episode3 「それが来てからの日常」
今日はコイルが入ってきてからの日常が描かれます。
コイルが来てからの初日。光風荘では、レーヴィとアクトが個々の部屋を回り、
それぞれの部屋の前に食事を置いていくことで、全員の朝食が始まる。
通常のアパートであれば、そんな生活はめったにお目にかかれないだろう。
しかし、レーヴィがコイルの部屋に食事を置いていき、その場を去った後…
後ろから物音がする。ギィ…とドアの開く音、そしてカチャ…と食器を取った後、扉がパタンと閉まる音。
レーヴィはとっさに振り返った。そこにはもう食事は置かれていなかった。
まさか、あの食事が来ることをわかっていたのか……?
レーヴィは困惑したが、思い過ごしかとそのまま部屋に戻る。
レーヴィ:(どうしてあの食事を何の疑問もなしに受け取った……?)
彼の中にはずっと疑問にしていた。
初日からこんなことがあっていいのか……?と。
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お昼ごろになると、ネイがいつもしていた入口周りの清掃をコイルがしていた。
ネイ:「あ……コイルさん。もしかして、自ら掃除を……?」
コイル:「はい、みんなが住む場所ですからね。」
ネイ:「そんな……僕がいつもやってるから任せていただいて……」
コイル:「いいんですよ。これぐらいなんてことないですから。」
ネイは困りながらも、コイルの温情につい甘えてしまった。
それを光風荘のベランダから見ていたシノとユエ、
シノ:「あの人……献身的ですっごく優しいね。」
ユエ:「ね~。なんか神様みたいな人だね!」
ミレイだけは唯一、そのコイルを遠くから見ているだけだった。その後も、コイルは今まで光風荘のみんながやっていた雑務をしていた。
お昼が過ぎると、全員が食事した食器などをアクトなどが洗うのだが、
アクトが来た頃には既に整理整頓されていた。
アクト:「……? もう終わっている……?」
すると後ろから、
コイル:「あぁ、アクト君。私がすべて終わらせておいたよ。」
アクト:「……そうか。どうもありがとう。」
そういうアクトだったが、心では異様さを感じていた。
まだ来てから一日しか経過していないのに、
ここまで生活に適応できているなんて…
アクト:(なんでここまで適応できているんだ……?)
さらに、コイルは入ったばかりというのを口実に、
周りの者と積極的に話していた。
シノが、光風荘のベランダに立っていると、コイルが後ろからきて、
コイル:「やぁ。たそがれてるの?」
シノ:「まぁ……そんな感じ?いつも私はこの場所で一人になるのが好きなの。」
コイル:「へぇ……周りと話すのは珍しいって感じなのかな?」
シノ:「ん~……まぁ?ある程度は自分と隔たり持たないと生きてけないからね。」
その言葉にコイルが反応するように、優しく。
コイル:「でもそんなに一人だったら退屈だし、この場所がいづらくなるでしょ?」
シノ:「どうだろうね。」
コイル:「少しだけでいいから、僕と話してみない?」
シノ:「……まぁ少しなら」
コイルの言葉に乗せられるように、シノは断ることができなかった。
この異様に周りとつなげようとする人は、光風荘に居なかったはずなのに……
コイルの一言には妙なオーラが放たれていたからこそ、断れなかった。
それを遠くから見ていたレーヴィ、彼が行きつく答えは……
異様なまでにみんなと重なっていくコイルは、果たして何者なのでしょうね?




