここの生活には慣れてきたの?」

コイル:「えぇ、おかげさまで。…もしかして少し迷惑でしたでしょうか?」

レーヴィ:「いや、そういうわけじゃない。

ただ…自分たちの暮らしって結構異質なのに、こんなに適応してるの不思議だなって。」


コイルは少し言葉を選ぶように、


コイル:「そうなんですかね。私は前の所でも共同住宅に住んでいたので。」

レーヴィ:「へぇ…ちなみにここに来る前は何を?」

コイル:「集合住宅ではいっつもとりまとめをしていました。

ざっと20人以上は住んでいましたし、それらすべてを取りまとめるのは大変でしたよ。」


まるで迷いもない回答。初めからそれを質問されるのが分かっていたのかのような回答だった。


レーヴィ:「…そうか、ならいいんだ。じゃあこれで…」

立ち去ろうとしたその時だった。


コイル:「ねぇレーヴィ君。君は…優しいね。」

優しい声で語りかけてきた。無視をしようと思ったが、つい返事せざるを得なかった。


レーヴィ:「…ありがとう。」

コイル:「君のような人と生活できて、僕はとっても嬉しいよ。」

レーヴィ:「…それは…どうも。」

ついレーヴィもこの声に乗せられてしまった。レーヴィはゆっくりとその場を後にする。



コイル:「君のその心、純白でとても美しいよ。」


翌朝──

レーヴィは昨日のことが忘れられないまま朝を迎えた。


(君は…優しいね。)

どうしてそんなことを初日から言えるのだろうか。不思議で仕方なかった。

今まで一緒に暮らしてきたやつでもそんなことをなかなか言わないのに。

もしかして、どこかの世界で言うこれこそ「陽」な存在とでも言うのだろうか…


その日の昼、シノが出かける準備をして部屋から出たのをレーヴィが見た。


レーヴィ:「あれ…?シノ、どこか行くの?」

シノ:「うん…コイルさんに呼ばれてね。」

レーヴィ:「コイルに?どうして?」

シノ:「事情はよくわからないんだけど、一緒に外の空気吸いに行こうって言われて…」

レーヴィ:「なぁ、それって…」


そう言いかけた時、コイルが迎えに来た。


コイル:「お待たせ。おや、レーヴィ君もいたんですね。」

レーヴィ:「あぁ…たまたま居合わせてね。」

コイル:「そう…シノに何か用だった?」


その言葉は、まるで聞かれたくない内容を隠すかのような、

反論できないオーラを帯びた一言だった。

レーヴィも危険を察知した。このまま引き留めては何か起きると…


レーヴィ:「…いや、なんでもない。」

コイル:「そう。じゃあ行こうか。シノ。」

シノ:「う、うん」

コイル:「また後でね、レーヴィ君。」


レーヴィ:(何だこの感覚…)


不服だった。

ここまで指揮を務めていたレーヴィが、初めて反論できない時だったのだ。

普通だったら、ちゃんと理由を聞いて異質なところは指摘できるのに、

あの一言で、すべて一蹴されたような気分だった。


───


シノ:「…突然、一緒に外なんて…」

コイル:「いっつも狭い世界だけじゃ嫌だろ?」


また、説得力があるようなオーラに、シノも若干揺らぐ。

シノ:「まぁ…でも一人だからこそ生きれたところもあるし。」

コイル:「みんなといれば、楽しい。そうでしょ?」

シノ:「……まぁね。」


不服な気持ちのまま、コイルの言葉に乗せられていく。


コイル:「僕も昔、一人ぼっちになったことがあったんだ。

学校の教師から見放されて、友達もなくなって、いいように扱われて…

なにせ、暴力的って揶揄されたせいで勝手に危険人物にもされたんだ。」

シノ:「へぇ…そうだったんだ…」

コイル:「信用できる仲間がいなかった僕にとって、この光風荘ってのは、暖かい場所なのさ。」

シノ:「…じゃあ、是非ともゆっくりしてほしいね。」


シノは自然と口にしてしまった。まだ、出会って間もないのに。

コイルの言葉、佇まいが、すべて何か説得力を帯びて、シノの耳に響いていたのだ。


シノ:(なんで…こんなに納得してしまうんだろう…)


コイルの言葉一つ一つが、現実味と説得力に満ちている。

それはまるで、心が引き寄せられるような感覚。違和感しかないはずの一言も、

彼が発すれば、すべて違和感なんてなくなるのだった。


言葉の重みが、彼がいるだけで、彼中心になる。一体この感覚は…

言葉というものは、時に人を動かす力になります。

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