表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【プロットタイプ】その時の相手は……

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

苦しいよなぁ。誰よりもきっと苦しんでるのが鏡花だよ。

鏡花は人の感情をより深く理解した上で創作に当たる為、常日頃から演技を行っている。

だから本当の自分なんてものは本人でさえ知らず、時折見せる本心の様な振る舞いも、本当の意味での自分かは分かっていないのだと思う。

だからこそ、時折物凄く歪な側面を見せて来る。


「ねぇ、瑠衣たん。今日一緒に寝よう」

「理由は?」

「夫婦の日」

「……」

「あ、無視しないで!! 絶対これに関して無視しないで!! 瑠衣たんだって恋愛小説書きたいと思った事の一度や二度あるでしょ!! ねぇ!! その講座を私手づから教えて上げようと思ったの!! ねぇ!! 必要でしょ!! ねぇってば!!」

俺の腰に情けなくしがみついて、ズルズルと引き摺られる。女の体とは言え、成人女性の体重が丸々伸し掛るので、非常に歩きにくい。

「人の心も理解してないで、物を書こうと思ってんじゃねー!! この機巧人間!!」

何とかして自分の部屋まで戻ると、未だに離れようとしない鏡花に向かって吐き捨てた。

「しがみついてる暇があんなら、早く枕持って来いよ。子泣きババァ」

「よっしゃ!! あと四捨五入しても三十路だから。三十路はババァじゃないから」

そうこうしているうちに、バタバタと音を立てて、布団に包まっている俺のベッドに潜り込んで来た。一人用のベッドに無理矢理体を捩じ込んだので、非常に狭い。

其れでも文句一つ言わずに大人しくしていると、鏡花の方から直々に指導が入った。

「そこはハグするべきだよ、瑠衣たん。本当に機巧人間なんだね」

煩い人間だ。俺のやることなすことに逐一文句を付けて、従わないと暴れてゴネて、赤ん坊か。

渋々腕を回して抱き寄せてやると、漸く大人しくなった。胸に顔を埋めさせようとしても、其れを拒む様に体を強ばらせる。

「今のは、俺を好きだった時の人格か?」

「……うん……まぁ……そんなとこ……」

何とも歯切れの悪い回答が帰ってきた。まぁ良い。鏡花の心理描写は感情移入を行った上でのものなので、かなり現実感がある。其れが分かればこれぐらいどうって事ない。

「誰かに恋すると、凄い些細な言動でも一喜一憂するんだよ。

普段誘わない人が誘ってくれた。何か食べさせようとした時、指が当たった。帰り際、別れ道でちょっと長めに時間取ってくれた。

そういうちょっとした事で、『この人私の事好きなのかな。ただの気まぐれかな。今好きって言ったら、引かれるかな』なんて、ぐちゃぐちゃ考えるんだよ。

まぁ、瑠衣たんは最後まで私に恋愛感情を抱かないままだったけど」

あの時、恋人ごっこの片棒を担いだ時のことを思い出す。演技を始める前に約束をしたのだ。

『好きなってくれても良いけど、そんな事は有り得ない。だから私が貴方を恋人として好きになったら、容赦なく振って欲しい』と。そして俺は鏡花に恋心を抱く事無く、最終的には振ることになった。『お前を女として見たことはただの一度もない』と。

随分と懐かしい思い出を振り返るな。

「何時か……私以外の人で瑠衣たんは恋心を覚える事はあるのかな」

「ねぇよ。んなもん」

最初から最後まで執筆こそが恋人だ。そうしてお前達は其れを形作る部品の一つに過ぎない。だから意味合い的には、共同者というものに近い。

「残念だな。分かったらきっと……綺麗なものが書けるよ。そしてその時の相手は……」

焦点が四方八方に眼振する。瞳孔の肥大縮小が繰り返される。鏡花が役の制御を掛ける前触れだった。其れも暴走している為、かなり手こずっている時の。

「鏡花」

「もう大丈夫。暫くあの子は出さないよ。手間を掛けたね」

「もう寝ろ。疲れただろ」

そう言って毛布を掛けてやると、鏡花は黙って瞼を閉じた。寝て忘れろ。今日の気の迷いなんざ。

コメディ苦手で、何故か湿度高めのシリアルにさせるのは趣味です。ゴリゴリの趣味です。


鏡花、恋愛感情を学ぶ為に、瑠衣を好きだった事があるんですよ。

勿論、同性愛者の気持ちを理解する為に、同性愛者になった事もあります。

※【プロットタイプ】テセウスの船 だったかな。


結構容赦ないですよ。鏡花。

瑠衣と同じくらい、真実を求めて話を書いている。

苦しい事は百も承知。

でもそんな痛みもどっか麻痺してそう。


だから恋愛小説書く時は今でも人格出力させます。

『瑠衣を好きだった自分』そのもの、その成れの果てが今の様な感じ。

何だかんだ理由付けて、添い寝したがって、甘えまくる。

そいでもって共同者の意識も持っているので、『恋愛感情教えるなら今がチャンス!!』と思って仕掛けてます。


其れでも暴走すると、最後みたいな感じ。

やべぇと思うと、必死に制御かけます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ