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ひまわりから愛をこめて

作者: 白夜いくと

私の名はひまわり

太陽に向かって

気高く咲き誇っています


人々が愛でてくれたり

魅入ってくれたりすると嬉しいのですが


うだるような暑さの中じゃあ

日陰になることぐらいしか出来ない


私の名はひまわり

夏に私は顔を出して

美しく咲き誇っています


人々が笑顔で居てくれたり

優しく触れたりしてくれると良いのですが


ちょっぴり恥ずかしくて

やっぱり太陽の方を向いちゃいます


伸びる背は人々を追い抜き

大きな日陰をつくるでしょう


少しは涼を感じてくれると良いのですが

きっと人である故の業

子どもでさえ日陰を奪い合うのです


負けた方は新たな日陰を探します

そんな人を沢山知ってしまって

ほんの少しだけ感傷に浸っていました


私の名はひまわり

鮮やかな咲き方ですが

亡霊のように枯れる花で有名です


なぜかって?


年中美しかったら

争いが絶えませんからね


……

…………


そろそろ枯れましょうか

流す涙も尽きそうですし


人々の世に永遠など存在しないのです

だからこそ私は


美しく咲ける

気高く咲ける


人々が私のことを「私」として観ないなら

きっと枯れ時なんです


憎まれるのも種を食べられるのも

好きにやってくださいな


もし望むとすれば

この枯渇した大地に一滴の潤いを……


蛇足が多すぎましたね

大人しく枯れることとします


それでも太い深緑の幹は折れない

決して折れることはないのです


大地に深く根を張って

また私が美しく気高く咲けるために


その時のために


今はおやすみなさい

私の大好きな人々たち


あなたたちにも安らぎがありますように

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