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金と名誉の為に戦う桃太郎

2章

金と名誉の為に戦う桃太郎。


桃太郎の話の中に鬼を退治した桃太郎が、その宝物を持ち帰り、幸せに暮らしました。とする文章がある。

ここは桃太郎のお話でも所説分かれそうな内容だが、ここではこの財宝と、鬼退治の名誉が桃太郎の動機であったとしてみよう。


~~~~~

 ある町に有名な悪童がいた、名を桃太郎と言う。彼は風体の悪い男どもを連れ立って練り歩き町で悪さばかりをしては。養父の翁に追い回されていました。


 そんなある日、町に鬼退治の御触れが回ってくる。養父の翁はこれぞお家再興の好奇じゃと喜び勇んでは納屋の奥から具足と太刀を取り出し丹念に手入れをし始める始末だ。


 最初は呆れて眺めているだけの桃太郎だったが。ある夜、桃太郎は養父の具足と太刀をもって、鬼退治で一旗揚げるのは俺様の方だと書置きを残して旅立つ。


 悪童『桃太郎』の名が天下にとどろく旅が始まったのだー。

~~~~~


 所謂(いわゆる)、ちょい悪系であり、知恵と勇気と悪だくみで、災害『鬼』と戦う頭脳バトル系主人公。普段は露悪的(ろあくてき)に振舞うせいで誤解されやすいが、本来は芯が強く面倒見がいい兄貴肌の性格であり、簡単に曲がったりするような人物ではないが、彼は自身の置かれた環境故、偽悪的に振舞わざる終えなかったのだ。


 彼は拾われた子供である。養母の老婆が(かご)に乗って流れてきた彼を拾ったのである。

 篭には彼のほかに、桃ノ木の枝と、山の果実が乗せられていた。老婆は一目見て何があったのかを察した。桃の実は仙人の実である、もしそれを一口齧れば、乳の枯れた母親にも、もう一度乳が蘇る(よみがえる)。そんな話を信じたのだろう。桃ノ木を見つけるべく山を登った母親は、果たして桃ノ木を見つけたのだろう。実の成らぬ桃の木を。故に子を川に流したのだろう、一縷の望みを込めて。一緒に乗せられた二つの果実は乳の出ぬ母親が普段から絞って与えていたものだろうかと思い老婆はそっとその実に触れた。

 実のところ本当は何があったのか分かりはしない。それでも老婆には、その篭の中に、母親の愛と悲哀の全てが詰まっていると思った。~序文(になる文章)より~


 その後の話を要約すると、この桃太郎の生い立ちは非常に貧しい物であった。人里から離れた暮らしをしていた養父母が子供を育てるために頼ったのは、貧民街の人々で、そこで洗濯女をする代わりに乳を分けてもらう生活をすることになる。そんな生活故か、桃太郎は多くの乳兄弟に恵まれ、その中で力も体格も良かった桃太郎はまとめ役、ガキ大将になっていくのだが、それ故に言われなく差別される貧民街の顔役として、貧民街の外、町との≪交渉≫に関わっていくことになる。


 桃太郎が自分の悪名を率先して広めるようになったのは数年後、彼と仲の良かった弟分が殺されてからであった。


 桃太郎は既に岐路に立たされていた。自分の悪名の傘で≪兄弟≫を守る事を選んだ桃太郎は、なるほどこのまま往けばどこにでもいるいっぱしの(わる)として、この界隈を牛耳る顔役になっていただろう。兄弟のためと言いながら悪事に手を染めるのも時間の問題に見えた。


 それがどこかで分かっていたから、桃太郎は悪さをしながらも養父に叱られて逃げ回るという茶番を演じ続けていたし。


 養父の翁もこれ以上桃太郎を悪いほうに踏み込ませないように追いかけまわし続けていたのだろう。


 だからこそ養父の翁はこの鬼退治に飛びついたのだ。桃太郎の何かを変えるきっかけになればと。


 そして、この鬼退治に桃太郎も掛けたのだ。養父母と兄弟たちの行く末を。


 ここまでが桃太郎が鬼退治をする。最初の動機である。そして最初という言葉には当然続きがある。続きは『金と名誉の為に戦う桃太郎~後編~』にて語ろうかと思う。

後編に続きます。

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